ONKUL

物腰のやわらかさ。語り口の人懐っこさ。

話を聴きながら、その“ いい人オーラ ”にいつの間にか心がほぐれる。

手しごとのかばんブランド《ripa / リーパ》のつくり手、廣江太志さんだ。

 

好きな人たちが集まる場所で、あたらしい一歩

埼玉県川口市の長閑な住宅街。植木屋だった敷地内に、カフェをはじめ雑貨店、お菓子屋、革製品の工房などが看板を掲げあう「SENKIYA  SHINMACHI(センキヤシンマチ)」。つくる人たちと訪れる人たちのほがらかな声が聴こえてくる気持ちのいい場所。その一角、大きな柿の木の下に、廣江さんのお店はある。山小屋のような佇まいがなんともおおらかで、居心地が良い。

廣江さんが、山と日々の暮らしをつなぐ店「YAMANAMI(ヤマナミ)」をオープンさせたのは昨春のこと。人と出会うことを大切に、イベント出店をしながらリズム良くやっていた動きがコロナ禍でストップ。今後の展開を考えあぐねていた時、昔なじみであったSENKIYA SHINMACHI代表・高橋さんから「ここで、お店をやってみない?」と声をかけられたのがきっかけだった。「世の中が混沌としていた時期でしたが、慕っている人たちの元で新しい場所を開拓できたというのは、本当に大きかったです」

 

かばん屋のつくり手が手がける、アウトドアショップ

「YAMANAMI(ヤマナミ)」では《リーパ》のかばんはもちろんのこと、自身がこれまで出会ってきた様々なつくり手によるアウトドアウエアやグッズも取り扱っている。山や野遊びだけでなく、日々のスタンダードとして使っていたくなるものばかり。自分だったらこんな風に合わせたい、あそこへ行くときに使いたい、思いをめぐらせているとワクワクしてくる。中でも《リーパ》のかばんや小物は、生地やファスナーなど、パーツを好きな色や素材でオーダーできる。クラフト感と遊び心のある「わたしだけのひとつ」をつくってもらえるのは、なんともご機嫌なこと。全てのラインナップを揃えているから、背負い心地や質感をその場で確かめられるのもうれしい。

《リーパ》のかばんや小物たちが並ぶ店内

 

自然と「つくる」ことへと目が向いていた幼少期

在宅パタンナーだったご両親の姿を幼い頃から見ていた廣江さんにとって、「ものづくり」はとても身近なものだった。工業ミシンやロックミシンなど、普通の家にはなかなかない専門的な道具がある風景。それは、“ つくる ”ことへ自然と目が向いていく恵まれた環境であった。中高生くらいの時にはデニムを使ってリメイクし、オリジナルをつくる。服飾専門学校卒業後に《リーパ》を立ち上げ、初めて手がけたのは、パラフィンキャンバスを使用した自転車乗りのための斜めがけかばんだった。

《リーパ》立ち上げからつくり続けている斜めがけかばん。どこへでも一緒に出かけたくなるかろやかさを感じる。(photo:廣江さんより提供)

 

 

ヒント×思い×タイミング

ひと針ずつ自分の手で仕上げていく強み

廣江さんのものづくりは、「こんなのあったらいいな」というユーザーからの声に、それ自分も欲しいな、そのアイディアいいな、と思えるものをプラスして、形にしていくことが多い。ニーズをヒントに、何を、どの素材で、どんな“ つくり ”にしていくか。ヒントと思いとタイミングが重なりっての製作が、モチベーションを保つことへと繋がっている。そして、何よりも「かかる手間」を惜しまないことを大切にしている。ちょっと面倒だけれども、このつくり方だからこそ他と被らない。製品の強度が上がる。そういうところを目を瞑らずにつくっていくように心がけている。こっちの方が絶対いい!という思いを見つめていけるのは、一点ずつ、ひと針ずつ製作している強みではないだろうか。

お客さんとの語らいはアイディアの宝庫!

 

当たり前に向きあっていきたい

「僕にとって、ものづくりは“ ライフワーク ”です。愛着をもって長く使ってもらえるものをつくり続けていきたい」そう、きっぱり話す廣江さん。

 

 

「売れなきゃバイトでもなんでもすればいい。続けることが何よりも大切」昔、アドバイスをもらったことがあるそう。「YAMANAMI(ヤマナミ)」というお店をやりながら、人と出会いながら、《リーパ》として、ものづくりは生涯続けていきたいこと。ずっと自分の近くにある、当たり前に向きあっていきたいこと。製作していく作業の上では複雑なこともあるだろうけど、想いというものは意外とシンプルで潔い。廣江さんの言葉がストンと心の真ん中に、清々しく入ってきた。

 

《リーパ》のアイテムをはじめて手にした時から、廣江さんの人柄やものづくりの良さに心惹かれていた。子どもと公園を駆けまわり、キャンプや山歩きが身近な私にとって、アウトドア機能をしっかり持ちながらも、暮らしに溶け込むデザインや素材はうれしい限り。斜めがけかばんにしようか、サコッシュにしようか。どの部分をどんな色で、どんなパーツでカスタマイズしようか。いろいろ悩む。迷いに迷うけど、「自分だけのひとつ」をオーダーしてみたい。それを連れてまちや山へと出かけたら、よりご機嫌な自分になれるんじゃないか。そんな期待をじわじわと感じている。

 

 

◎ 店舗情報

YAMANAMI

〒333-0823 埼玉県川口市石神715

SENKIYA SHINMACHI内

TEL : 080-6542-2384

mail:yamanami.store@gmail.com

Instagram:@yamanami_store

営業時間 : 12:00-18:00 (土曜 19時まで)

定休日 : 月曜、水曜、木曜、金曜

https://yama-nami.stores.jp/

 

 

Text – 馬場 希( ATTEND )

本と暮らしまわりのライターをしながら、企画コーディネートを手がける。

カフェと写真、読書とピクニックが好き。

Instagram:@nozochocolait

 

イラスト – ひだまりdesign

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