CULTURE & LIFE

毎週テーマに合わせて、「アーティスト」が選曲したプレイリスト、いつの時代も色褪せない「名盤」、そして注目の「新曲」をお届けする、連載《火曜日のプレイリスト》。

今回から実力派バンド《WONK》のインタビューをお届けします!R&B、ヒップホップ、ジャズ、ロック、エレクトロなど、様々なジャンルを吸収し、唯一無二の音楽を確立している彼ら。先月発売をして話題を呼んでいるアルバム『EYES』について、終始和気あいあいとしたムードのメンバーのグルーヴ感と共にお楽しみください!

そして、ベースの井上さんがテーマに併せて選曲した”夏気分を盛り上げる曲”もお見逃しなく!

 

photograh_Yuasa Tohru

R&B、ヒップホップ、ジャズ、ロック、エレクトロなど、様々なジャンルを吸収し、オルタナティヴな音楽性と洗練されたポップ・センスを併せ持った4人組バンド、WONK。最近では、香取慎吾や Charaなど様々なコラボレートで新境地を切り開いてきた。そんな彼らの新作『EYES』は、空の上に全く違う価値観を持った世界がある、というユニークな物語を持ったコンセプト・アルバムだ。しかも、デジタル・アルバムとアート・ブック付きのCDという2タイプでリリースされるこだわりぶり。一本の映画を作り上げるように制作したというアルバムについて、メンバーの長塚健斗(ヴォーカル)、江﨑文武(キーボード)、井上幹(ベース/エンジニア)、荒田洸(ドラムス)に話を訊いた。

 

ストーリーがある映画のようなアルバム

——EYES』は全22曲でひとつの物語を描き出していく、壮大なアルバムになりましたね。

江﨑:最初、荒田がストーリーがある映像作品を作りたいと言い出したんです。でも、時間的にも経済的にも難しくて、だったら架空の映画のサウンドトラックのようなアルバムを作ろうということになりました。

荒田:僕はアイデアを出しただけで、あとはメンバー全員の共同作業でしたね。コンセプトを詰めるところから全員で話し合って、大まかなストーリーを決めるのは幹さん。

井上:ストーリーを場面ごとに切っていって、それぞれを曲にしたんです。その際にムードボードみたいなものを作って、全員がアルバムの世界観やイメージを共有するようにして曲を作っていきました。

江﨑:今回は曲を書いた3人(江﨑、荒田、井上)が、それぞれ60%くらい曲を作ってきて、残りをみんなで仕上げるというやり方でした。それぞれが今、気になっているサウンドを持ち寄って、あとはそれぞれ歩み寄っていくみたいな感じでしたね。

 

——歌詞は長塚さんが担当されたとか。

長塚:この物語は主人公の心の模様を描いた作品と言えなくもなくて。歌詞を書く時は、状況の説明と心情のバランスを取るように心掛けて、歌詞が上がったらまず井上に相談して、これは説明的すぎる、みたいなやりとりを重ねていきました。

 

——CDに付属するアート・ブックはどういうものなんですか?

江﨑:LPサイズで、一曲一曲にヴィジュアルが付いていて、英詞と対訳を照らし合わせながらアルバムの世界観を楽しめるようになってます。なおかつ、AR対応になっていてiPhoneをかざせば絵が動くんです。

 

——面白い。ヴィジュアルの要素が加わることで映画的な世界を楽しめるわけですね。そもそも、こうしたメッセージ性のあるアルバムを作ろうと思ったのは、どうしてだったのでしょうか。

江﨑:音楽っていろんなジャンルがあるのに、日本では特定のジャンルの音楽しかマスに届かないことに歯がゆさを感じてたんです。もっと、いろんな音楽に目を向けてほしいって。明確なメッセージを伝えるというより、問題提起をすることができれば、と思っていました。

 

——そういう社会的なメッセージをポップなサウンドに乗せる、というのが重要ですね。そうすることで幅広いリスナーに届けることがきる。

井上:そうですね。今回、何度でも聴けるアルバムにするために、間口の広い音楽というのは意識しました。多くの人が楽しめて、それでいて自分たちらしさもあるものを作る、というのも新たなチャレンジでしたね。

荒田:メロディーにはめちゃくちゃこだわりました。何度も書き直して大変でしたね。徹夜して長塚さんとメロディーを考えてた時、気がついたら長塚さんが壁に向かってフラフラ歩いてたことがあって(笑)。

長塚:わかりやすいメロディーはできるけど、自分たちがぐっとくるメロディーがなかなかできなくて。ああ、無理、と思ったら、知らない間に壁に向かって歩いてました(笑)。壁が冷たくて気持ち良かったんですよね。

 

突き詰めると、WONK聴いてよってことなんです。

——熱が出るくらい必死に考えた(笑)。でも、様々な価値観、多様性を大切にするというアルバムのテーマは、WONKの聴かれ方に通じる問題でもあるかもしれないですね。WONKは様々な音楽性を持っているのに、世間ではジャズに分類されがちじゃないですか。そうすることで、ジャズに興味がない人の耳に届かなかったりする。

荒田:そうなんですよ。俺たちはジャズじゃない。

江﨑:去年の取材では、ずっと「我々はJ-POPです」って言ってましたね(笑)。

荒田:売れる音楽のフォーマットみたいなものが出来上がってしまって、世の中にそれ以外の音楽を受け入れる余裕がない気がするんですよ。みんな、そういうものに踊らされるんじゃねえ!っていう思いがずっとあって。まあ、突き詰めればWONK聴いてよってことなんですけど(笑)。

 

——そういう点では、最近、香取慎吾さんとかCharaさん。m-floさんなど、いろんなアーティストとコラボレートしていることでリスナーの幅は広がったんじゃないですか?

江﨑:そうですね。香取さんとコラボレートすることを発表した時は、ジャズ流れで僕らのことを聴いてくれてた人たちが〈どうなるんだろう?〉って不安をツイートをしていたこともあったんですけど、完成したものを聴いてくれたら、想像してなかったマリアージュだけど良い仕上がりだって言ってくれました。さらに僕らのファンと香取さんのファンが交流を重ねている様子もあって、そういうのがすごく嬉しいですね。

荒田:これまでWONKはハブになることを目指してきたので、それが最近、少しずつできてきた気がします。WONKを介して、これまで知らなかったカルチャーや音楽に触れる機会ができれば嬉しいですね。

 

——WONK自体、全く違った個性を持つ4人のハブとして生まれたバンドでもありますもんね。このアルバムにも、いろんな音楽性が混ざり合っているし。

井上:そうですね。いろんなタイプの曲が入っているので、頭の一曲がちょっと違うと思っても、まずは全曲チェックして欲しいですね。一曲でWONKってこういうバンドなんだって決めないで欲しい。きっと、どこかに気に入る曲があると思うので。

 

夏気分を盛り上げる曲

《WONK》ベースの井上幹さんが「夏気分を盛り上げる曲」をテーマにプレイリストを教えてくれました!


《WONK》井上幹(ba)。作曲・編曲・ベースの他、レコーディングやミキシングエンジニアを務める。ベーシストとして唾奇、ISSUGI、堀込泰行、kiki vivi lilyなどのレコーディングに参加。エンジニアとしては所属レーベルEPISTROPHの各作品のほか、Sweet WilliamやちゃんMARI( ゲスの極み乙女)などのレコーディング・ミキシングを担当。現在、IT企業の会社員として、サウンドチームに所属し、ゲームのSE/BGM制作、ミドルウェアを用いた組み込みやサウンドデザインを行う。

 

select: ANDERSON .PAAK 『Luh You』

インドア派だけど、アンダーソン・パークとならパラソルの下で話したい(笑)【choose:井上幹】

「アンダーソン・パークは全アルバムのタイトルにビーチの名前をつけてて、海とめちゃくちゃ相性がいいんですよね。曲もカラッとしていてノリも良い。ただ、海でアゲアゲっていうのは僕の性格とまったくあってなくて(笑)。僕はインドア派なので、海でもパラソルの下で寝てるくらい。ラップはよく聴くけど、パーソナリティ的には遠いところにあって、自分たちのナードな感じと相容れないところがある気がしてるんです。けど、アンダーソン・パークは自分で音楽を作るし、ドラムも叩く。僕らに近しいものを感じるんですよね。インドアとアウトドアを制している気がします。一度、パラソルの下で話をしてみたいです(笑)。」

 

WONK『EYES』発売中!

https://caroline.lnk.to/Eyes_AL_Wonk 

[ART BOOK+CD] 2020.7.22(水)Release

完全予約限定作品 ¥8800

Label:EPISTROPH/Caroline International


LIVE INFORMATION

WONKEYESSPECIAL 3DCG LIVE

配信日時:8/22() 19:00

視聴チケット発売:イープラスWEB/アプリにて発売中

発売URL: https://eplus.jp/st-wonk/

 

《WONK》左から、井上幹(ba)、荒田 洸(dr)、長塚 健斗(vo)、江﨑文武(key)

《WONK》日本の音楽を再定義するエクスペリメンタル・ソウルバンドWONK。メンバーそれぞれがソウル、ジャズ、 ヒップホップ、ロックのフィールドで活動するプレイヤー/ プロデューサー/ エンジニアという異色なバンド。2016 年に1st アルバムを発売して以来、国内有数の 音楽フェス出演や海外公演、成功を果たす。ジャンルや世代を超えた国内外のビッグアーティストへ楽曲提供・ リミックス・演奏参加するなど、音楽性の高さは多方面から支持されている。2019年7月にEP『Moon Dance』 をリリース。2020年 1月リリースの香取慎吾ソロアルバム『20200101』にて「Metropolis(feat.WONK)」を楽曲提供・共演を果たし話題となる。2020年4月にシングル「HEROISM」、6月には「Rollin’」を配信、6月17日に 4枚目のフルアルバム『EYES』を発売。

 

「夏気分を盛り上げる曲」をテーマに、いつの時代も色褪せない「名盤」をお届け!

select:Haircut 100 『Favourite Shirts(Boy Meets Girl)』

爽快なファンカラティーナ・サウンド

80年代にイギリスのクラブで火がついた「ファンカラティーナ」は、ファンクとラテン音楽を融合させた新しいダンス・ミュージック。次々と新しいバンドが登場するなかで、メンバーが美形揃いでアイドル的な人気を呼んだのがヘアカット100だった。そんな彼らのデビュー・アルバム『Pelican West』は、トロピカルなムード満点のギター・ポップ。なかでも、80年代を代表するヒット曲「Favourite Shirts (Boy Meets Girl)」は、サビで高らかに鳴り響くホーン・サウンドが気持ちいい。枯葉が舞うアイヴィー・ルックのジャケットは秋っぽいけど、爽快なファンカラティーナ・サウンドで夏気分を盛り上げてくれる。

 

FUDGE.jpが「Pick up」する、注目のアーティストの新譜を紹介!

select:m-flo ♡ chelmico 『RUN AWAYS 』

最強のパーティー・チューン!

m-floが様々なアーティストとコラボするプロジェクト、「loves」。第2弾アーティストは、話題の女性ラップ・デュオ、chelmicoを迎えることに。これまで両者はフェスやイベントで何度か共演して交流を深めてきたそうで、chelmicoは「ずっとm-floさんと曲をやりたかった!」と大喜び。相思相愛のなかで生まれた「RUN AWAYS」は、m-floのLISAとVERBAL、chelmicoのRachelとMamikoがマイクをリレーしていく。高速ブレイクビーツにのって、涼しい顔をしてラップをキメるchelmico。そして、LISAの貫禄たっぷりのラップが曲をキュッと引き締めて、開放感あふれるサビで思い切り弾ける最強のパーティー・チューン!

 

▼MVもチェック

 

text_Murao Yasuo

design_Koinuma Kenichi

edit_Takehara Shizuka

 

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