CULTURE & LIFE
全国各地の「可愛いお土産」を紹介し、大人気の連載【旅するデザイナーがおすすめするお土産たち!】。他ではなかなか見つからない通なセレクトは、デザイナーrumiさんが全国各地を実際に旅をして、その地域に根付く文化や作り手の背景まで掬い上げているからこそ。お土産への愛着が詰まったレポートとともに、地域別に注目度の高かったお土産をご紹介します!
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【横浜】1550年頃に日本に伝わった由緒ある西洋菓子「ビスカウト」
横浜のお土産で購入したのが馬車道十番館の「ビスカウト」。横浜と共に歩むレストランとして、お店の馬車道十番館は開港当時の建築様式を取り入れ、明治の西洋館を再現し、当時のモダンな息吹を今に伝えています。馬車道・関内には開港当時の面影が残る歴史的建造物が多く残っているのです。入り口横には牛馬飲水槽があり、当時は交通の主力として牛や馬が活躍していたことがわかります。
「ビスカウト」は、毎朝自社工場で職人が丹精込めて手作りで焼き上げているのだそう。文明の象徴でもあるガス灯の模様が刻印された横浜らしいい焼菓子です。1550年代、南蛮貿易が始まったばかりの頃、カステラなどと一緒に日本に伝来した由緒ある西洋菓子「ビスカウト」。想像していたよりも大きく、分厚く、サックサクの食感。どこか昔懐かしく、なんて食べ応えのあるビスケットでしょう!
今回購入した味は爽やかに香るレモン、優しく懐かしい風味のピーナッツ、ほんのりビターのチョコレートの3つ。この上品な甘さと、しっかりとした厚みのビスケットは、一度食べたら忘れられません。包装紙もレトロでとても可愛く、横浜の歴史を感じることができます。まさに横浜のお土産にぴったりです。
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【川崎】絶好のフォトスポットがいっぱい、大人も子供も1日楽しめる藤子・F・不二雄ミュージアム
神奈川県川崎市にある藤子・F・不二雄ミュージアムは、2021年9月3日で開館10周年をむかえました。館内は、藤子・F・不二雄が描いた原画を中心に発想の原点をさぐり、さらには漫画作りの面白さを紹介し、藤子作品に込められた「やさしい思い」や「あたたかいまなざし」を感じられる空間が広がっています。原画を展示している美術館のような空間から、実際に漫画が読めるコーナーや、ここでしか見ることのできないシアター、そしておなじみのかわいいキャラクター達に出会える「はらっぱ」、作品にちなんだオリジナルメニューいっぱいのカフェ、魅力的なグッズ&お土産いっぱいのショップ。時間を忘れて子供に返った気分で、それぞれの空間を楽しむことができます。
買った人も貰った人も嬉しい!作品性◎の限定グッズがいっぱい!
そして何よりも驚いたのがミュージアムショップのグッズの作品性の高さ!こんなに、どれも欲しい!と興奮したのは初めて!?くらい。アニメや漫画でこっそり出ていた幻のグッズが商品化されていたり、いろいろなアーティストさんや、作家さん、伝統工芸とのコラボ商品!商品企画への愛がすごいのです。しかも10年前の記憶にあるグッズは少なく、かなり限定販売を行っている様子。
ドラえもんの漫画!と思ったら、チョコレート。これもかわいいです。お仕事の休憩にこれをもらったらちょっと嬉しい!聞かないとわからないこと、聞いて初めて「え!」っと驚くこと、ここまで企むには時間とお金とセンスが必要です。大人も子供も同じように楽しめるこの藤子・F・不二雄の世界観。日本じゅうの人々に夢と漫画文化を大きく広めてくれてありがとう。。と感動するしかありませんでした。良いお天気の時にまた行ってみたいと思います。
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【箱根】箱根街道を行く馬子たちの唄をヒントに生まれた、上品でかわいい鈴の最中
箱根にとてもかわいいお菓子があると聞き、箱根銘菓「ちもと」にやって来ました。「ちもと」は箱根にのれんを出して約70年。先代より受け継いだ製法をそのままに、変わることのない和菓子づくりをしています。さらに、作りたてにこだわっている「ちもと」の駅前通り店では、出来上がった和菓子をそのまま食べられるカフェも併設しています。他とは雰囲気の異なる洋風な建築が印象的です。どうしてもお土産にしたかったのが、この鈴の形をした「八里」という最中!江戸時代、箱根街道で人や荷物を乗せた馬を引く仕事をする馬子(まご)たちが歌っていたのが「箱根馬子唄」。この唄の歌詞にもある箱根八里(東海道五十三次の宿場の一つ小田原宿から箱根峠を越えて三島宿まで約八里の道のり)の馬子たちの鈴をかたどり、こしあんの最中に仕上げているそう。
ひとつひとつ朱・紫・白の三色の紐で結んだとても可愛らしい小さな鈴の形をした「八里」は、紐を指先でつまんでみると、本当に鈴の音が聞こえてきそう。ご利益のありそうな三色の紐が高級感も感じさせます。
トロリとした舌触りの良い餡がとても上品で、ついついいくつも食べられてしまう美味しさ。紐から最中をするりと外して食べるのですが、なんだかもったいない気持ちに!もちろん大胆に紐を引っ張って最中皮を破ってパクッとしても◎
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【小田原】創業嘉永3年!食べ比べが楽しい「加藤兵太郎商店」の進化し続けるスーベニアお味噌。
そして測候所の帰りには、創業嘉永3年(1850年)、神奈川県小田原市でこだわりのお味噌「いいちみそ」を作っている「加藤兵太郎商店」に。「いいちみそ」は厳選した国産原料と箱根山系の地下水で仕込み、90年以上も大事に使い続けている木桶で熟成させています。この昔ながらの製法が特徴であるお味噌なのです。長年使用した木桶には菌が住み着き、その木桶で熟成させることで、「加藤兵太郎商店」特有の味とコクを醸し出すからです。
味噌というものは「季節」「土地」「水」「原料」「道具」、そして「職人の想い」が仕上がりを左右させると言います。昔からその土地ごとに作られるお味噌の味は千差万別で、地方色の強い調味料でもあるのです。しかしながら、時代の流れで個性ある小さな味噌屋は少なくなっていき、残念ながら魅力であった多様性は影を潜めています。そんな時代だからこそ、「加藤兵太郎商店」では「いいちみそ」の味を絶やさないことに責任を持ち、魅力あるお味噌を提供する事が大切だと考えているのだそう。
「加藤兵太郎商店」では旨み・香りの強いお味噌を造るため、大豆は煮るのではなく蒸しています。そして、ほとんどの工程を手作業で行っているため、非常に時間をかけていて、大量生産も不可能なのだそう。しかし手作業によってお味噌と会話をしながら味噌造りができることにより、各工程において手触りや香り、色、味など、五感を駆使し、さらに過去の膨大な記録や経験と照らし合わせながら、全てのお味噌を全力で作っているのです。今回お土産で購入したのは、右から「いいちみそ」の 神奈川ブレンド、糀つぶ、白みそ、合わせ、の4種類。老舗ということで、渋いパッケージかと思いきや、とてもお洒落で可愛いのです!神奈川ブレンドなんて、まるで名店の珈琲豆のよう!
この神奈川ブレンドは神奈川県産の原料にこだわって作られた一風変わったお味噌。神奈川県で大豆が作られているのかと驚く方もいるかもしれませんが、とても希少な「幻の大豆」とまで呼ばれる「津久井在来大豆」という品種を使用。この大豆は大粒で非常に甘く、最も品質の良い大豆のうちの1つなのです。小田原に行ったら愛情いっぱいのお味噌を、ぜひお土産に。
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