フランスパンとは、小麦粉、塩、水、イーストのみでつくられるフランス、パリ発祥のパンの総称。バターや卵、乳製品、油脂、砂糖を使わないシンプルなつくりだからこそ、どこのお店も素材選びやつくり方にこだわりを持っているのです。お店によってどんな違いがあるのか探っていきましょう。

 

《ポール》のフルート・アンシェンヌ

1889年の創業から5代にわたり、伝統的な製法にこだわったパンを提供するブーランジェリー。フランス産の小麦、塩、水を使用し、低温長時間発酵を基本とした製法で丁寧に焼き上げるフルートは、素朴でありながらも、噛めば噛むほど味わい深い。

¥290

 

SHOP INFO.

ポール 品川店
address：東京都港区高輪3-26-27
JR品川駅　エキュート品川1F
tel：03-3440-5021
open：8:00-22:00 （日祝20:30閉店）
www.facebook.com/paul1889.japan/

 

《メゾンカイザー》のバゲットモンジュ

50年にひとりの逸材と称されるフランスのパン職人、エリック・カイザーが1996年にパリにて1号店をオープン。先端の尖った形が特徴的な《メゾンカイザー》のバゲットは、ブランド独自の小麦粉、“メゾンカイザートラディショナル”を採用。何も付けなくてもほんのり甘く、素材そのものの味を堪能できる。

¥280

 

SHOP INFO.

メゾンカイザー 高輪本店
address：東京都港区高輪1-4-21
tel：03-5420-9683
open：8:00～20:00
maisonkayser.jp

 

《ブラッスリー・ヴィロン》のバゲット レトロドール

パリ郊外、シャルトルの製粉会社〈ヴィロン〉で挽かれた特別な小麦粉を独占輸入し、伝統の製法でつくりあげる「バゲット レトロドール」。小麦粉に合わせて日本の軟水ではなくフランスの硬水「コントレックス」を採用し、本場の味を引き出している。

¥380

 

SHOP INFO.

ブラッスリー・ヴィロン 渋谷店
address：東京都渋谷区宇田川町33-8
tel：03-5458-1770
open：9:00～22:00

 

《メゾン ランドゥメンヌ》のバゲット

日本生まれのパン職人であり実業家の石川芳美さんとパティシエのロドルフ・ランドゥメンヌさんがパリでスタートしたブーランジェリー・パティスリー。定番のバゲットは、長時間低温発酵をすることで、イースト（酵母）がじっくり発酵し、風味豊かに仕上がる。

¥210

 

SHOP INFO.

メゾン・ランドゥメンヌ 麻布台
address：東京都港区麻布台3-1-5 日ノ樹ビル1F
tel：03-5797-7387
open：8:00～18:30
www.maisonlandemainejapon.com

 

《バゲットラビット》の「アルティザン」

名古屋に本店を持つ《バゲットラビット》は、知る人ぞ知る名店。まるで美術品のように店内に並べられたバゲットは3種類もの豊富なラインナップ。中でも「アルティザン」はザクッとしたクラストに、もちっとしたクラムの食感が楽しい一品。

¥330

 

SHOP INFO.

バゲットラビット 自由が丘店
address：東京都目黒区自由が丘1-16-14
プルメリア自由が丘 1F
tel：03-6421-1208
open：9:00～20:00
baguette-rabbit.com

 

 

フランスパンはバゲットだけじゃない!?

ひと口にフランスパンと言えど、その種類はバゲットだけではない。5～6本程のクープ（切り込み）が入り、バゲットに比べて長く太い「パリジャン」、“田舎のパン”を意味する「カンパーニュ」、“ブーランジェリー”や“ブーランジェ”の言葉の語源となったという歴史ある「ブール」などなど……、本当に様々。同じ素材、生地からつくられているのに、形状が変わることで食感も変わり、味わいも変わる。なんとも奥が深い食べ物なのです。

 

 

photograph_Sasaki Takeshi
edit_Chikazawa Yui〈KIP Inc.〉

 

FUDGE vol.213 2021年4月号より

 

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