CULTURE & LIFE

メキシコシティから南へ車で約6.5時間、飛行機なら約1時間のところにある街、オアハカ。メキシコで先住民族の割合は約4割で、その文化が色濃く残っているため、織物、陶器、刺繍などそれぞれの地方に伝わる個性豊かな民芸品がたくさん見つかります。

世界遺産にも登録された歴史地区もあるオアハカ。カラフルな街並みは、あちこち写真を撮りたくなります。

そんなオアハカでまず行きたいのがメルカド(市場)。大小さまざまなメルカドが10以上あり、オアハカでの暮らしが垣間見られます。日本でも人気のかごバッグをはじめ、民族衣装、花、食品まで揃い、いくら時間があっても足りないほど。

所狭しと店が並び、まるで迷路のようなベニート・ファレス市場。かわいいものがたくさんあって、目移りしてしまいます。

「さけるチーズ」の元にもなったオアハカ名物のチーズ「ケシージョ」(写真上)のほか、バッタやイモムシなどの昆虫(写真下)まで、多様な食文化を感じます。

見たことのないスパイスやフルーツも。

街には伝統的な民芸品が揃うお店から、洗練されたショップもたくさん。多少値が張るといっても、日本で買うよりもお買い得。ついつい財布の紐が緩みます。

お面や置物などの、現代アートも見つかる「AMATE BOOKS」。

洗練されたセレクトショップ「Lanii」。子ども服や陶芸なども見つかります。

民芸品の品揃えは、オアハカ随一の「Huizache(ウィサッチェ)」。

街の中でも十分買い物が楽しめますが、少し足を伸ばしてオアハカ周辺の先住民の村にある工房を巡りました。まず訪れたのは、オコトラン・デ・モロレス村で人形を作るアギラール工房。

オアハカの民芸を紹介する写真集にも紹介され、アメリカでも有名に。私は動物モチーフの土鈴など、いくつか購入。

周辺で取れる土で粘土を作り、アクリル絵の具でカラフルに色付け。動物やガイコツのユーモラスなものや、メキシコを代表するアーティスト、フリーダ・カーロなどをモチーフにしたものなどもあり、お祭りや行事などに飾られるそう。

次に向かったのは、サント・トマス・ハリエサ村。ここにある市場では、ベルトを腰に巻き、縦糸を引っ張りながら織っていく、昔ながらの「腰織り」で作られた手工芸品がみられます。

代々受け継がれる腰織りは、なんと4歳から始めるそう。

昔はベルトだけでしたが、現在はバッグやポーチなど、さまざまな手工芸品を販売。各ブースの品揃えはほとんど同じなのですが、店頭に立つおばあさんがそれぞれ手作りしたもので、それぞれに味わいがあります。

 

最後に向かったのは、アレブリヘ(木彫りの動物)を作るサン・マルティン・ティルカヘテ村で、100人以上の職人が働く工房。次の世代につなげるため、小学生から大学生まで、無償で技術を教える学校にもなっているそう。

ちなみにここで働くこの女性は、映画『リメンバー・ミー』に登場するおばあちゃんのモデルになった人。なんとなく似ているかも。

アレブリヘは想像上の動物。先住民族であるサポテコ族の暦に登場する、20の動物のなかから守護動物が生年月日によって2種類いると言われ、ヘビとカメレオン、うさぎとかめのように、それぞれを組み合わせることで不思議な動物になります。黒、マロン色、黄色を基本に、色を混ぜ合わせて、鮮やかな色を作り、アレブリヘに模様を描いていきます。

自然の素材を生かして作られる丁寧な手仕事や色使いのかわいさに、すっかり魅了されましたが、何より印象に残ったのはそれらが暮らしのなかに溶け込んでいる風景でした。

ホテルのキッチンで見たカラフルなタイルとお皿、訪れたレストランの花柄のお皿やゴミ箱として使われているかご、店先に干されているラグ、そして働く人たちが身につけている民族衣装。

メキシコの人ならではの色使いとセンスに刺激を受け、そのエッセンスを少しでも自分の暮らしにも取り入れたいなと思いました。

 

取材協力:アエロメヒコ航空 https://aeromexico.jp

PASELA/メキシコ観光 https://pasela.mexicokanko.co.jp

 

text・photo:赤木真弓

フリーランスの編集・ライター。暮らしまわりの雑誌や書籍などで執筆をするほか、旅好きライターユニットauk(オーク)としても活動している。著書に『ラトビア・エストニア・リトアニアに伝わる温かな手仕事』、『好きを追求する自分らしい旅の作り方』(ともに誠文堂新光社)、『オランダ・ショート・トリップ』、『ブリュッセル クラシックな街歩き』(産業編集センター)ほか。greenpoint books & thingsとして、イベントなどで古書の販売もしている。

赤木真弓の著書はこちら

 

 

 

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