【2023年最新】パリジェンヌに学ぶ、前向きになれる映画3選-『パリ、恋人たちの2日間』『未来よ こんにちは』『​​モンテーニュ通りのカフェ』【土曜日のシネマサロン】 | シネマサロン | カルチャー & ライフ | FUDGE.jp

CULTURE & LIFE

クリエイティブチームDo it Theater(ドゥイット・シアター)がテーマごとにおすすめの映画を3作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。第96回目のテーマは「パリジェンヌに学ぶ、前向きになれる映画3選」です。

Do it Theaterの洲崎真紀子(すさきまきこ)です。この連載はDo it Theater女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。

今回は「パリジェンヌに学ぶ、前向きになれる映画3選」がテーマということで、『パリ、恋人たちの2日間』『未来よ こんにちは』『​​モンテーニュ通りのカフェ』をセレクトしました。パリジェンヌといえば、オシャレなだけじゃなく独自の美意識や考え方、人生観などライフスタイルも注目される存在で、いつの時代も女性たちの憧れの的。ご紹介する3作品にも、そんなパリジェンヌたちが登場します。ぜひ、チェックしてみてください。

 

これが等身大のパリジェンヌ!

Illustration_skpn

title:『パリ、恋人たちの2日間』

【story】
ニューヨーク在住のフランス人写真家マリオンとアメリカ人インテリアデザイナーのジャックは、付き合って2年のカップル。倦怠期を迎え、マンネリ気味の関係を盛り上げようとべネチアへ旅行に出かけた2人は、帰りにマリオンの実家があるパリを訪れる。言葉も文化も異なるパリと今まで知らなかったマリオンの一面を見て、戸惑うジャック。さらにマリオンの元カレが現れて…。

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まずご紹介するのは、「ビフォア」シリーズ(『恋人までの距離』『ビフォア・サンセット』『ビフォア・ミッドナイト』)でおなじみのジュリー・デルピーが、監督・脚本・主演など6役を務めるラブコメディ。

何と言っても、ジュリー・デルピー演じるマリオンの自由奔放ぶりが見どころです。下品な下ネタで家族と盛り上がったり、タクシー運転手と罵りあったり、公共の場で元カレを激しく非難したり…彼氏のジャックのみならず、観ているこちらも翻弄されるほど。自由と言えば聞こえはいいですが、見方を変えれば身勝手ということでもあり、ジャックからは「君は衝動を抑えられない」とまで言われる始末。でもマリオンは罪悪感や自己嫌悪に苛まれることはなく(強い!)、むしろそんな自分も愛して欲しいと訴えているように見える場面もあり、とても清々しい。これが本当の自己肯定感かと、感心したものです(笑)。

映画なので大げさに描かれている部分はありますが、1人のパリジェンヌの、正直なありのままの姿に共感を覚える、なんとも愛おしい一作です。

 

どんなときも自分らしく

Illustration_skpn

title:『未来よ こんにちは』

【story】
パリの高校で哲学を教えているナタリーは、同じく教師をしている夫と2人暮らし。独立した2人の子供との関係も良好で、充実した日々を過ごしていた。ところがある日、夫から「好きな人ができた」と唐突に離婚を切り出され、高齢の母も他界。彼女は思いがけずひとりになってしまうが…。

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続いてご紹介するのはミア・ハンセン=ラブ監督が、フランスを代表する国際派俳優のイザベル・ユペールを主演に迎えて描く、ヒューマンドラマです。

長年連れ添った夫に離婚を切り出され、さらに母親が亡くなってしまうなんて…もし自分なら、思い描いていた未来が消えてしまった現実を受け入れられずに、感情の渦に飲み込まれてしまうかも。けれど主人公ナタリーは、決して自分を見失うことなく、怒り、寂しさ、悲しみといった時間の経過とともに湧き出てくる感情を一つ一つ受け止めて(たまに吐き出して)前に進んでいきます。その様子は、強くてしなやかでエレガントで、それでいて自然体。まさに「憧れのパリジェンヌ」そのもので、彼女のような大人の女性になりたいと思わずにいられません。

前半の怒涛の展開を経て迎えるラストシーンも秀逸です。ナタリーの見据える「新しい未来」が、静かな感動をもたらしてくれますよ。

 

いろんなパリジェンヌに会える映画

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title:『モンテーニュ通りのカフェ』

【story】
パリ8区、モンテーニュ通りにある「カフェ・ド・テアトル」でギャルソンとして働くことになったジェシカ。そこには、世界的に著名なピアニスト、自分の生涯のコレクションを競売にかけようとしている美術収集家、舞台の初日を迎えようとする人気女優など、さまざまな思いを持った人々がやって来る。

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ラストはパリに実在するカフェを舞台に、音楽・演劇・美術といった芸術に携わる人々の悲喜こもごもを描く、群像劇をご紹介します。

登場するのは、年齢も職業も違えば、趣味嗜好も全く異なる個性豊かなパリジェンヌたち。人気女優でありながらキャリアに悩むカトリーヌ、有名なピアニストのパートナーを陰で支えてきたヴァランティーヌ。みんなとても魅力的なのですが、中でも個人的にイチオシなのは、カフェの向かいにある劇場の管理人クローディ。彼女の芸術への愛が溢れるエピソードには、目頭が熱くなります。本作は群像劇ということで、並行していくつかのエピソードが描かれているのですが、どれも「芸術」や「愛」がカギになっています。パリジェンヌたちは、それぞれ大切な人と芸術や愛について語り合い、溢れる感情をぶつけ合って、怒ったり泣いたり、笑ったりするのです。それがパリの街並みに負けないくらいキラキラ輝いて見えて、自然と幸せな気持ちにさせられます。

エッフェル塔をはじめ、これぞパリという風景も楽しめますし、紳士的で素敵なパリジャンたちも登場します。きっとパリに行きたくなりますよ。

 

今回は「パリジェンヌに学ぶ、前向きになれる映画3選」をテーマに、『パリ、恋人たちの2日間』『未来よ こんにちは』『​​モンテーニュ通りのカフェ』をご紹介しました。自分の軸をしっかり持ち、自身を表現することを恐れないパリジェンヌの姿に勇気づけられ、ポジティブな気持ちになれる3作品です。ぜひ、チェックしてみてください。

 

『パリ、恋人たちの2日間』

監督・脚本:ジュリー・デルピー
出演:ジュリー・デルピー、アダム・ゴールドバーグ、ダニエル・ブリュール
2007年 フランス・ドイツ 101分
U-NEXTで配信中

『未来よ こんにちは』

監督・脚本:ミア・ハンセン=ラブ
出演:イザベル・ユペール、アンドレ・マルコン、ロマン・コリンカ
2016年 フランス・ドイツ 102分
U-NEXTで配信中

『モンテーニュ通りのカフェ』

監督・脚本:ダニエル・トンプソン
出演:セシル・ドゥ・フランス、‎バレリー・ルメルシェ、アルベール・デュポンテル
2006年 フランス 106分
U-NEXTで配信中

text :洲崎真紀子(すさきまきこ)

これまで興行会社やNPOで映画関連事業に携わる。現在は小さな娘と一緒に映画を楽しむ方法を模索する日々。ゴールデンウイークに『ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー』を観ようと思ったら、席が取れませんでした。そろそろリベンジしたいです。

 

●Do it Theater(ドゥイット・シアター)
“あたらしいシーンは、Theaterからはじまる”をテーマに、シアター体験を作り出すプロデュース&クリエティブチーム。FUDGE主宰の「Holiday Circus(ホリデーサーカス)」ではコンテンツクリエイションとして参加。また 累計5万人以上が来場した野外シアター「品川オープンシアター」や横浜赤レンガ倉庫・マリンアンドウォークヨコハマなど5会場同時開催の「SEASIDE CINEMA」、ミニシアター支援を目的とし全国5箇所でキャラバン開催したクラウドファンディングプロジェクト「ドライブインシアター2020」など、映画を観るだけではない、総合演出された新しいスタイルのシアター体験を全国に作り出しているチームです。
www.ditjapan.com

 

design_Koinuma Kenichi

edit_Takehara Shizuka

 

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