ONKUL
何かと篭りがちな時間が続くと、だんだんホームシックのような気分に。不慣れな環境に立たされるという意味では、これは新生活と言えるかも。わくわくする反面、心細い日々のはじまりもある。映画を処方箋として日々の暮らしを楽しみませんか。それは、映画を通じて自分の“ホームタウン”を新たに作ること。インテリアとして学ぶべきは、カラー? アイテム?観賞の視点が変わると一度見たことのある映画でも、また新しい魅力に気づくことができるはず。「こんな家に住みたい、暮らしをしたい」映画から自分らしい部屋づくりのヒントを学ぼう。
津安二郎といえば、端正なモノクロ映画のイメージが強いかもしれない。でも『彼岸花』以降に小津が手がけたカラー作品は、驚くほど色彩にあふれている。 その見事な色彩感覚がもっともよく現れるのは、登場人物たちが住む家のインテリア。 彼らが住むのは、畳や障子に囲まれた昔ながらの日本家屋や、当時はモダンだったはずの集合団地。そうした部屋のあちこちに、小津監督はハッとするような鮮やかな色を差し色として挿入してみせる。なかでも有名なのは『彼岸花』の赤いヤカン。 畳やちゃぶ台の上に置かれたヤカンが、劇中、何度も登場する。 厳密に設計された画面のなかで、輝くほどに真っ赤な色が、見る人の目を強く惹きつける。ぽってりとした形のホーローのヤカンはスウェーデン製。 撮影後は監督自ら持ち帰り愛用したという。
MOVIE:『彼岸花』
年ごろの娘の結婚話に動揺する父の姿を描いた家族喜劇。小津映画初のカラー作品。
日本/ 1958年
監督:小津安二郎
出演:佐分利信、田中絹代、山本富士子
1893年、スウェーデンに誕生した老舗琺瑯メーカーの逸品。作中と同じモデル。ヤカン(小 H14cm × 底12.2cm 1ℓ)¥9,500/kockums(古物屋nibbles)
onKuL vol.15(2021年4月売号)より。
illustration : Nobuko Uemura
text : Rie Tsukinaga
edit&text : Naoki Kuroda
re-edit : Saki Katayama
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