FASHION

 

モンクレールの原点を大切にしながら新しい風を吹き込む《2 モンクレール 1952 ウーマン》

ブランドの象徴的なアイテム、ダウンジャケットを機能性だけでなく冬に欠かせないお洒落なアイテムとして確立させた《MONCLER(モンクレール)》。このブランドが《JW アンダーソン》のジョナサン・アンダーソンや藤原ヒロシなど世界のデザイナーたちとタッグを組んで、さらにクリエイティブで新しい表現を追求するためにスタートしたプロジェクトが「モンクレール ジーニアス」です。

その”ジーニアス=天才”として参加しているデザイナーの一人が、ヴェロニカ・レオーニ。彼女が手がけるのは《2 MONCLER 1952 WOMAN(2 モンクレール 1952 ウーマン)》は、フランスのスキーリゾート、モネスティエ・ドゥ・クレルモンで立ち上げた《モンクレール》の創業年である1952年を名前に記した、ブランドの原点を大切にしながらも新しい世代へと向けたコレクションです。

 

コート リアンドラ ¥299200(税込)/ ダウンベスト ディメトリア ¥138600(税込)

 

彼女のデザインは先進的で遊び心がありながらも、実用性や日常使いについても忘れないところが魅力的。2021年秋冬コレクションでは”安心”と”逃避”という相反するキーワードから「二面性」が持つ美しさを見出し、1950年代の伝統的なフェミニニティと現代のダイナミズムを融合させて、新たなスピリットを表現しました。9月2日(木)より、一部の国内モンクレール ブティックと主要セレクトショップ、オフィシャル ECサイトにて発売されています。

そんなヴェロニカ・レオーニに『FUDGE』がインタビューする機会が!デザインする上でこだわっていることから、今季のお気に入りのアイテム、そして、サスティナブルやジェンダーについてまで。デザイナーの思いに触れることで、ブランドの理解が深まり、コレクションの魅力が一層増すはずなので、ぜひ最後まで目を通してみて。

 

 

デザイナーのヴェロニカ・レオーニへ、13の質問

01 ヴェロニカさんは文学を学ばれてから、ファッションの道へと進まれた経緯をお持ちなのですね。

「私はもともとデザイナーになりたいと考えていました。文学をはじめ、さまざまなことをインプットして自分の進む道を豊かにしながら、デザイナーという目標にたどり着いたのです。」

 

02 「モンクレール ジーニアス」はとても画期的なプロジェクトであり、その中で、《2 モンクレール 1952 ウーマン》はブランドの創業年に敬意を捧げたコレクションです。このコレクションを作る上でルールにしていることはありますか。その上で、ご自身が表現したい要素をどのようにコレクションに落とし込んでいますか?

「唯一のルールは、最も深いモンクレールのDNAに忠実であること。《2 モンクレール 1952 ウーマン》コレクションでは、機能的なアウターウェアと現代的なフェミニニティを融合させ、ワードローブとして表現できるアイディアを中心に取り込んでいます。表現したいものとして特定の要素を求めているわけではなく、私自身は実際、異なる要素が交わることでの変化や予想外の結果にもっと興味があるんです。」

 

 

03 2021年秋冬コレクション「パワーオブデュアリズム」について、インスピレーション源となった物事やカルチャー、人物像などを教えてください。

「私がコレクション制作に取り組み始めた2020年7月は、機会よりも制限の方が多く、そのような状況が続くなかで、リサーチとインスピレーション源を見つけるために新しい方法を模索しなければなりませんでした。その結果、インスピレーションとなった要素は自分自身の感情やパーソナルなものから得ることになったんです。

当時の私は、”安心”と”逃避”という2つの正反対の感情の間で大きく揺れ動いていました。地に足がついていることを実感したかったけれど、同時に本能的に逃避したかったのです。今季、この二面性を持ったスピリットが創作の原点となり、それはデザインそのものにも反映されています。テーマの『パワーオブデュアリズム』は、ダイナミックな身体性を表現しながらも、50年代のフェミニニティがもつある種の遠いファンタジーが融合され、まさに二面性を持っています。最も典型的な《モンクレール》のシルエットを再構築しつつ、ナイロンにツイストを加えたクラシカルなディテールによって、さらにコレクションの表現が豊かになるポイントになりました。」

 

04 新作は、どこかフューチャリスティックだったり、クラシックだったり、テクスチャーそのものや掛け合わせがユニークだと感じました。素材を選定する上でのポリシーやこだわりはありますか?

「私は”ひらめき”を大切にしています。直感的に生まれたクリエイティビティは、私のプロセスの基本になっているんです。テクスチャーとその掛け合わせは、私にとってとても刺激的。洋服のシルエットはクリエイティブを具現化するための白いキャンバスとなり、《モンクレール》のリファレンスや固定観念をミックスすることで生まれる変化やコントラストが大好きです。」

 

ダウンジャケット パキータ ¥235400(税込)/ パンツ ¥104500(税込)

 

05 《モンクレール》の代表的なアイテムはやはりダウンジャケットですが、保温性などの機能面だけでなく、クリエイティブな観点からもこれまでのダウンジャケットのイメージを一新されている印象があります。今、人々にとってダウンジャケットはどのようなアイテムになっていると思いますか?

「ダウンジャケットは機能性と快適性を同時に備えながら、人々の日常生活のワードローブとしてすっかり溶け込んでいます。私がここで挑戦したいことは、ナイロンとダウンで作られたこのクラシックなアイテムを使いながら、新たなデザインを生み出すこと。ダウンジャケットのパフォーマンス性はその本質の一端を担っていると思いますが、それだけが着用する理由にはなリません。ダウンジャケットをより多彩なワードローブに昇華していきたいですね。」

 

06 「マペット・ショー」とのコラボレーションはキャッチーで可愛らしいですね。カーミットとフォジーベアがコレクションを身にまとっているのもユニーク。コラボレーションの経緯を教えてください。

「このような世界的な情勢の中で、ちょっとした楽しみを求めていました。私が探していたのは、何か象徴的で世界を一つにするようなものでした。そして、マペット・ショーは、私をはじめ多くの人々にとって、とてもポジティブな思い出の象徴なんです。これはもうやるしかなかったですね!フォジーベアの着ている水玉模様のパフィーなパジャマは、私にとって思い出深いものになりました。」

 

フーディー ¥92400(税込)/ Tシャツ ¥55000(税込)

 

07 ヴェロニカさんの今季のお気に入りアイテムをずばり、教えてください。

「フォジーベアも着ている、水玉模様のパフィーなパジャマが大好きです。クリエイティビティの原点として上げた二面性のあるスピリットをまさに完璧に体現していますね。また、絶妙なバランスやフォーム、時代を超越したシンボルとして、ブラックのマットなダウンジャケットもとても気に入っています。」

 

ダウンジャケット ブリジット ¥243100(税込)/ ダウンジャケット マルヴィ ¥218900(税込)

 

08 洋服をデザインする上で着る人に対して考えている部分はどんなことでしょうか?例えば、着る人を魅力的に見せるために気をつけている点など。

「私は、女性たちに自分自身やパワー、そして個性を感じとってほしいと思っています。」

 

09 デザイン面での高揚感は大切な要素ですが、日本では特に機能面や実用性も重視される方も多いですが、その点に関しては?

「機能的かつ実用的な要素を兼ね備えてデザインすることは、私の《2 モンクレール 1952 ウーマン》の哲学の一部。形、機能、装飾のバランスがとれているときに、最高の結果が得られると信じています。これらの要素の融合によって、アイテム自体が完成されたものになるんです。」

 

10 日本でもサスティナブルな取組みに関する関心や思考がようやく高まってきている気がします。《2 モンクレール 1952 ウーマン》でも環境負荷の低い素材を使用するなど、積極的に取り組みをされていると伺いましたが、今季はどの部分で取り入れられているのでしょう?また今後、サスティナブルな観点で行っていきたい取組みはありますか?

「《モンクレール》にとってサステイナビリティは重要な使命であり、それは私にとっても同じです。これを実現するために、サプライチェーンと絶え間なく協力し、真摯に受け止め、よりタイムレスで責任あるファッションのあり方を実現する機会にしていきたいですね。

最も象徴的な《モンクレール》の生地は、実は、リサイクルされた素材に置き換えられています。コレクションの中でも最もファッショナブルなアイテムであるラッフルスカート、フェザーハット、そして先ほど紹介したミニマルなブラックダウンジャケットは、私がとても誇りに思っている日本製のマットな超軽量リサイクルリップストップナイロンで作られています。染色には、環境に優しい天然顔料を使用したOnibegie(オニベジ)方式を採用しています。すぐに私のコレクションのアイコンとなり、今では2シーズン目となりました。」

 

ともにリサイクルリップストップを使用した、ダウンジャケット パトリシア ¥251900(税込)/ スカート ¥238700(税込)

 

11 サスティナブルと同様、日本でジェンダー平等に対する意識が以前よりも高まりつつあります。ヴェロニカさんは以前より女性支援を行うなどジェンダー平等を推進していると伺いましたが、ブランドを通して、ジェンダー平等をどのように人々に訴えかけていますか?

「ファッション業界には、重要な問題に対して声を上げる責任があると思います。男女共同参画は、私たち全員が関連していると感じるべき戦いであり、ファッションではなく文化なのです。社会は、平等や機会への公平さからまだかなり遠く、私たちはただ見守っているだけではいけません。私は30代の女性として、小さなことから国連財団が設立した”Girl Up”との取り組みのように大きなことまで、可能な限り変化を促進する責任があると感じています。」

 

12 FUDGEガールたちは女性らしいアイテムにこだわらず、素敵だと思ったアイテムを積極的に取り入れていく姿勢があります。レディス、メンズに囚われない、ジェンダーレスなデザインやアイテムを今後デザインすることは考えられるでしょうか?

「ジェンダーレス化はチャンスだと思っています。確かに、そうなっていくと思います。私は性別に関係なく装いますし、それは自由なことですよね。」

 

ブーツ ズリマ ¥159500(税込)/ バッグ プロンプ ¥182600(税込)

 

13 最後に、ヴェロニカさんは、《モンクレール》をどんなブランドだと解釈していますか?モンクレールというブランドだからこそできる表現は、どんなことでしょうか。

「《モンクレール》は、ビジネスと戦略の面でアバンギャルドな試みを行う代表的なブランドです。『モンクレール ジーニアス』プロジェクトが始まった当時は、とてもユニークで、業界全体のお手本になりました。今日、小さくとも”Genius”のような個性やクリエイティブな思考を持たないブランドはありません。私は、自分が他にはないオリジナルの一人であると思いたいですね。」

 

 

ここでご紹介した2021年秋冬コレクションは、9月2日(木)より、一部の国内モンクレールブティックと主要セレクトショップ、オフィシャル ECサイトにて発売。

 

ヴェロニカ・レオーニ プロフィール

生まれ育ったローマで文学の学位を取得した後、ファッションの世界へ。《Jil Sander(ジル サンダー)》でジル・サンダーがクリエイティブチームの実権を握っている時期にニットウェアのヘッドデザイナーを務めた経験を持ち、その後、フィービー・ファイロ時代の《CELINE(セリーヌ)》で4年間、プレコレクションのヘッドデザイナーを務める。2018年から現在まで、モンクレール ウィメンズのヘッドデザイナーとして、そのクリスタルのようなビジョンを《2 モンクレール 1952 ウーマン》へと注ぎ込んでいる。

 

9月10日発売の『FUDGE』10月号では、《2 モンクレール 1952 ウーマン》のファッションストーリーを展開。こちらもお楽しみに!

 

 

お問合せ:モンクレール

TEL:0120-977-747

WEB:www.moncler.jp

 

 

interview & text_Oguchi Eiko

 

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