CULTURE & LIFE

毎週テーマに合わせて、「アーティスト」が選曲したプレイリストを紹介してきた、連載《火曜日のプレイリスト》。先月から隔週にてアーティストに登場いただき、〈インタビュー〉と〈プレイリスト〉をお届けします。

前回に続き、新作『アダンの風』をリリースして、活動10周年を迎えた青葉市子さんに登場いただき、〈恋しいときに聴きたくなる曲〉をテーマにプレイリストを選んでいただきました。

ぜひリモートワークの息抜きに、おうち時間のお供にプレイリストをお楽しみください。

☞前回の記事はこちら

 

 

恋しい時に聴きたくなる プレイリスト

 

青葉市子より:

今回のプレイリストは、遠くの場所や遠くにいる人を思って恋しい気持ちになる曲を選びました。

 

 

• João Gilberto『Estate』

「『Estate』は、以前宿泊した古いホテルで聴いた思い出の曲です。その時窓から見ていたのは、朝焼けに染まった美しい桃色の丸い雲。目を閉じてこの曲を聴くと、いつでもあの部屋の静かな空気と、窓の桃色が浮かび、豊かな時間に戻ることができます。」

 

• Yo La Tengo『Big Day Coming』

「この曲を初めて聴いたのは深夜でした。タイトルにもあるように、何か特別なことが始まりそうな気配で満ち溢れている曲。大好きだった今日の日はもう帰って来ないけれど、これから訪れる、もっと素晴らしい明日に向けて。朝を待つ間、胸の高鳴りがじわじわと、音楽と混ざり合ってゆく。ヨ・ラ・テンゴの曲は、静けさに秘められたとてつもないエネルギーを感じます。」

 

• 角銅真実『November 21』

「角銅さんの、力まない息遣いと儚い歌声が好きです。足がたくさんあるクラゲやタコが、気持ちよさそうに海を漂っているようで。その足の一本一本が拾ってくる景色が、過ぎ去っていった記憶を繋ぎとめて、ゆっくりとした仕草で見せてくれる、そんなイメージが浮かぶ曲です。彼女の生き様そのものが、メロディーにそっと乗っかっている。彼女の奏でる楽器の音色からも、同じような優しさと物語性を感じていて、『アダンの風』では楽器奏者としてお誘いさせていただいたのでした。」

 

• 大貫妙子『横顔』

「尊敬や恋心が芽生えた相手を、遠くからそっと眺めている歌。肌が触れてしまうような近さではなくて、少し離れたところに距離を持ち、詩を書かれる大貫さんの品格にうっとりします。1曲の中で相手との距離が少しずつ変わってゆくのも美しく、様々な景色や時間が想像できます。」

 

• 大貫妙子『風の道』

「歌詞の〈今では他人と 呼ばれるふたりに 決して譲れぬ 生き方があった〉というところが好きです。ふたりにはどうにもならないことだったけれど、意志の力を感じて。大貫さんの曲は歌詞が深く入って来ますが、歌詞が踊るようなメロディーが加わることでうんと曲のイメージが広がっていく。それがとても素敵ですね。大貫さんの曲は自分で弾き語りをするようになる前、18歳の頃から聴いていました。大学への通学バスの中、いつもいちばん後ろの座席の左端に座って、窓からの陽射しやその中できらきらと舞う埃を眺めながら。今でも大貫さんの曲を聴くと、その風景が眼に浮かびます。思い出と音楽が重なるとき、まるで何度もその場所へと旅ができるようです。音楽の力ってすごいですよね。」

 

☞『アダンの風』、『ファッションのMYルール』の記事はこちら

星のかけらを混ぜて、新しい星をつくる。《青葉市子》インタビュー

 

 

青葉市子『アダンの風』

 

『Porcelain』MV

☞今作のアートディレクションを務めた写真家・小林光大が監督、注目の若手映像作家・Pennackyがカメラを務めたミュージックビデオ。楽曲とシンクロした、力強く、美しい映像美を堪能できます!

 

photograh_Osada Kasumi

《青葉市子》音楽家。1990年1月28日生まれ。2010年にファーストアルバム『剃刀乙女』を発表以降、これまでに6枚のソロアルバムをリリース。うたとクラシックギターをたずさえ、日本各地、世界各国で音楽を奏でる。弾き語りの傍ら、ナレーションやCM、 舞台音楽の制作、芸術祭でのインスタレーション作品発表など、さまざまなフィール ドで創作を行う。活動10周年を迎えた2020年、自主レーベル「hermine」(エル ミン)を設立。体温の宿った幻想世界を描き続けている。12月2日、”架空の映画のためのサウンドトラック”として、最新作『アダンの風』を発表した。https://www.ichikoaoba.com/

 


 

text_Murao Yasuo

design_Koinuma Kenichi

edit_Takehara Shizuka

 

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