CULTURE & LIFE
隔週にてアーティストに登場いただき、「インタビュー」、「プレイリスト」、ファッションの「マイ・ルール」をお届けする、連載《火曜日のプレイリスト》。
今回はバンド「きのこ帝国」のヴォーカル・ギターを担当、現在はソロで活動している佐藤千亜妃さんの「インタビュー」をお届け!
ドラマ『レンアイ漫画家』の主題歌「カタワレ」を含む、2年ぶりのアルバム『KOE』はタイトル通り”声”をテーマに制作したそう。子供の頃に物語を創っていたという原体験、テーマとなった「声」にフォーカスした理由などお届け。やるせない日々でも、ほんのちょっといびつな自分を愛してみませんか?
《佐藤千亜妃》
Index
- 1 ロック・バンド、きのこ帝国のヴォーカル/ギターとしてデビューした佐藤千亜妃。現在、バンドは活動休止中だが、佐藤は2017年からソロ活動をスタートさせて、バンドとは違ったアプローチで新境地を切り開いてきた。そんななかで、新作アルバム『KOE』をリリース。そこには、どんな状況でもものづくりに対する情熱を失わない彼女の強い想いが詰まっている。
- 1.1 ——佐藤さんは子供の頃から、ものをつくるのが好きだったそうですね。
- 1.2
- 1.3 ——すごい!どんなお話を書いていたんですか?
- 1.4 ——面白そうですね。作家になろうとは思わなかったんですか?
- 1.5 ——天職なんですね。新作『KOE』は「声」をテーマにしたアルバムだとか。なぜ声に興味を持ったのでしょうか。
- 1.6 ——ついにその時がきたわけですね。歌うときに何か心掛けていることはありますか。
- 1.7 ——素の自分を出していく?
- 1.8 ——いびつさが自分らしさ、ということなんですね。
- 1.9 ——確かにそういうことってありますよね。アルバムには「声」という曲が収録されていますが、メロディーを引き立てたエモーショナルなバラードになっていますね。
- 1.10 ——今だからこそ歌える曲なんですね。「カタワレ」はドラマ「レンアイ漫画家」の主題歌でしたが、佐藤さんは原作を読まれていたとか。
- 1.11 ——「甘い煙」はR&B風のサウンドで、この曲も佐藤さんの歌声の新しい魅力を引き出していますね。
- 1.12 ——曲に合わせてミュージシャンのラインナップを考えられているんですね。ソロ活動ならではのアプローチですが、ソロになったことで新しい可能性が広げっていきそうですね。
- 1.13 ——いま、音楽をやっていくのが厳しい状況ですが、創作意欲はどんどん湧いているようですね。
ロック・バンド、きのこ帝国のヴォーカル/ギターとしてデビューした佐藤千亜妃。現在、バンドは活動休止中だが、佐藤は2017年からソロ活動をスタートさせて、バンドとは違ったアプローチで新境地を切り開いてきた。そんななかで、新作アルバム『KOE』をリリース。そこには、どんな状況でもものづくりに対する情熱を失わない彼女の強い想いが詰まっている。
——佐藤さんは子供の頃から、ものをつくるのが好きだったそうですね。
「小学生の時から好奇心が旺盛で、絵を描いたり、詩や小説を書いたりしていました。毎日、先生に好きなことを書いてノートに書いて提出することになっていたのですが、私はそこで物語を連載してたんです(笑)。先生はそれを面白いと思ったらしく、朝礼の時に朗読してくれて。それがクラスで評判になって、クラスで物語を書くブームが起こったこともありました。みんなノートに物語を書き始めたんです」
——すごい!どんなお話を書いていたんですか?
「狸が冒険する話とか、女の子が引っ越した先の古い家で夜中に花びらが降ってくる不思議な現象が起こる話とか。ファンタジー系が多かったですね。」
——面白そうですね。作家になろうとは思わなかったんですか?
「中学校くらいまでは純文学に憧れて、そういう小説を書いていましたが、やっぱり歌がいちばん好きなので音楽に集中するようになりました。小説や音楽に限らず、頭の中で何かを考えて、それを作り上げていくのが好きなんです。だから歌を仕事にできて、本当によかったと思いますね。」
——天職なんですね。新作『KOE』は「声」をテーマにしたアルバムだとか。なぜ声に興味を持ったのでしょうか。
「もともと声フェチなんです。音楽を聴くと、まず声に耳がいくタイプなんですよね。あと、ソロ活動を始めた時、「これからは自分の声だけで勝負していくことになるのかな」って思って。だから、歌声にしっかりフォーカスした作品をいつか作りたいなって考えていたんです。」
——ついにその時がきたわけですね。歌うときに何か心掛けていることはありますか。
「学生の頃は好きな歌手の歌い方をマネしていましたが、ミュージシャンとしてデビューしてからは作り込まないようにしています。誰かのマネをしたとたん、自分の声ではなくなるので。曲が出来た時に〈こういう風に歌いたい〉というベクトルが決まっている時はそれに従う。今回のアルバムでもそうでした。」
——素の自分を出していく?
「そうですね。歌はうまくなりたいし、曲を洗練させていきたいという気持ちもありますが、綺麗にすればするほど、自分じゃなくても良いような気がするんです。自分が持っているいびつさを愛する、というか、提示するのが表現じゃないかなって、最近思うようになったんです。」
——いびつさが自分らしさ、ということなんですね。
「ミュージシャンって野生の動物みたいなものだと思うんですよ。せっかく自分勝手にやれる職を選んでいるわけですから、ソフィスティケイトすることのメリットはあまりないのかなって思っていて。あと、聴く人に響かないのかなって。人が人を愛する時って、完璧な部分じゃなくて欠けた部分を好きになるっていうっていうのをどこかで聞いて、〈そうかも〉って思ったんです。大切に思う人のダメなところを愛おしく感じることってあるじゃないですか。音楽やアートも一癖あるところがすごく好きになったり、それがないとダメだって感じたりすることってあると思うんですよ。」
——確かにそういうことってありますよね。アルバムには「声」という曲が収録されていますが、メロディーを引き立てたエモーショナルなバラードになっていますね。
「声を活かした曲を作りたいって思った時、メロディーがすごく重要だなって思ったんです。そう考えた時、これまでバンド活動がメインだったこともあって、しっとりしたバラードはあんまり作って来なかったな、と思ってバラードに挑戦してみました。20代の自分だったら作れなかったようなサウンドになったと思いますね」
——今だからこそ歌える曲なんですね。「カタワレ」はドラマ「レンアイ漫画家」の主題歌でしたが、佐藤さんは原作を読まれていたとか。
「そうなんです。お話を頂いた時、〈楽しくて明るい、だけじゃなくて、ちょっと心にグッと来るようなエッセンスがほしい〉と言われて、自分が原作を読んだ時に感じていたこととリンクしたので、やってみようと思いました。一人で自分の人生と向き合い続けるのって、ほんとにしんどいことだと思っていて。そこで人生の伴侶というか、仲間がいることによって〈ひとりぼっちじゃない〉って思えた時のエネルギーって、すごく大きいと思うんです。そのことを、しっかり曲のなかに落とし込んでいきたかったんです。」
——「甘い煙」はR&B風のサウンドで、この曲も佐藤さんの歌声の新しい魅力を引き出していますね。
「この曲はかなり前からデモがあって、バンドではボツにしていたんです。やれる機会ないかな?と思って様子を見ていたんですけど、今回のアルバムの良いエッセンスになりそうだと思って入れました。この曲ではmabanuaさんがドラムを叩いてくれています。他の曲は石若(駿)くんが叩いてくれているので、ちょっとカラーのちがう感じのドラムになっていて、それも素敵なんですよね。」
——曲に合わせてミュージシャンのラインナップを考えられているんですね。ソロ活動ならではのアプローチですが、ソロになったことで新しい可能性が広げっていきそうですね。
「もう、次のアルバムのことも考え始めていて。今まであんまりトライしてこなかった踊れる曲をやってみたいんです。いろんなリズムを網羅した作品が作れたら、と考えています。そのなかに、しっかり歌や言葉が入ってくる〈踊れるけど、泣ける〉音楽をやってみたい。」
——いま、音楽をやっていくのが厳しい状況ですが、創作意欲はどんどん湧いているようですね。
「どんな時でも、ものづくりは面白いし、この気持ちが止まることは絶対ないですね。」
佐藤千亜妃『KOE』発売中!
「声」をテーマにしたセカンド・ソロ・アルバム。全曲の作詞・作曲を自身で手掛けていて、パワフルなロックや切ないバラード、セクシーなR&Bなど曲調はバラエティ豊か。バンド・サウンドをストリングスがドラマティックに彩って、繊細さ力強さを併せ持った歌声の魅力を引き立てる。TVドラマ「レンアイ漫画家」の主題歌「カタワレ」。映画「転がるビー玉」の主題歌「転がるビー玉」を収録。初回限定盤は、2020年8月14日に行われた初の配信ライヴ「Streaming live “NIGHT PLANET”」を完全収録した Blu-rayが付属されていて彼女のパフォーマンスも楽しめる。
〈佐藤千亜妃〉4⼈組バンド「きのこ帝国」のVo/Gt/作詞作曲を担当。(2019年5⽉27⽇に活動休⽌を発表)現在はソロで活動中。その類まれな表現⼒を纏った唯⼀無⼆の歌声は、⾳楽ファンのみならず数々のミュージシャン、タレント、俳優等からも⽀持されている。他アーティストへの楽曲提供・プロデュースを⼿掛けるなど、その活躍は多岐にわたる。https://chiakisato.com/
ジャケット¥42350、中に着たトップス¥36300、パンツ¥26,620/すべてName. (03-6416-4860)、 ベルト¥11000/KAIKO(03-6416-4860)、 シューズ、イヤーカフ、リング/すべてスタイリスト私物
photograh_Osada Kasumi
styling_Izumi Machino
hair & make-up_SAKURA(MAKIURA OFFICE)
text_Murao Yasuo
design_Koinuma Kenichi
edit_Takehara Shizuka
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