CULTURE & LIFE

ダンス・ミュージックの普遍性を探求する《Night Tempo》の現在地

※10月12日発売「FUDGE11月号」より再掲

9月に2ndアルバム『Neo Standard』を発表し、全国4都市ツアー開催、さらに日比谷野音100周年記念イベントを控えたNight Tempo。今もっとも注目されるアーティストの1人である彼に、新譜をめぐる心の景色とその仕事について伺った。

「これまでの自分の活動は、その音楽性も含めて“日本寄り”の側面が数々の媒体で取り上げられてきたんですが、元々はダンス・ミュージックが出発点だという原点に立ち返って、さらにこれまで学んだことも反映して、新しく“これから見せたい自分”を表現できたのが今回のアルバムです。単なるリミキサー、歌謡曲のDJではなく、Night Tempoという一つの音楽ジャンルになるという目標に向けて、これが自分の作品だと言えるアルバムを発表できたと自負しています。もちろん、判断や評価は聴く方々にお任せします」

サウンドをつくる上で女性の声を使う理由は、「自分のつくるメロディは女性ヴォーカルが合うんです。そもそも昭和アイドルのオタクで、大きな影響を受けた音楽が“昭和のアイドルさんが歌っていた、ニュー・ミュージック系アーティストがつくった曲”。今回の作品でも参加いただいた方々の“声”に惹かれて、ヴォーカルを務めていただきました」という。

作品を発表する際には、必ずアナログ盤がリリースされる。「海外ではレコードとカセットテープのみでアルバム・リリースをしていました。一昨年に初めて日本の要望を受けてCDを出しました。自分にとってはCDがおまけで、アナログ盤を出すことが通常運転」なのだという。特にカセットテープはコレクターでもあり、その魅力は「イチから最後まで通して聴かせてくれること」だと。「配信でもCDでも聴く環境やシーンで聴こえ方は変わりますが、レコード、カセットテープは特に使うデバイスで大きく音色が違ってきますね。それを前提にしても、通して作品を楽しんで欲しいし、楽しみたいんです」

短尺動画SNSの隆盛で最近のアーティスト、DJを巡る状況については「配信のビッグデータを背景に、いつどの部分が多く聴かれたか?など過剰なほど消費トレンド情報を入手できて、短尺の切り取りは加速する一方。フェスなどでもSNSでハイライトされているフレーズでだけ聴衆が踊り出す状況で、日本に限らず米国など世界中で見られる現象です」「かつてDJ業界は、ドロップをどう表現するかの競い合いでしたが、今やどうTikTokで受けるかの競争になってしまった」「作り手の意図を感じとる音楽の楽しみ方が廃れてしまいつつある状況は、正直おもしろくないですね。」「ショートフォーマットの状況はある程度仕方ないけど、最後まで聴く人は聴くからこそ、アナログ盤にはこだわっていきたいです」

10月からは「The Night Tempo Show – Neo Standard」と題したアルバム・ツアーを全国4都市※1で開催。「フジロックに出させていただいた時、改めてライブの良さや手応えを感じました。開催地ごとにゲストや会場を吟味して、来ていただいたら損はさせないステージをお届けします! 日程がド平日でして…みんな仕事で疲れてる曜日じゃないか…なんてプレッシャーもありますが、来てくださる方と思い切り楽しめる内容にします!」

また、日比谷野外音楽堂100周年記念のイベントとして「J-WAVE & Night Tempo presents ザ・ナイトテン4」も開催される。「豪華なゲストのみなさん(早見優、野宮真貴、松本伊代、渡辺満里奈)を迎えて、これほど近くに観覧できる機会は貴重だと思います。ただ古いものじゃないよ、いま魅力的だよ、ということを色々な世代の方が同じ場で楽しめる時間にしたいと思っています」

PARCOとFUDGEのコラボでお贈りするイベント「純喫茶ファッジ in パルコ」(at. 渋谷PARCO)にて、「喫茶ナイトテン4」と題して出演いただく(11/5 sun)ことが決定!

喫茶店好きとして知られるNight Tempoは「カフェも利用しますけど、喫茶店が優先。アンティークが好きですから。喫茶店はスペースエイジと呼ばれるデザインが残っていたりするのも魅力ですね」といい、彼の喫茶店巡りの様子はSNSでも見ることができる。

古ければ良いのではなく、普遍的な価値や魅力を有するものを愛するNight Tempoの価値観は、FUDGEガールが愛するファッションとも共通点を見いだせそう。「喫茶ナイトテン4」と題するイベント当日のDJプレイにも期待したい!

※1 北九州10/21井筒屋パステルホールの公演をもって全日程終了。


|profile|
Night Tempo:80’s Japanese Popsをダンス・ミュージックに再構築した「フューチャー・ファンク」シーンから登場した、米国と日本を中心に活動する韓国人プロデューサー兼DJ。昨今のシティポップ・ブームへと繋がる、竹内まりや「プラスティック・ラブ」のリエディットがバイラル・ヒットしたことも記憶に新しい、今もっとも注目される海外アーティストの一人。音楽ルーツは、角松敏生とダフト・パンク。フジロックフェスティバル‘22への出演に続き、2023年夏にはサマーソニックに初参戦した。昭和カセット・テープのコレクターでもあり、カフェよりも喫茶店を好む。

|information|
祝・日比谷野音100周年 「J-WAVE & Night Tempo present ザ・ナイトテン4」11月4日(土)に開催される。J-WAVEとNight Tempoがタッグを組み、伝説の音楽番組をモチーフに「4」人の豪華ゲストを迎える一夜限りの歌謡ショー。ホストはNight Tempoと音楽プロデューサー亀田誠治。野宮真貴、早見優、松本伊代、渡辺満里奈という野外ステージとしてはレアなゲスト陣も見どころ。
「J-WAVE & Night Tempo present ザ・ナイトテン4」の来場半券を持参して「純喫茶ファッジ」オープニングパーティでのNight Tempoステージにお越しの方には、スペシャルプレゼントをご用意。

 

edit & text_Sekiguchi Keiko

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