CULTURE & LIFE

今年は、美術展や写真展へ足を運ぼうと思っています。現在開催中のふたつの素敵な美術展をご紹介します。両者に共通するキーワードは「北欧」。北欧というと、夏が短くて、白夜が続き、女性が働きやすい国、そんなイメージがありました。日本で身近に感じる北欧は、IKEAで、あのカラフルな色彩感も北欧のイメージになってきています。また、北欧のライフスタイルを表す言葉として「ヒュッゲ」という言葉も耳にすることがあります。

 

「ヒュッゲ(HYGGE)」とは、デンマーク語で「あたたかく、快適で、安全と感じる心地よさの品質」を表し、それは、家族と一緒に家で過ごす時間などからくるもの、ということです。(ケンブリッジ・ディクショナリより)IKEAに行って感じる、心地よさ、とわたしは理解しています。そんなイメージを持っている北欧に関連する美術展、デザイナー皆川 明さんの展覧会「ミナ ペルホネン/皆川明 つづく」と明るいイメージとは少し違う暗く落ち着いた色調の絵画の展覧会「ハマスホイとデンマーク絵画」を観賞してきました。

 

ミナ ペルホネン/皆川明 つづく

 

会場に入ると、まず目にしたのがこちら。クッションの壁。どのテキスタイルも個性的で、プリントされているものから刺繍されているものまで様々なスタイルです。テキスタイルデザイナーとしての皆川明さんの魅力を強く感じました。そして、洋服の展示へ続きます。とても可愛くて、どのスタイルも「ちょっと懐かしい」という印象をうけます。同じデザインでも、生地が変わると雰囲気もガラッと変わるので、似合うスタイルに出会ったら、テキスタイルを変えれて何着かもっていると、いろいろな自分の着こなしができそう。この展覧会の「つながる、連なる、循環する」というコンセプトが表現されていると思いました。

 

 

 

特に気に入ったのは、こちら。毛糸がもこもこしていて、フェイクファーのような華やかな印象があるものの、抑えた色味でシックな雰囲気もあり。そして、何色とでも合う、という多様性も魅力的です。このコートは、欲しいなぁ、と一目惚れしました。

 

 

他にも、生地の上に型紙を合わせた展示もありました。無駄なく綺麗に1着の洋服をつくる過程をこのように見るのは、はじめてでした。無駄なく、というのも、サステナブルな取り組みのひとつ。出来あがったモノ、の展示だけではなく、皆川明さんの作品の要素を分解して見ることができて、とても充実感のある展覧会でした。

 

 

 

展覧会は、2月16日で終わってしまいましたが、今年は洋服をはじめ、身の回りに置くモノについて、アイデアをもらうことができた素晴らしい展覧会でした。

 

ミナ ペルホネン/皆川明 つづく minä perhonen /minagawa akira TSUZUKU

https://mina-tsuzuku.jp/

 

 

ハマスホイとデンマーク絵画

春のような暖かい日、ぷらっと上野まで、「ハマスホイとデンマーク絵画」を観賞に行きました。きっかけは、急遽時間ができたこと、ちょっと静かな気分になりたいからと、美術展をブラウジングしていたら、「日本ではじめての本格的な紹介」というデンマーク絵画に興味を持ったからです。デンマークといえば、アンデルセン、ロイヤルコペンハーゲン、LEGOとカラフルだったり明るいイメージを持っていたのですが、美術展の案内を見ると、なかなか暗い。。。落ち着いた、というより、寒そうなイメージの絵画が多く、風景や部屋の絵画が多く、反対に、そこに「なぜ、デンマーク絵画といわれるほど人気があるのだろう?」という確かめたい気持ちが沸いたからです。

 

 

展覧会は、4つのパートから構成されています。第1章は「日常礼賛−デンマーク絵画の黄金期」、第2章「スケーイン派と北欧の光」、第3章「19世紀末のデンマーク絵画−国際化と室内画の隆盛」、第4章「ヴィルヘルム・ハマスホイ−首都の静寂のなかで」です。第1章では、日常の風景やポートレートで、デンマークの穏やかな日常生活を紹介しています。人々が毎日を感謝して、大切に生きているという、静かに表現されていて、見ているわたしも穏やかな気持ちになりました。

 

第2章は、スケーイン派。スケーインとは、ユトランド半島の端にあるバルト海と北海に囲まれた漁師町で、そこを訪れた画家たちをスケーイン派と呼ぶようになりました。ここに展示されている絵画は、第1章とは打って変わって、ビビッドで力強く、自然を相手に生活をする厳しさが描かれているものも多くありました。特に、ミケール・アンガの「ボートを漕ぎ出す漁師たち」(1881年)という作品は、海難救助に向かう漁師たちの緊張感、使命感、切迫感が現れていて、自然を受け入れるという姿を感じました。第3章は、室内の様子が描かれている絵画の展示です。家族団欒や室内に人がいる情景が暖かく描かれていました。そして、第4章は、ハマスホイの作品です。室内を描いた作品は、光と影の描写がとても美しく、「時間が堆積した美しい室内」と説明にあったとおり、歴史のある建物の室内を美しい空間として描かれていました。

 

美術展の楽しみのひとつは、気に入った絵画のポストカードを買うことにもあります。今回、ハマスホイの作品の「農場の家屋、レスネス」(1900年)は特に気に入って、Tシャツも購入してしまいました。

 

《農場の家屋、レスネス》1900年

 

そして、一点、とても目をひいたピンクの部屋。

《室内、ラーベクス・アリ》1893年

 

こちらの展覧会は3月26日まで開催しているので、ゆっくり時間の取れるときに、お花見がてら、観賞にお出かけするのが、これからの季節のおすすめです。

 

 

ハマスホイとデンマーク絵画

https://www.tobikan.jp/exhibition/2019_hammershoi.html

https://artexhibition.jp/denmark2020/

 

オリジナルテキスタイルを使った作品は、洋服から日曜雑貨まで様々な身の回りの愛用品に広がるミナ ペルホネンの世界観は、とても可愛くて温かい。そして始まったばかりのデンマークを代表する画家ハマスホイとデンマーク絵画に観る美しい時間。両方に共通するものは、ずっとつづくしあわせ、でした。

 

text :Lulu

◆こだわり女子のモノコトWebマガジン「PeLuLu」より

 

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