CULTURE & LIFE

 

友人2人と共にルーヴル美術館で開催中の展覧会『Louvre couture』へ行ってきました。
99ものデザイナーによるオートクチュールドレスの名作が一挙に展示されています。

美術館の豪華なサロンにドレスの色と部屋や美術品の色合いを一致させていて、99ものドレスに適した場所をピッタリ当てはめたルーブル美術館の展覧会への情熱がすごい。

 

クリスチャン・ディオール(ジョンガリアーノ 2004-2005 秋冬コレクション)

19世紀のオーストリア皇后エリザベートからインスピレーションを受けています。
重厚な深紅のドレスがナポレオン3世のサロンの装飾に見事に調和していて、宮殿の中の皇后にふさわしいドレス。

 

ドルチェ&ガッバーナ(2013-2014 秋冬コレクション)

3月までドルチェ&ガッバーナの展覧会がグラン パレで開催されていたばかりでしたが、こちらでも見ることができました。こちらのドレス、一目見てドルチェ&ガッバーナのドレスだと分かります。
「ヴェネチアのトルチェッロ島の教会内のモザイク画みたい」と呟いたら、手前にヴェネチアの12世紀のモザイクの断片が展示してありました。

ドルチェ&ガッバーナの展覧会でひしひしと感じていたのはイタリア文化への誇りとイタリアへの愛。デザイナーはそこからインスパイアされてラファエロやレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画、シチリアのカラフルなタイル、ヴェネチアングラス、宗教的モチーフ、オペラ、金の極小モザイクを見事に手刺繍やビーズワークのドレスに反映させました。

一歩間違えるとキッチュ(低俗、安っぽい)と言われそうな程の、目が眩みそうなスパンコール、ビーズ、刺繍、宝石のような大粒の装飾です。職人によって手作業でぎっしり縫い込まれていて、まるで歩くモザイク画。光を受けてより立体的で華やかに。
このデザインの中心にあるのはビザンティン芸術のオマージュです。

 

イヴ サンローラン(1997-1998年のコレクション)

深い黒のベルベッドとゴールドやルビー調のビジューで装飾されたオフショルダーのエレガントなドレス。夜には一段とゴージャスに映えそうです。

 

クリスチャン・ディオール(ジョン・ガリアーノ 2006-2007 コレクション)

シンプルなドレスは、中世後期の素晴らしいタピストリーのようにたくさんの花で飾られています。よく見ると柄の間にウサギや鳥がいてかわいい。

 

ジャンバティスタ・ヴァッリ(2018-2019 秋冬コレクション)

みんなこのドレスを見た瞬間に「わぁ!」とため息。

ファンタジーの世界のような素敵な空間に広がるボリュームあるチュールドレスは圧倒的な存在感を放っています。このフェミニンでロマンティックなドレス、なんと600メートルのチュールが使われたそうです。ピンクの代わりにこの繊細なペールブルーが選ばれました。

 

バレンシアガ デムナのデザイン(2020-2021春夏コレクション)

ナポレオン3世時代のシルエットと幻想的な浮遊する身体のようなフォルム、詩的な作品です。

 

シャネル(カール・ラガーフェルド 1987-1988 秋冬コレクション)

この展示では9着と、一番多く展示されていたのはシャネルのカール・ラガーフェルドデザインのドレス。

フランス王政時代、、アリーアントワネット期のロココ装飾や宮廷服に着想を得たドレスです。バーガンディレッドにブレード刺繍やメタル装飾があしらわれていて、腰回りが特徴的。ミニスカートにしてモダンな印象です。

私たち夫婦は3年前の夫の誕生日に偶然にも、カール・ラガーフェルドが15年住んでいたという邸宅に案内していただいたことがありました。私のカリグラフィーの仕事に興味を持っていただき、美術館のような邸宅内を見せてくださったのでした。

大きな門を通ると門番に2匹の犬がいて、広い敷地に18世紀の邸宅があり、1階のお部屋を案内してもらってから階段を上がって2階に上がりました。手作業で装飾が施されたばかりだという壁、天井の豪華な装飾を見せていただき、夢のような贅沢な時間でした。

カール・ラガーフェルドは当時、ルイ15世やルイ16世時代の家具、タペストリー、磁器などコレクションして飾っていたようです。
「この美しい場所からたくさんのインスピレーションを受けて美しい作品が生まれたんだ」と感動したのを覚えています。

 

ジャンポール ゴルチエ(2008-2009 秋冬コレクション)

「カリグラフィー」と名付けられたドレスはグリーンのレースやチュールにカリグラフィーのアラベスク模様のような装飾ラインがデザインになっています。19世紀のパニエをあえて外側に構築した挑戦的な作品。フォルムが美しすぎます。

 

フェンディ(シルヴィア ヴェントゥリーニ フェンディ 2019 2020秋冬コレクション)

ローマのルネサンス様式の宮殿の床を覆う幾何学なタイルのモチーフ。チュールドレスに花の刺繍、このドレスとの対話で床に敷かれた15世紀と思われるグロテスク柄のタイル、計算された展示で印象的でした。

 

ヴェルサーチ(ドナテッラ ヴェルサーチ 2002-2003秋冬コレクション)

鮮やかな黄色のブロケード生地に金色のレーストリムのデザインで豪華!展示室内の椅子のテキスタイルや金箔の鏡の枠との調和がお見事です。

 

クリスチャン・ディオール(ジョン ガリアーノ 2005-2006コレクション)

サテン生地に水色と銀糸の刺繍。ハイウエストに付けられたお揃いのベルトもアクセントになっています。裾まで美しいドレスにうっとり。

 

今回、私が特に好きだったドレスを紹介しました。

地図を見ないと迷子になるほどの大きな展示で、全部のドレスを見て周るのに2時間以上かかりましたが、友達2人がいてくれたおかげでとても楽しい滞在時間でした。

デザイナーが表現した「夢、愛、美」が詰まったドレスをこんなに間近で見られて、本当に皆さんにお勧めしたい展示です。

 

 

text:竹内 仁海

パリ在住13年目。
イタリア人の夫とパリ4区にあるカリグラフィー専門店 “メロディ グラフィック”を経営する傍らカリグラファーとして活躍。結婚式やパーティ、パリコレの招待状や宛名書き、メッセージの代筆、ロゴ制作、フランス映画・コマーシャルの演出アイテムとしてカリグラフィーを担当。
パリから“暮らしの美学”をお届けします。

Instagram:@melodiesgraphiques

 

 

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