CULTURE & LIFE
クリエイティブチームDo it Theater(ドゥイット・シアター)がテーマごとにおすすめの映画を3作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。第9回目のテーマは「ハロウィンに見たい映画」。ハロウィン気分を盛り上げてくれる映画3作品をご紹介します。
Do it Theaterのユーコンです。この連載はDo it Theater 女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。
第9回目のテーマは「ハロウィンに見たい映画」ということで、『ミスター・ロンリー』『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』の3作品をセレクトしました。
いよいよハロウィン本番!ハロウィンパーティや仮装イベントが目白押しの週末。ハロウィン映画と言えばホラーが定番ですが、ホラー以外にもいい作品がたくさんあるんです!ホラーが苦手な人でもたっぷりハロウィン気分に浸れる映画をご紹介します。
Index
仮装し、己を隠す人々の生き様とは。
title:『ミスター・ロンリー』
【story】
主人公はマイケル・ジャクソンのモノマネをして生活している男・マイケル。彼はマリリン・モンローのモノマネをしている女に出会い、彼女が暮らしている山奥の屋敷へ誘われる。そこにはチャップリン、リンカーン、マドンナなど、各々のキャラクターを演じる人たちが共同生活をしていた。マイケルは仲間たちに囲まれ満ち足りた日々を過ごし始めたが、ある事件をきっかけに彼らのユートピアはほころび始める…。
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ボビー・ヴィントンのヒット曲「ミスターロンリー」にのせて物語は始まります。この曲の歌詞は全体的に「僕はひとりぼっちだ」という内容を歌っているのですが、その歌詞が映画に抜群にマッチしています。監督はインディーズ映画の巨匠、ハーモニー・コリン。ティーンネイジャーの心の闇や葛藤を描いた作品が多いですが、この作品の主人公は大人たち。“自分”を生きることに疲れ、他人になりきってユートピアを求める人々を見ていると、ハロウィンで仮装した人々が溢れかえる都心の風景が思い起こされます。
また、この作品ではとある別のストーリーも並行して進んでいきます。全く異なるお話なのに、二つのストーリーを断続的に見せられることによって、セリフや映像だけでは喚起できない感情がグイグイと引き出されていきます。
終盤、衝撃的なシーンが入りますが、見る人によってはグッドエンドともバッドエンドともとれるので最後までお楽しみに。
現代を生きる、吸血鬼カップルのオフビート映画。
title:『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』
【story】
デトロイトとモロッコで遠距離恋愛中の吸血鬼カップル、アダムとイヴ。ある日イヴはデトロイトのアダムの元へ旅立つ。久しぶりの再会を喜んだのも束の間、アダムが毛嫌いしているイヴの妹、エヴァが転がり込んでくる。正体がバレないように慎重に暮らしてきた2人だったがエヴァの到着後、少しずつ生活が崩れ始めていく…。
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吸血鬼ってセクシーだと思いませんか?「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」のトム・クルーズ、「トワイライトシリーズ」のロバート・パティンソンなど。セクシーヴァンパイアは何人かいますが、本作のアダムとイヴは別格です。
アダム(トム・ヒドルストン)は伝説的アングラミュージシャンとして現代を生きるヴァンパイアなのですが、ミュージシャン特有の気だるいルックスとヴァンパイアのアンニュイさが見事にマッチしていて、セクシー度MAX。稀代の美魔女とも言われるティルダ・スウィントン演じるイヴの衣装もとてもおしゃれで、真っ白の肌と髪にぴったり。個人的にはハロウィンにカップルで真似したい仮装No.1!
本作の監督はスタイリッシュな映画を数々手がけるジム・ジャームッシュ。彼の映画は音楽がとても印象的なのですが、本作もまた然り。古楽器リュートを使ったサントラはデトロイトの荒廃した街並みとモロッコのオリエンタルな雰囲気にぴったりで、音楽好きの方にもオススメしたい映画です。
ヴァンパイア、男だらけのシェアハウスはじめました。
title:『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』
【story】
舞台は4人のヴァンパイアが暮らすシェアハウス。彼らの暮らしぶりを追うべくドキュメンタリーのカメラが潜入する、というモキュメンタリータッチの作品。ヴァンパイアと言えども洗濯、掃除、ゴミ出しは当番制。獲物は仲良くみんなでシェア。やってることは凶悪だけど、どこか憎めない、現代を生きるヴァンパイアたちの怪作ホラー?コメディ。
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ヴァンパイア映画って怖い映画が多いですよね。でも、この作品は全然怖くないので安心してください。この映画には“ヴァンパイアあるある”が面白おかしく登場します。鏡に映らない、招いてもらわないと店に入れない、日を浴びると焼け死ぬ、などの“あるある”が現代社会を生きるヴァンパイアにはこんな風に影響するぞ!という描写がたくさん出てきます。21世紀を一生懸命生きるヴァンパイアたちが滑稽で笑えるので、友達や家族とワイワイ鑑賞するのがオススメ。ハロウィンの夜を盛り上げてくれること間違いなしです。
そしてこの映画、洋題が「What We Do in the Shadows(=暗闇ですること)」という邦題と全然違うタイトルなのですが、邦題がとても秀逸だなと思いました。邦題って大事ですね。
王道のハロウィン映画は他にもたくさんありますが、怖い映画は嫌い、ちょっと変わった映画を知りたい、という人向けに少しマニアックな映画を紹介してみました。ハロウィンに仮装を考えている人は是非この3作品の衣装も参考にしてもらえたら嬉しいです。いつかDo it Theaterで、盛大なハロウィン野外映画祭ができればいいなぁと夢見ています。
© 2006 O’South Limited, Love Streams agnes b. Productions, Metropolitan Film Productions Limited and Fuzzy Bunny Inc.
『ミスター・ロンリー』
©2013 Wrongway Inc., Recorded Picture Company Ltd., Pandora Film, Le Pacte &Faliro House Productions Ltd. All Rights Reserved.
『オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ』
『シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア』
text : ユーコン(Do it Theater)
●Do it Theater(ドゥイット・シアター)
“あたらしいシーンは、Theaterからはじまる”をテーマに、シアター体験を作り出すプロデュースチーム。今年も10月26、27日に開催する「Holiday Circus(ホリデーサーカス)」では2年連続で野外シアターを上映!また 累計4万人以上が来場した野外シアター「品川オープンシアター」や横浜赤レンガ倉庫とマリンアンドウォークヨコハマの2会場同時開催の「シーサイドシネマ」、 ロックバンドSuchmosとタッグを組んだ「DRIVE IN THEATER Suchmos」など、映画を観るだけではない、総合演出された新しいスタイルのシアター体験を全国に作り出しているチームです。
www.ditjapan.com
Design_Koinuma Kenichi
Illustration_MARU
Edit_Takehara Shizuka
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