FUDGENA
高校生の頃、私は紛れもなく夢見る乙女だった。
頭の中では、電車の中で度々目が合う好青年風のあの彼が私のところへやってきて
「僕もその本読みました。もしよろしければこのあとお茶でも」と声をかけ、
また別の日には、隣のクラスのあの彼に
「ねーえ、私あなたと過ごすこの時間がとっても好きなのよ。」と囁く。
午後の授業では、たまに廊下でおしゃべりをする男の子とのデートを頭の中で勝手にセッティングし、何を着ていこうかしらと頭を悩ませていた。
妄想に妄想を重ね、ロマンティックの中で生きていた。
しかし二十歳を超える頃から、私の中の夢見る少女は次第に消えていく。
どんな恋愛映画を見ても、恋愛小説を読んでも
「けっ。こんなこと起こるわけないじゃんか。」とスレていた。
そのくせ人の恋バナにはすぐに首をつこみ、恋するときめきをおすそ分けしてもらっていた。
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ロマンティックに生きていきたい。『アメリ』
こんにちは、SAKURAです!
今回はフランス映画の『アメリ』(2001)を紹介したいと思います。
この映画の主成分は”ロマンティック”。
しかし、この作品が単なる恋愛映画にとどまらないのは、ロマンティックが恋愛だけのものではないと教えてくれているからだと思います。
主人公のアメリにとっては、人生そのものがロマンティックなのです。
この作品のキャッチコピーは「幸せになる」。
アメリはひょんなことから人を幸せにすることにハマり、果てには自分の幸せも掴んでいきます。
心あたたまる素敵な映画です。
アメリ・プーランの素晴らしい運命 『アメリ』あらすじ
主人公のアメリは、元軍医の父と教師の母の元に生まれますが
学校に通わなかったため、友達もできず空想の世界が彼女の居場所でした。
ある日、自分の住む部屋の壁に穴を見つけ、そこから40年前の宝箱を見つけ出します。
彼女は、その宝箱を持ち主に返そうと思いつきます。
昔大切にしていた物が手元に戻ってきたらどんだけ幸せだろうと考えたのです。
大家や昔から住む住人に話を聞き、今はもう初老になってしまったブルトドーという男性を見つけました。
その宝物の箱を受け取ったブルトドーは奇跡が起こったと涙を流して喜び、
それを見たアメリは、ちょっとずつ周りの人達を幸せにしていこうとします。
ずっと空想の世界で暮らしていた彼女は、思いつくこともロマンティック!
考えつかないような素敵な方法で周りの人たちを幸せにしていくのです。
今回はその中の一つを紹介したいと思います。
昔愛した人からの30年越しの手紙
アメリの住むアパートの大家、ウォラス夫人は孤独な女性。
夫は秘書と南米に駆け落ちして、その後1970年に死亡。
しかし彼女は、夫に捨てられてもなお、昔彼が送ってくれた愛の手紙を捨てられずに残しておいていたのです。
「あの日から人生が止まったわ。私って泣いて暮らす運命なのよ。」と言う彼女の目には夫への愛がまだ息づいていました。
ある日、ウォラス夫人の元に一通の手紙が届きます。そこには
「1969年の飛行機事故で行方不明となった郵便物が発見されました。その中にあった奥様宛の手紙を同封いたします」というメモと一枚の手紙が。
手紙は夫からのもので、女と逃げたことを後悔していることや君が僕を赦して会いにきてくれる日を夢見ているという内容が書かれていました。
その手紙に彼女は微笑み、壁に飾ってある夫の写真に口づけをするのです。
それらは全てアメリがウォラス夫人の幸せを考えて工作したものでした。
アメリは、ある日新聞で「1960年代末に行方不明になった郵便物を乗せた貨物機が見つかり、30年ぶりに手紙が届く」という記事を見つけ興味を持ちます。
アメリはウォラス夫人の部屋にこっそり忍込み、夫からの手紙の束をかき集め
駅でコピーをし、切って貼ってコラージュをして愛の手紙を作り出しました。
少し強引なやり方ですが
愛する人に捨てられ、時が止まっていたウォラス夫人の背中をアメリは間接的に押したのです。
30年越しの愛する人からの手紙というのもロマンティックですよね。
この映画では、アメリが周りの人をこのような想像力豊かな方法で幸せにしていきます。
最大の見所はやはりアメリとニノの恋愛ですが、アメリの発想力や人との関わり合いにも注目して観てくださいね!
『アメリ』にみる名言たち
フランス映画は詩的で繊細、儚げでそれでいて芯があり、しなやか。
私はそう感じています。
『アメリ』でも詩的なセリフや名言が数多あり、それもこの映画の魅力に繋がっていると思いました。
今回はその中でも、私の好きなセリフをいくつか紹介します。
”ひとめ惚れにもレシピがあるのよ。
材料は顔見知りの二人
互いの好意を絡めてよく混ぜる
一丁上がり”
”(絵を描きながら)難しいのは視線だ。
時々皆で見つめあっている。わしの目を盗んでね。”
”人生は果てしなく書き直す未完の小説だ”
”もしお前がこのチャンスを逃したら、やがてはお前の心はわしの骨のように乾いてもろくなってしまうだろう。さあ、彼をつかまえるんだ!”
『アメリ』では、映像やセリフも軽快で、観ていてハッと驚く仕掛けもたくさんありますので毎回新しい発見ができます。
二月もまだまだ寒いですが、春はもうすぐそこまできています。
ぜひ『アメリ』を鑑賞して、心もピンク色にして春を迎えましょう!
追伸:ロマンティックを止めないで
私が『アメリ』を観て感じたのは、ロマンチストでもいいじゃないかということ。
私は大人になるにつれて夢見がちな性格を恥ずかしく思い、だからこそ避けてきました。
でも心の中では、
もし今あの角から片思いの彼が歩いてきたら、なんて声をかけようかしら
ちょっと気のないふりをして気づかないふりをしよう、そしたら彼が私に気がついて
「久しぶり」なんて声をかけてくれるかもしれないわ
プロポーズをされるならベタだけれど、東京タワーの見える一流レストランで。
彼はスーツで私も一応はよそ行きのワンピースを着て、二人ともいつになくそわそわしながら。
彼が突然紺色の指輪ケースをぱかっと開いて「僕と結婚してください」っていうのがいいな
とロマンチストの私がいて、そんな私も悪くないなと
私もアメリに背中を押してもらえたような気がします。
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