FASHION

出典:ベースボールキャップにマジメっぽいメガネをかけて。相反するような組み合わせが、エレガントさを呼ぶ。【マイスタンダードブック】

連載『お洒落さんのためのファッション用語辞典』では、トラッドファッションから最新のファッションまで、FUDGEでおなじみのファッション用語についてわかりやすく解説します。第59回目は「ベースボールキャップ」について。そもそも「ベースボールキャップ」って何なんでしょう?そんな謎をひも解きます。この連載を読んでファッション用語の背景や起源を知れば、毎日のお洒落がより楽しくなること間違いなし!

 

【用語解説】まずは「べースボールキャップ」を知ろう

出典:今シーズンのトレンドアイテム!ベースボールキャップの魅力

「ベースボールキャップ」とは、そもそもは野球選手がかぶる帽子の総称です。スポーツ・キャップの代表。6枚はぎなどのドーム型のクラウン(帽子の頭部を覆う山の部分)が特徴で、目ざし(ひさし)つき、後部にはサイズ調整用のナイロンのラッチ(留め具)が付いていることもあります。多く、正面には野球チーム、フットボールチームや、自動車のメーカー、食品会社、アパレルなどさまざまなロゴマークがついています。

 

【歴史】もともとは麦わら帽子をかぶってプレーしていた野球選手が、今の形状の「ベースボールキャップ」をかぶるようになったのは?

出典:スポーツの秋らしくベースボールキャップを活かしたコーデ【本日のFUDGE GIRL-9月27日】

現在の「ベースボールキャップ」の原型になったと言われるのは、1850年代にアメリカの「ブルックリン・エクセルシオールズ」がかぶっていたドーム型の野球帽。1920年代を迎えるころには、どの野球チームにとってもこのスタイルが主流となりましたが、以前はそうではありませんでした。そもそも、野球は19世紀初頭にアメリカで誕生。1876年にナショナルリーグが設立されましたが、初期、選手たちがかぶっていたのは、日差しが目に入りにくい帽子であること以外、統一感はゼロ。さまざまな種類のツバ付きの帽子を思い思いに選んでかぶっていたのです。しかもその多くは、麦わら帽子だったというから驚きです。

一説には、「ベースボールキャップ」が現在の形状へと変化していくきっかけになったのは、19世紀後半の南北戦争ではないかと言われています。 野球は、ニューヨークなどアメリカ北部で発展しましたが、南北戦争中に兵士たちによって、アメリカ全土へと広がっていきます。兵士たちがプレー中に着用したのは、軍服と、前につばの付いた軍帽でした。その軍帽から生まれたのが「ピルボックス型キャップ」で、「ベースボールキャップ」のスタンダードに。また、帽子のみならず、兵士たちの装いそのものがその後の野球のユニフォームの考案に繋がったそうです。それまでクラウンが浅かったキャップが現在のように深いものとなったのも同じ頃。帽子のフロント部分裏にバックラムという補強材が取り付けられるようになったからのようです。

20世紀に入ると、野球選手だけに被ることが許されていたこの「ベースボールキャップ」が、日常的に一般の人のワードローブにも加わわるようになりました。それは、テレビでの野球中継が始まり、野球ファンが、それぞれの支持する球団のロゴが入った帽子をかぶるようになったことがきっかけとか。そのうちそれにならい、自分たちが所属するスポーツチームのロゴを入れた「ベースボールキャップ」をかぶる学生が現れたり、宣伝用に企業ロゴを入れた「ベースボールキャップ」を製作、配布したりする企業があらわれたりするようになり、やがて、ファッションアイテムとしての地位を確立していくこととなります。

 

【雑学】ジャネット・ジャクソンら多くのアーティストやセレブリティが衣装に「ベースボールキャップ」を取り入れた

セレブリティやアーティストの存在も、「ベースボールキャップ」がファッションアイテムとして浸透していく後押しとなりました。はじめは、日よけや、世間からの注目から顔を隠すのに便利なアイテムとして「ベースボースキャップ」を使っていた彼らですが、そのうち、衣装に取り入れるようにも。たとえば、マイケル・ジャクソンの妹で、自身も世界的に著名なアーティストとして一世を風靡した、ジャネット・ジャクソンもそのひとりです。1989年にリリースされた『リズム・ネイション1814』の中の1曲「リズムネイション」のミュージックビデオでは、ミリタリージャケットに合わせて、黒の「ベースボースキャップ」を着用。このときの彼女の勇ましい衣装は、人種や性別の壁を越え、瞬く間に歌とダンスで世界を席巻することとなったストーリーと共に、いまだ、語り継がれています。

 

 

監修:朝日 真(あさひ しん)

文化服装学院専任教授、専門は西洋服飾史、ファッション文化論。早稲田大学文学部卒業後、文化服装学院服飾研究科にて学ぶ。『もっとも影響力を持つ50人ファッションデザイナー』共同監修。NHK『テレビでフランス語』テキスト「あなたの知らないファッション史」連載。文化出版局『SOEN』他ファッション誌へ寄稿多数。NHK「美の壺」他テレビ出演。

 

illustration_Sakai Maori
edit & text_Koba.A

 

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