CULTURE & LIFE
こんにちは。
前田エマです。
今年最後の東京ぐるり。
清澄白河のお散歩も、最終回です。
この連載では、何度か清澄白河エリアを取り上げていますが、お店の方々や清澄に住んでいる知り合いに、どこかおすすめのお店を訊ねると《onnellinen(オンネリネン)》の名前が挙がるのです。
と言うことで、今回は清澄と言ったらここだよね!の雑貨屋《onnellinen(オンネリネン)》へ。
私は《onnellinen(オンネリネン)》を訪れるのが初めてだったのですが、お店へ到着した瞬間「ああ!ここなのね!」と。
高校生の頃から、ときどき清澄をお散歩していた私は、何度もこの白いお店の前を通りかかって、その度に気になっていました。
しかし「かわいいお店だなあ」と思いながらも、窓から店の中を覗くだけ。
子どもが足を踏み入れてはいけない、大人のためのお店かな?…と感じていたようです。
お店に入ってまず目に飛び込んできたのは、毛糸のアイテムたち。
セーターやストール、手袋など、触り心地がやわらかで、軽いんです。
「素敵だなあ、でも高いんだろうな…」と思い、値札を探していると、店主の瀬良田さんが「これ、私が編んだものなのです。それは見本なの」とおっしゃるではありませんか。
そういえば、お店には色とりどりの様々な毛糸が、たくさん売っています。
瀬良田さんは独学で編み物や布小物づくりを学び、今じゃアイテムの販売だけではなく、特製の編み物キットも作っていらっしゃる。
これが、大人気!!
キットを購入したお客さんが、編み方で分からないところがあると、瀬良田さんが教えてくださるのも魅力的です。
私も少々、編み物をたしなむので大興奮!
「これは、どの糸で編んでるんですか?」
「これを編むにはどれくらいの毛糸が必要なんですか?」とたずねると、丁寧に教えてくださいました。
特に印象深かったのは、毛糸の色。
編み上がったものを見ると、ベージュの美しいセーターに見えても、実は微妙に異なる色の毛糸を組み合わせ、色を混ぜるように編んでいるということ。
毛糸の色合わせがとても大切だと話す瀬良田さんは、まるで絵具を混ぜるみたいな感じで、様々なバリエーションを思いついていく。
お客さんの話を聞きながら、毛糸の色を提案したりすることもよくあるのだそうです。
もちろん毛糸だけでなく、器や靴下、洋服やポストカードなど、手に取るとほっとできるような、肩肘張らないアイテムが揃っています。
カレンダーや布巾などの消耗品は、毎年のように買いにくるお客さんもいるそう。
そういうエピソードを聞くと、長く愛される“いいもの”が揃っていることを感じます。
「資格も経験もなくて、子どもも小さくて…でも勢いで始めてしまった」と話す瀬良田さんが、ここでお店を初めて14年ほどが経つ。
今でこそ個人でやっている小さなお店がたくさん軒を連ねる清澄の地で、ずっと続ける強さと、お客さんに寄り添う優しさを垣間見れたような時間でした。
《今週のぐるり服》
花柄のブラウスの、襟と袖をのぞかせて。
トレーナー/Champion、ブラウス/pot and tea、パンツ/UNIQLO、靴/BIRKENSTOCK
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文・モデル:前田エマ Maeda Emma
1992年、神奈川県生まれ。11/19~12/26に千葉で開催される芸術祭「いちはらアートミックス2021」に参加。会場にて公開ラジオ収録を行う。ゲストは11/20成田久さん、非公開収録で篠崎恵美さん、11/28haru.さん、12/11石田真澄さん、12/18遠山正道さん。Podcastで配信予定。Instagram:@emma_maeda
写真:長田果純 Osada Kasumi
1991年、 静岡県生まれ。14歳の頃、実家の物置小屋から一台のフィルムカメ
information
《onnellinen(オンネリネン)》
東京都江東区白河1-1-2
営業時間:11時〜18時
定休日:月・日
TEL: 03-6458-5477
http://www.onnellinen.net/index.html
※最新の情報はHPをご確認ください。
美術館だけでなく、地域に根差した多種多様なお店が点在する「清澄白河」をぐるりしています。
今回は「清澄白河」の雑貨屋といったらここ!と多くの人が声を寄せる、《onnellinen(オンネリネン)》。今でこそ、個性豊かな雑貨店やコーヒー激戦区として注目される「清澄白河」ですが、同店はその先駆け。10年以上前からこの地で構え、愛され続けています。
センス良い日用雑貨はもちろん、何といっても手芸が好きな人、これからはじめたいと思っている人にこそ、来てほしいお店。
店内をよく見ると、種類豊富な毛糸の数々とニットアイテムが多く、エマちゃんも思わず興味津々。ブランドものだと思っていたセーターやミトンなどは実は店主によるハンドメイド。おしゃれなベストだなと手に取ってみると、手芸のサンプルだという。
デンマークの毛糸メーカー「Isager(イサガー)」に出逢い、その良質な糸や色味に一目惚れ。そこから、お店でも扱うようになり、編み方がわからないお客さんのためにサンプルを編むようになり、編むのが苦手な人のためにハンドメイドしたアイテムも販売するようになった。
編み物は人によりペースは様々なので、あえて手芸教室など開かないのだそう。わからない所だけ聴きにくれば、あとは自分のペースで進めれば良い。
情報が錯綜して、目まぐるしい日々の中で、編み物にじっくりと向き合う時間は何とも愛おしい。新たにコツコツと進める趣味が欲しい人にもぜひおすすめしたい。まずは店主手製の数あるサンプルの中から、作ってみたいと思えるものを探してみよう。自分だけの一着を妄想しながら、種類豊富な毛糸を選ぶ時間も、また贅沢な時間。
edit:Takehara Shizuka
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