CULTURE & LIFE
6月になり、展覧会も続々再開となり、この機会に是非訪れたい展覧会が多く開催されています。美術館は、密になることを防止するため、事前にWEB予約をすることになるので、安心して楽しむことができます。そんな展覧会のおすすめをご紹介します。
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バンクシー展 天才か反逆者か
3月15日から始まった「バンクシー展 天才か反逆者か」。すぐに休館となってしまって、再開を待ち望んだ展覧会のひとつ。一昨年、「サザビーズ」のオークションで競売に出されていた「風船と少女」が、落札されたと同時に、シュレッダーが起動して絵が裁断されてしまったショッキングなニュースでも有名な、ストリートアートで有名なバンクシー。「過去最大級の展示」という約70点ほどの作品が展示されている会場は、横浜駅から直結している「アソビル: ASOBUILD」です。2019年に開業した複合施設で、駅直結という便利の良さが魅力的で、エンタメビルというコンセプトがバンクシー展とマッチしている感じです。
中に入ると、バンクシーの仕事部屋という展示から始まります。座っているのは、本人ではありません。
アンディ・ウォーホールのマリリン・モンローと同じスタイルの6枚の絵画からなる「ケイト・モス」や、シュレッダー事件の「少女と風船」などよく見かける作品から、10ポンド札にダイアナ妃がプリントされていたり、エリザベス女王の顔が猿に置き換えられている「モンキー・クイーン」など風刺と言うにはあまりにも自由な作品が展示されています。
バンクシーは反消費・反戦などメッセージ性の強いアーティストですが、展示されている作品も、消費、反戦、サル、ネズミ、警察などかなり考えさせられるテーマの物が多く、見終わったときには、少し重い気分になりました。ただ、「風刺」なので、重いテーマでも、「くすっ」と来る作品が多いので、過去最大の規模という展覧会は必見です。
バンクシー展 天才か反逆者か
3月15日(日)〜9月27日(日)
オラファー・エリアソン ときに川は橋となる
美術に造詣の深い人が、「面白かった!」とおっしゃっていて、観に行こうと思っていたら(まだ期間中だからと思っていたら、終わっていたという残念な体験がよくあるのです)、緊急事態宣言を受けて、美術館はクローズ。再開したらすぐ行くリストの優先順位が高かった展覧会です。東京都現代美術館は、好きな美術館のひとつで、建築物として写真を撮るのも楽しく、駐車場もあるのも便利で、好きな理由です。
氷河の水を使用して作成したというパステルの優しい色合いの水彩画から始まります。アイスランドの海岸に打ち寄せる氷を氷を3Dプリンターで再現した模型の展示など、サステナブル、環境、自然というテーマがいろいろな手法で表現されています。
真っ暗な部屋の中で、虹を再現する初期の作品「ビューティー」や丸いガラス板で光を反射させて色の三原色から様々な色の風景を作り出す「おそれてる?」など、変わり続ける生きている作品を観ていると、時間も忘れてしまいました。
清澄白河界隈は、美味しいお店もたくさんあるので、週末のデートなど、特にお勧めです。
オラファー・エリアソン ときに川は橋となる
6月9日(火)〜9月27日(日)
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/olafur-eliasson/
珠玉のコレクション-いのちの輝き・つくる喜び 開館記念展
これまで「東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館」として親しまれていた美術館が、「SOMPO美術館」として生まれ変わり、5月から開催を予定していた展覧会が、やっと、7月10日から始まりました。6章に展示が分類されていて、日本画家・山口華楊の展示から始まります。第2章は新進作家顕彰事業のグランプリ作品を集めた「FACE」、第3章はSOMPOの前身である安田火災保険のカレンダーの原画を書いたことから繋がりのある東郷青児の作品、第4章は19世紀後半から20世紀にかけて描かれたユトリロやゴーギャンの風景画を集めた「風景と人の営み」、第5章はルノワールなどを集めた「人物を描く」、そして第6章ではゴッホの「ひまわり」をはじめとする静物画を集めた「花と果物」。5階から3階までが展示場になっていて、白とグレーを基調とした室内の雰囲気は、落ち着いた印象です。2階のミュージアムショップは、広い窓からたくさん光が入る明るい空間でした。
写真を撮ることが許されている作品もありました。
帰りは、パーク・ハイアットの「Peak Lounge」のアフタヌーンティーで、展覧会の余韻を味わいました。
珠玉のコレクション-いのちの輝き・つくる喜び 開館記念展
7月10日(金)〜9月4日(金)
https://www.sompo-museum.org/exhibitions/2020/opening_exhibition1/
おいしい浮世絵展
面白い展覧会でした!鑑賞していてお腹が鳴ったのは、初めての体験でした。森アーツセンターでの開催なので、森美術館の年間パスを持っていても、別にチケット購入が必要です。江戸の食文化を当時の浮世絵師たちは、風景や人物をまじえて、本当に上手く表現しているなというのが感想です。浮世絵作品のみならず、当時の料理の再現レシピが写真で展示してあり、そこにはレシピも記載されていました。
まず、「季節の楽しみと食」では春夏秋冬の情景と人々が楽しんだ食、そして、一大エンターテインメントだった「歌舞伎」の役者絵や酒宴の様子を楽しめます。続いて、「すし」「鰻」「天ぷら」といったお料理の描かれている浮世絵と当時のレシピで「にぎわう江戸の食卓」の様子が展示されています。そして、江戸時代のミシュランのような「東都高名会席盡(とうとこうめいかいせきづくし)」では、「江戸の名店」を歌舞伎役者が浮世絵で紹介しています。最終のパートは、「旅と名物」ということで、東海道五十三次の宿場に沿って、起点となる日本橋から、品川、保土ヶ谷、と東海道の風景とその土地にまつわる食を京都までの旅の道のりで紹介しています。
かなりのボリュームがある展示内容なので、図録を購入しました。浮世絵を眺めるのもよし、レシピ本として自宅で作って当時に思いを馳せるのもよし。
会場を出ると、隣接するカフェなどで、再現料理を堪能することもできるので、たっぷり時間を取って行くのがおすすめです。
おいしい浮世絵展
7月15日(水)〜9月13日(日)
古典x現代 2020-時空を超える日本のアート
「故きをたずね、新しきを知る」と展覧会のコンセプトにあるように、江戸時代以前の名品と現代作家の作品の対比を楽しめる展覧会です。
そもそも、しりあがり寿さんの「富嶽三十六景」のパロディを見かけたのがこの展覧会への興味の発端でした。展覧会は菅 木志雄さんのインスタレーションから始まります。8組の作品は、絵画に対して写真、刀剣に対して皮緞帳、など、古の名品の新しい解釈というよりは、2人の作家の作品によって、ひとつの世界観を作り出していました。
グッズ売り場で、しりあがり寿さんの「ちょっと可笑しなほぼ三十六景」という日めくりカレンダーを書いました。1 日から31日まで、富嶽三十六景が「クスッ」とくるパロディで描かれていて、毎朝、日めくりをして眺めれば、1日がちょっといい気分で始まります。他にも、マスキングテープなど、グッズも魅力的でした。
古典x現代 2020-時空を超える日本のアート
6月24日(水)〜8月24日(月)
https://kotengendai.exhibit.jp/
その足で、ミッドタウンの「21_21 DESIGN SIGHT」で開催されている「㊙︎展」へ。
㊙︎展 めったに見られないデザイナー達の原画
歩いてすぐなので、ちょっと暑かったですが、友人が面白いと言ってて、とても気になっていた㊙︎展を鑑賞してきました。
親しみのあるロゴや建築物、家具などが、デザイナーの手書きのメモやデザイン画、プロトタイプの作成など、わたしたちが目にしている完成品となるまでの様子を見ることができる貴重な展示内容です。
㊙︎展 めったに見られないデザイナー達の原画
2019年11月22日(金)- 2020年9月22日(火・祝)
http://www.2121designsight.jp/
いづれの展覧会も、まだ開催中です。事前予約が必要ということで、案外、ゆったりと見ることができるのはとても嬉しいことです。普段なら、夏休みは旅行!というひとも、少しいつもと違う今年の夏は、涼しく、心を潤す展覧会めぐりもなかなか有意義な過ごし方で、大いにおすすめです。
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