CULTURE & LIFE

国内や海外を自由に旅する旅好きたちに、旅のコツや、旅が暮らしに与えた影響についてお聞きします。今回は、団地で暮らす旅好きミニマリストが、旅の失敗から学んだ「自分らしい旅」のためのルールをお話しします。

 

書いた人:田村美葉

旅に出やすく暮らすことをテーマに物を減らした結果、団地で暮らす旅好きミニマリストとして活動中。シンプルで合理的な暮らしを目指しています。
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コスパを意識しすぎない

 

旅に行くのが好きで、社会人になってからは一人で旅をすることが増えましたが、はじめの頃はなんとなく「苦手意識」を持っていました。

その理由のひとつは、「できるだけ安く、たくさんの観光地をめぐりご当地グルメを楽しむ、最適かつ最高なプラン」をつくろうと、必死になってしまっていたせい。もっと安いホテルや安い航空券があったとか、ここにも行くべきだったこれも食べるべきだった、とあとから知ってくよくよすることもよくありました。

そんな意識が変わったのは、一度、真冬のソウルを旅した経験から。12月に「どこかに行きたいな」とふと思いたち、「航空券が安かったから」という理由だけでソウルへ行ったのですが、冬のソウルはめちゃくちゃ寒くて天気も悪く、かなり気が滅入ってしまいました。

 

 

真冬のソウル。ザハ・ハディドの建築などを観に行きました。「失敗だった」と思った旅でもあとから振り返るといい思い出になっていますが、それはまたべつの話。

 

 

そのときに知ったのは、「安いのには安い理由がある」ということ。逆に言うと、天候がいいシーズンの航空券、アクセスがいい場所のホテルなど、「高い」と感じるものにも値段相応のメリットがあります。

それ以来、私の旅の重要なルールは「コスパを意識しすぎない」「安いからで選ばない」ということ。自分が納得のいく金額ならそれでOK。人と比べない。あとから調べない。コスパを気にしすぎないと決めてからは、旅そのものをもっと気軽な気持ちで楽しめるようになりました。

 

特にホテルは多少高くてもアクセスのいい場所、治安のいい場所を選ぶようにしています。

 

 

ふだんやらないことはやらない

 

ソウルでもうひとつ失敗したことは、「せっかく韓国に来たのだから、美味しい焼肉屋さんで焼肉を食べよう」と、日本でもやったことのない「一人焼肉」にチャレンジしたこと。ガイドブックで調べて入った焼肉屋さんで「一人ではダメ」とあっさり断られ、とてもガッカリしてしまいました(あとから知ったのですが、韓国では一人で外食という文化が日本ほど一般的ではないそうです)。

旅に出ると、「せっかくだから」という理由でいつもはやらないこと、たとえば一人で飲みに行くとか、ゲストハウスで友達をつくるとかに挑戦してみようという気持ちになりますが、旅に出たからといって突然新しい自分に生まれ変わるわけでもありません。人見知りは人見知りのままだし、慣れないお店選びもひと苦労ですし、失敗することが多いです。

 

ゲストハウスに泊まったからといって、誰かと友達になる必要もありません。大抵のひとは一人で静かに過ごしてます。

 

それに、ご当地のグルメだって、無理してまで食べる必要はないし、最近は海外で日本より安く買えることも日本にないものもあまりないのでお土産がゼロでも大丈夫。「せっかくだから」とふだんはしない贅沢や散財をする必要もないです。

 

 

偶然に期待しない

 

ふらっとあてもなく旅をするとか、旅先で出会った人と意気投合して行動を共にするとか、そういうのが旅の醍醐味なんだと思って「偶然の旅」に憧れていた頃もありましたが、それは旅の上級者向けです。初心者の人や、私のようにそういうのが得意ではないタイプの人は、「本当にやりたいこと」を念入りに計画を立てて実行すればいいだけです。

きっかけになったのは、2012年に訪れたロンドン。「どうしても観てみたい」と思っていた建物が、1年に1度行われる「オープン・ハウス・ロンドン」というイベント時のみ公開されると知り、念入りに計画を立ててそのためだけにロンドンに行きました。

 

念願かなって内部の見学ができた「ロイズ・オブ・ロンドン」

 

 

「死ぬまでに絶対に観に行きたい場所」に行くことができた旅は、それだけでかけがえのない体験になり、行くのにいくらかかったとか、英語が喋れなくてくよくよしてしまったとか、瑣末な失敗は全部吹き飛びました。

それ以来、私が旅でやると決めているのは、「好きな建築を観に行く」こと。あとは、「船に乗る」こと。

 

シカゴの街を一周する「建築クルーズ」は自分の好きが詰まっていてとても楽しかったです。

 

 

私はそれが「建築」でしたが、たとえば読書が好きな人は本屋さんめぐりをする、パンが好きな人ならパン屋さんめぐりをする、というように、自分が好きなこと、もともと興味があることなら知識も豊富で、行きたい場所も見つかるし、必ず楽しめます。

 

ガイドブックを見てなんとなくで選ぶのではなく、「本当に好きなこと」を楽しめるようになってから、私は「次の旅で行きたい場所」が増え続けています。

 

 

text & photo : 田村美葉

 

 

*

出典: goodroom journal 

記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)

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