CULTURE & LIFE

 

一度は行きたい!豊かな水と里山への想いに満ちた美しすぎる作品たち

仕事で新潟に行くことがあり、せっかくなのでと帰りにずっと行きたかった越後妻有の新しいアートめぐりに。

1994年、新潟県知事が提唱した広地域活性化政策「ニューにいがた里創プラン」に則り、アートにより地域の魅力を引き出し、交流人口の拡大等を図る10カ年計画「越後妻有アートネックレス整備構想」がスタート。これが出発点となり、地域活性事業の柱として「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」が2000年に始まりました。

そこから年々、新しいアートが増え続け、新潟越後妻有の地域づくりは、3年に1度だけでなく、年間を通じて行われています。地元の方々やアーティスト、たくさんのサポーター、多ジャンルの団体や個人など、多くの方々と一緒にさまざまな活動に取り組み、その魅力を発信し続けています。大地の芸術祭の開催地域は広大です。越後妻有の、十日町、川西、中里、松代、松之山、津南の6つのエリアで構成されています。

 

 

今回私が巡ったのは、中里エリアと松代エリア。まずはずっと行きたかったアート作品『Tunnel of Light』として改修された、清津峡渓谷トンネルに。全長750mのトンネルを外界から遮断された潜水艦に見立て、外を望む潜望鏡として途中の見晴らし所と、終点のパノラマステーションで作品を展開しています。自然の「5大要素」(木、土、金属、火、水)を利用しながら、建築的な空間とアーティスティックな雰囲気をつくりだし、この歴史あるトンネルを変容させました。人間と自然の関係をあらためて考え、地元の人々や来訪者を土地の圧倒的な美しさに再びつなげることを企図しています。

 

 

冬季は公開休止中ですが、『たくさんの失われた窓のために』は雑誌の表紙にもなったとても美しい作品。

窓から見える風景を通して外に広がる妻有の風景をもう一度発見するための窓。揺れるカーテンは風を映し、訪れる人びとの心に陽の光や里山の風のそよぎを届けてくれます。行った時はたまたま爆風カーテンでしたが、それも他の日には見れない作品の姿です。

 

 

越後妻有里山現代美術館 MonETの中央にある回廊に囲まれた大きな池の水面『Palimpsest: 空の池』は、光が反射し、空や建物を鏡のように映しています。一見ただの水盤のように見えるかもしれませんが、鑑賞者が建物の2階に上がって池を眺めると、建物の鏡像が複層化している不可思議な現象に気づきます。この水盤には靴を脱いで入り、歩くことができますよ。

 

 

 

急な坂道を息を切らしながら登った先にある松代城。ここには新しいアート『憧れの眺望 Perspectives of Longing』などがあります。規則的な図柄を反復することで空間を変容させ、異次元に迷い込んだような視覚体験を生み出しています。もともとの空間形状や凹凸に作品の層が重なり、空間に入り込んで視点が動いた時、空間の性質が理解できるのです。よく見るとこの線、ひとつひとつマスキングテープを使ってか、手で描いている様子。これはすごい、、。

 

 

世界的芸術家、草間彌生さんの『花咲ける妻有』。“越後妻有の大自然はどんな作品でも大手を広げて自由に包みこんでくれる寛容の地である。私が作った巨大な花の野外彫刻作品がここに置かれて妻有の空気を讃美し、美しい陽光を天からそそがれて、この上ない心の安らぎをおぼえている。全作品をミドリの森や林の奥にみつけて、妻有に来た感動をあじわって欲しい。野外彫刻は全世界と日本を含めて数ヶ所作った中でも『花咲ける妻有』は私のお気に入りのナンバーワンである。”という言葉を残しています。

 

ハプニングによって生まれたあの形!約1世紀、愛され続ける新潟の元祖「柿の種」

新潟はとくに紹介したいお土産が多い場所。本当に迷いましたが、やっぱり今回はこれ!元祖「柿の種」を作る浪花屋製菓。実はあの「柿の種」を最初に作り出したのは、浪花屋製菓の創業者なのです。大正12年、創業当初はうるち米の煎餅作りをしていましたが、後に大阪のあられ作りを取り入れ、餅米を使ったあられを作るようになりました。これが社名「浪花屋」の由来とのこと。なるほど。新潟だけど、浪花。

当時はすべて手作業で薄くスライスしたお餅を何枚かに重ね、小判型の金型で切り抜いて作っていたのだけれど、ある日その金型をうっかり踏み潰してしまい、元に直らずそのまま使用したら歪んだ小判型のあられになってしまいました。とのこと!そんなあられを販売していたところ、あるお客さんが「こんな歪んだ小判型は見たことがない。形が柿の種に似ている」と言い、そのヒントから大正13年「柿の種」が誕生したのだそう。すごい商品はちょっとしたきっかけから生まれることがあるとよく聞きますが、まさにこの「柿の種」もそのひとつだったわけなのです。

 

浪花屋の「柿の種」といえば、赤い包装紙が有名ですが、なぜかカニ!カニ!カニ!調べてみると、果物の「柿の種」が出てくる昔話「さるかに合戦」のイメージからカニ柄なんだそうです。なんだかかわいい理由にホッコリ。こういう昔懐かしいシブカワな包装紙はついとっておきたくなります。

 

パカ!っとまんまるの蓋を開けてみると丁寧にリーフレットが。この「柿の種」は小包装になっているものでした。よく見ると缶のデザインも包装紙に勝るシブカワボディ。おばあちゃんのお部屋に置いてありそうな雰囲気!昔懐かしい風景が描かれていて、とてもかわいいです。

 

日夜製造方法の研究や改良を重ね、原料確保に苦心し、みんなに喜んで食べてもらえる米菓づくりを目指して、今日の「柿の種」の基盤が作られたのだそう。「柿の種」を作り続けて95年、浪花屋の柿の種が「元祖柿の種」といわれる由縁に納得です。この素朴でシンプルな餅米の風味、絶妙な大きさ、辛くなくカリカリといった気持ちの良い食感。一度食べ出したらもう止まりません。年末年始のお供にも、最高なお菓子です。

 

 

身近な日本の軌跡と奇跡。旅するデザイナーrumiのInstagram。
@find_rumi

 

 

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