クリエイティブチームDo it Theater（ドゥイット・シアター）がテーマごとにおすすめの映画を3作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。第84回目のテーマは「11月22日はいい夫婦の日。映画に学ぶ、夫婦の関係性について」です。

Do it Theaterのユーコンです。この連載はDo it Theater女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。

第84回目のテーマは「11月22日はいい夫婦の日。映画に学ぶ、夫婦の関係性について」ということで、夫婦の間柄がテーマとなっている映画3作品をご紹介します。ぜひハンカチを持って鑑賞いただきたい号泣必須の『今度は愛妻家』、とある夫婦の離婚劇を描いた『マリッジ・ストーリー』、第一子誕生前の夫婦が理想の家庭環境を求めて旅するロードムービー『お家をさがそう』の3作品です。

夫婦のカタチが多様化する昨今。「夫婦愛とは？」「夫婦としての責任とは？」という難しい疑問に少しだけヒントをくれるような映画を集めてみました。

 

失って初めて気付く、家族と愛の大切さ。

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title：『今度は愛妻家』

【story】
なんとなくダラダラと毎日を過ごす元人気カメラマンの北見俊介と、そんなダメ夫の暮らしぶりを日々たしなめる健康オタクの妻・さくら。持ちつ持たれつ暮らしていた二人だったがある日、俊介の心無い一言でさくらは家を出ていってしまう。後日、思いがけず帰ってきたさくらの口から出た一言は「離婚する前に写真を撮って」というものだった。

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二度の舞台化を経て映画化された本作。北見夫婦を演じるのは豊川悦司と薬師丸ひろ子。そして脇を固める俳優陣も水川あさみ、濱田岳、石橋蓮司と演技派揃いです。本作はネタバレせずに観ることが最重要なので下調べはせずに観ていただきたいです。夫婦の愛はどんなカタチで広がっていくものなのか、その愛はそれぞれの人生にどんな影響を与えるのかを、大号泣必須の展開で示してくれる映画です。
エンドロールでは、映画化にあたり書き下ろされた井上陽水の「赤い目のクラウン」が流れるのですが、この歌詞がささります。ぜひ最後までご覧ください。

 

夫婦の絆ほど不可解なものがこの世にどれほどあるだろう

title：『マリッジ・ストーリー』

【story】
ニューヨークの売れっ子演出家であるチャーリーとその妻で元ハリウッド女優のニコール。
彼らは離婚騒動の真っ只中にいた。カウンセリングを受けても夫婦関係の亀裂は修復できず、ついにはお互いに弁護士を雇って争うまでに。息子・ヘンリーの親権が裁判の争点となり、事態は泥沼化し始める。

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主演はスカーレット・ヨハンソン、アダム・ドライバーと名前だけで鑑賞欲をそそられるメンツ。そして監督・脚本は、両親の離婚劇を繊細な脚本へ昇華させた映画『イカとクジラ』で脚光を浴びたノア・バームバック。本作もまた監督自身の離婚経験を題材としており、セリフ一つ一つに託された人間味が濃いです。優柔不断な夫に代わって彼好みのサラダとドレッシングをオーダーする妻、妻以上に妻の母親から好かれている夫、など切っても切り離せない深い関係を築いたように見える夫婦。そんな夫婦と言えども、離婚の道を選ばざるを得なかったのはなぜなのか。映画を見終わると「この夫婦は離婚することが二人にとっての最善策」となぜか妙に腑に落ちてしまう不思議な作品です。

 

家族のカタチを求め、もうすぐパパとママになる二人が旅に出る

Illustration_skpn

title：『お家をさがそう』

【story】
生まれてくる子どものため、理想の環境を求めて北米各地のいろいろな家族を訪ねてまわる旅に出たバートとヴェローナ。知人や親戚を訪ねてアメリカの町から町へと旅を続けていくのだが、理想の環境探しは意外にも困難な道のりであった。

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籍を入れずにパートナーという形をとるバートとヴェローナ。周りが結婚、出産、持ち家購入と続々とライフイベントを経ていく中で、焦りを感じている二人が主人公です。夫婦二人なら自由気ままに暮らせていたものの、子どもという守るべき存在が現れると状況は一変。一般常識やルールにとらわれ出した二人は、途端に、他人と自分たちを何かにつけて比べ出します。夫婦としての選択、親としての選択を迫られた時に一体どんな決断を下すのか、家族がある人、これから家族を築いていく予定の人にぜひ見てもらいたい作品です。

 

「11月22日はいい夫婦の日。映画に学ぶ、夫婦の関係性について」をテーマに、「いい夫婦」ってなんだろう、と改めて考えさせられる映画をご紹介しました。今回の作品に共通していたことは、夫婦にはいい時も悪い時もあるということです。一時的な状況や他人の意見に惑わされず、夫婦同士でしっかりと向き合うことが必要なんだろう、と改めて学ばせてくれる3作品でした。

 

『お家をさがそう』

text :ユーコン(Do it Theater)

前職は外資系映画会社にて映画・海外ドラマなどのコーディネート業務。最近の趣味は映画をテーマにした料理。好きなジャンルはマンブルコア、SF、アメリカ80年代モノ。公開されたばかりの人類滅亡クリスマス映画『サイレント・ナイト』が早く観たい！（「ジョジョ・ラビット」のあの子も出ている！）

●Do it Theater（ドゥイット・シアター）
“あたらしいシーンは、Theaterからはじまる”をテーマに、シアター体験を作り出すプロデュース＆クリエティブチーム。FUDGE主宰の「Holiday Circus（ホリデーサーカス）」ではコンテンツクリエイションとして参加。また 累計5万人以上が来場した野外シアター「品川オープンシアター」や横浜赤レンガ倉庫・マリンアンドウォークヨコハマなど５会場同時開催の「SEASIDE CINEMA」、ミニシアター支援を目的とし全国5箇所でキャラバン開催したクラウドファンディングプロジェクト「ドライブインシアター2020」など、映画を観るだけではない、総合演出された新しいスタイルのシアター体験を全国に作り出しているチームです。
www.ditjapan.com

 

design_Koinuma Kenichi

edit_Takehara Shizuka

 

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