ONKUL
小樽に行くのは小学校6年生以来かも。
ちょうど良い季節に訪れた小樽は、運河、ガラス、寿司。いくつものイメージが頭に浮かぶけれど、
実際に歩いてみると、それらはあくまで「入口」であって、この街の本質はもっと静かなところにある気がするなぁ。

ヨーロッパにありそうな重たい扉と石造りの建物が映えます〜
坂道を少し上がっただけで観光の気配が薄れ、
港町らしい湿った空気と時間の流れがゆっくりになる感覚が残る。
小樽は、急いで見るより、立ち止まって感じる街だと大人になって思った。とか言って(笑)
旅の醍醐味は、何事も感じることです。そんな小樽で訪れたのが「UNGAぷらす」。

赤いレンガが印象的でこのお店の目印です!
運河からほど近い場所にありながら、観光客向けの土産物店とは少し距離のある佇まい。
外から見た印象は重厚感ある歴史的建造物という感じで写真も映えますが、うっかりすると通り過ぎてしまう?
でも、こういう場所ほど旅の経験上だいたい当たっています。
まぁ、今回は目的があって来たので見逃すことはないのだけど……
店内に入ると、北海道や小樽にゆかりのあるものが、余白を保ちながら並んでいました。

ぎゅうぎゅうに商品を詰め込むのではなく、ひとつひとつの背景がちゃんと見える距離感が良いですね。
ここでは空港で売っていないお菓子や食品も多数ありました。
そして購入したのが「瓦バウム」。
上方より北前船が寄港し、栄えた小樽。北前船とは江戸時代中期より明治まで
大阪と北海道の間を瀬戸内そして日本海回りで商品を売り買いしながら結んでいた商船。
上方からは米、塩、砂糖、酒、鉄、反物、綿などのあらゆる生活物資、
北海道からは昆布、鰊、鰊かす、鮭などたくさんの物資が往来していました。

卵、砂糖、バター、小麦。北海道のお菓子だから、地元の素材をふんだんに使用した濃厚な味わい。
今も小樽の街に見られる瓦屋根に使われた瓦もその一つ。商品としてだけでなく、
船の転覆を防ぎ、重心をとるために北前船の船底に積まれ運ばれてきた瓦は、
火事の多かった当時の小樽では特に倉庫や富裕な商店に競って使われたものだとか。
この瓦が積み上げられた姿をバウムクーヘンの層の重なりと
カリッとしたキャラメルの食感で「瓦焼バウム」に表現しています。

昔使っていたであろう食器棚に整然と並べられた器などがうっとりするほど素敵。
ここで扱っている商品を手に取ると、素材の感じや、作り手の意図が自然と伝わってきます。
商品それぞれに説明が付いていて作られた背景が「なるほど〜」と思うことが多々ありました。
お店では、「ここでしか買えないもの」を、あえて大きく主張しないところ。
限定感を前に出す代わりに、小樽という土地の文脈や、
日常とのつながりを丁寧に編集している感じがしたし、
旅先でありがちな“思い出用”ではなく、家に持ち帰ってからも、
ちゃんと使い続けられるものが多い気がしました。
実際、見ているうちに「これ、小樽で買ったんだよな〜」と思い出せそうなもの。です。

小樽百貨はその名の通り小樽のもので構成されています。
使うたびに、あの時の運河沿いを歩いた感触や、少し冷たい海風を思い出す。
旅の記憶って、写真よりも生活の中に入り込むものの方が印象に残りませんか?
もちろん、観光地としての小樽は分かりやすいですよね。ルタオもあるし(笑)
でも、UNGAぷらすは、その一歩奥にある“小樽らしさ”をそっと差し出してくれる場所なのかなと。

整然と並んでる器やアパレルと共にゆったりとした時間が流れています。
そして、ここは階段上がって2階でも様々な商品を展開。
その中でも気になったものが、運河と倉庫を行き来していた
“仲仕(港湾労働者)”が着ていた半纏などの着衣を、
今のトレンドに合わせて作ったアパレル『NAKASHI』です。
小樽港の全盛期、運河周辺では積み荷を捌く大勢の仲仕で溢れていたそうです。
仲仕とは、港湾労働者のこと。沖に泊まっている船と艀の間で、
積み荷を上げ下ろしする人を沖仲仕、
艀から倉庫にはしけ荷物を運ぶ人を陸仲仕、
倉庫内で荷物を積み上げる人を倉仲仕と呼んだそう。
港に着いた積み荷は、沖に止まった大型の船から艀に積み替えられ、
引き船にひかれて運河を通って、船入間に入り、艀から倉庫へ運ばれました。
艀と倉庫を行来していた仲仕たちの纏っていた作業着から着想し、
小樽発のオリジナルウエアを作っています。素敵なお話ですね。

ロケーションが絵になるなぁ…とても素敵だ!!
ここでは、買い物をするというより、編集された断片を持ち帰る、
という感覚に近いのかもしれないです。
もしも、小樽を訪れるなら、有名スポットを一通り巡ったあと、ぜひ行ってみてください。
2階にある窓からの眺めは何だか、とてもホッとしますよ。

そう、ここからの眺め。ホッとしました。
春が来たら、また行きたいと思ったのでした〜
UNGAPLUS(うんがぷらす)
所在地:北海道小樽市色内2丁目1番20号
営業時間:10:00~18:00(年末年始休業あり。事前にご確認ください)
専用駐車場はございませんので、お近くの駐車場をご利用ください。
ホームページ:https://unga-plus.com/
Instagram:https://www.instagram.com/unga_plus/
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Text:塚本太朗
RIDDLE DESIGN BANK/THE CONRAN SHOP退社後、リドルデザインバンクを立ち上げ、
駅ナカなどの商業施設や路面店などライフスタイル系を中心にショップディレクションしたりデザインしたり。
また、ドイツやオーストリアから買い付けてくる日用雑貨店「マルクト」も運営。instagram→こちら
同名の著書をはじめ、ウィーンの街歩き本「ウィーントラベルブック」(東京地図出版)
近著に「ウィーンこだわり旅ブック」(産業編集センター)など著書多数。
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