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受け取ったひとがついほっこりするような。太宰府のちいさくて、ハッピーなてのひら和菓子。
てのひらに、あいを。
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てのひら手土産の、ススメ
ようやく。久しぶりに。あの人に会いに行ってみようと思う。そんな時、手土産ってどうする?どうしたらいい?
そんな仰々しくもしたくないし、大きな紙袋を持ち歩くのも実はすこし面倒。だけど心はしっかり届けたい。
そんな時に筆者が強くオススメしたいのが、『てのひら手土産』だ。
風の時代のスタンダード
より等身大で、ありのままに。そんな”風の時代“に、いま私たちは生きている。モノに縛られない生き方や型にはまらない価値観。フレキシブルな自由さと心地よさ。
『てのひら手土産』は、そんな新たな時代のスタンダード。贈るひとも受け取るひとも、なんだか自然とハッピーに。サイズも価格もコンパクト。荷物もかさばらないので、持ち運びもさりげなくてスマートだ。
だけど“心”や“想い”はちゃんとそこにあって。届いて、つながる。
ちいさくても、侮るなかれ。これからの手土産は、もっとずっと、軽やかなのだ。
うそにまつわる、幸運ストーリー。
わたしのまちを、再発見。
筆者にとってのわたしのまち、福岡県太宰府市。
寺社仏閣が多くある歴史と自然豊かなちいさなまちだ。
この機会に気付かされたのは、住んでから10年経った今でも意外とわが町を知らないこと。いつもと違う視点でまちを歩いてみる。ひとつのテーマをもとに物事を掘り下げてみる。すると今まで知らなかった背景や事柄に出会うことができるはずだ。
今回は太宰府天満宮参道沿いの風情ある(そしてちょっとユニークな!?)和菓子店『梅園菓子処』(ばいえんかししょ)を、訪ねた。
平日の太宰府天満宮参道を歩く。まだ観光客は少ないが、逆にこの街本来の空気感が感じられる。それぞれのお店が試行錯誤しながらまちを盛り上げていた。
緑色の物体のなかには…!〈驚〉
その美しい伝統柄の箱を開けると、緑色の四角く柔らかい物体がまるで碁盤のように並んでいる。なぜ緑色なんだ?という素朴な疑問はさておき、その一角にあるちいさな謎の物体…とりあえずその包みを開けると、そこにちょこんと佇んでいたのは…鳥!えーーお菓子のなかに、トリ!?
じつはその鳥の正体は「うそ(鷽)鳥」という。ちょっと切長の目力バッチリ強い系。実際はスズメ科のちいさなかわいらしい鳥で、太宰府天満宮のご神鳥だ。「替えましょ、替えましょ」というかけ声のもと、江戸時代初期から続く鷽替え神事にちなんでいる。なんと今までの悪いことを今年の吉に変えてくれるという、なんとも都合よく?!ありがたーい鳥なんだとか(あやかりたーい)。
太宰府市で江戸時代初期から続く伝統工芸品『木うそ』。目力がユーモラスで、なんとも頼もしい幸運のお守りだ。
幸運を届ける御菓子『うその餅』
そんな人差し指ほどのちいさな鷽(うそ)鳥が、ひとつひとつ手描きされて封入されるラッキーなオマケつきの和菓子。それこそが、この『うその餅』なのだ。その奥ゆかしくも存在感ある立ち姿はまるで、ちいさな幸運の使者のよう。うん。これはたしかにラッキーを運んでくれそうだ。
戦後の人々の心を少しでも明るく。かつて先代のそんな想いからうまれた『うその餅』。
鮮やかな若草色の見た目はなんだか、潔い斬新さと作り手の心意気を感じる。実はその正体は落雁のそぼろ。中には青じそ風味の求肥餅。爽やかな風味と甘味が、個性がありながらも上品でクセになる美味しさだ。
てのひらサイズ(箱直径20cm)の『うその餅』980円。パッケージも含めて昭和23年創業当時から受け継いできた変わらないデザインだが、不思議とどこか新しい。
郷土玩具ブーム、というひとつの風
今巷では各地の郷土玩具が密かなブーム。実は梅園でも、季節によって期間限定のうそ鳥や張子作家さんによるちょっと特別なうそも登場している。それぞれ絵柄や佇まいが違って、なんとも心をくすぐる楽しさだが、これらはあくまで御菓子のオマケ。お店の主役は、やはり伝統ある和菓子たちなのである。
でもついつい色々集めてみたくなるような衝動に駆られるのは筆者だけではない…はず!?
母の日や父の日、地元にちなんだ炭治郎バージョンなんてのもある。約2cmのミニサイズながら、博多人形職人によって手描きされた本格派。お正月の期間には従来の木うそが封入される。
つなぐ。つながる。紡がれていく。
伝統と革新のちょうどいい関係
「お客さんの何気ない言葉をメモってるんですよ。」とは梅園の店主であり3代目を担う佐藤真理さん。創業当時からの伝統を守りながらも、新しくワクワクする企画を生み出し続けている。すべての事柄は、アイデアの種となるらしい。
自身で手土産を選ぶときも「その土地の歴史と風土を感じるものを選ぶ。」という真理さんだからこそ。伝統と新しさが絶妙な塩梅で混ざり合う和菓子が紡がれ、繋がれるのかもしれない。
銘菓『宝満山』には、昨年ラムレーズンとジンジャー味が新たに仲間入り(ハーフ各1040円)。コロナ禍により今までなかった空き時間が生まれたからこそできた商品開発。
ちいさな幸せを、あのひとへ。
てのひら手土産、応用篇
会えない距離にいるひとには、手紙を添えて送ってみよう。基本の気軽さ、手軽さは変わらずとも、心はちゃーんと伝わるはずだ。
美味しいもの、幸運なもの、時にはちょっと可笑しなものなんかも。
手のひらのうえのちいさなギフトに、心をのせて。ちいさな幸運が、あのひとにも届きますように。
早速友人に書いてみた。双方に心の負担なく気軽に、手軽には“風の時代”のテーマでもある。(でも心はしっかりとね)
てのひら和菓子に、あいを
最後にコンパクトで日持ちする『てのひら和菓子』も、ご紹介したい。
太宰府天満宮にちなんだ紅白の和三盆『飛梅』(干菓子)、小さなヒキガエルが宝満山頂まで自力で登る姿(その距離、人間換算にしてエベレスト五山分!?)がチカラをもらえそうな『令和の翠』(天満宮ご神苑の青梅餡入り!)、銘菓であり人気の宝満山をユーモラスな山型の干菓子にした『よろつよ』(←筆者の大好物)。
どれも縁起物なので、相手に心も幸運も、しっかり手軽に届くはずだ。
今度はあなたのまちでも。ちょっとワクワクな『てのひら手土産』、探してみませんか?
紅白飛梅(2個) 250円/山型よろつよ 100円/令和の翠180円。それぞれにちょっと幸福なストーリーがある。蛙の刻印は目標を目指してがんばるあの人にも。(※季節によっては梅紋になります)
[店舗情報]
太宰府天満宮参道沿いにある由緒ある和菓子店。『うその餅』と同色の看板が目印。こだわりの美しい和菓子たちは、地域の人たちはもちろん、全国にもファンがいる。
梅園菓子処 (ばいえんかししょ)
福岡県太宰府市宰府2丁目6-16
092-922-4058
text & photo:ミズタノリコ
日常100mmフォトグラファー。写真と文筆。日々の生活のなかに、非日常感を見出すべく活動をはじめる。テーマはIWASI。広大な海を仲間と回遊する1匹の小魚に、無限の自由と“私”を重ねる旅。デザインと古いモノ好き。3児の母。
Instagram: @iwasi_labo / @iecotodiy
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