kiitos.

 

 

「自分が自分らしさを取り戻せる場所」

街や川沿いでの散歩に慣れてきて、少し物足りなさを感じてきたら、思いきって自然の中に入ってみよう。登山はしっかりとしたシューズさえあれば、誰でもすぐにはじめられるアウトドアアクティビティ。自然の雄大さを肌で感じたり、普段使わない筋肉を動かすことができる山歩きは、心地よい疲れとともに、カラダの緊張がほぐれていくのを実感できるはず。山歩きを楽しんでいる3名の自然の中での過ごし方、機能とルックスを両立させるおすすめのアイテムをインタビュー。公共交通機関を使って気軽に訪れることができる山など、次の週末にお出かけしたくなる情報をチェック!

 

三人三様の山スタイル

山での過ごし方が違えば身につけるウエアもそれぞれ違うもの。3人のスナップとともにお気に入りアイテムをご紹介します。

①Mayuko Kudo

 

Mayuko Kudo

PROFILE_〈midorinotent〉デザイナー。狩猟から生まれたハンターベストを独自解釈でアレンジしたオリジナルベストを製作。山小屋で小屋番として働いていたことも。

Mayuko’s Favorite

Mayuko's Favorite

〈プリムス〉のバーナーと〈ユニフレーム〉の焼き網
アウトドアバーナーでお湯を沸かしてコーヒーを淹れるのも楽しみのひとつ。焼き網はバーナーの上に乗せて使う。荷物としては少しかさばるけれど、パンやおにぎりを少し炙ったりして食べると山ごはんが豊かに。

マイネーム入りのジンカップ
鹿児島の木工作家・アキヒロジンのもので、鹿児島に多く自生するタブノキの塊をくり抜いてつくられている。ゴツゴツした見た目と手触りが味わい深い。お手入れもカンタンでとても軽いのでアウトドアのお供に最適。

②Yuka Maeda

Yuka Maeda

PROFILE_〈NEUTRALWORKS.〉のプロモーション業務を担当。チアダンスで海外遠征を経験、現在は山だけではなく海でのアクティビティも楽しんでいる。

Yuka’s Favorite

Yuka's Favorite

〈NEUTRALWORKS.〉のアイテム
防水・撥水素材を採用したポーチは必要なものをまとめるのに活躍。ネックゲイターは汎用性が高くUVケア機能もある。山で人とすれ違う際もサッと顔まわりを覆える。(ともにニュートラルワークス.)

環境に優しい〈All good〉の日焼け止め
海でのアクティビティにも精力的で、環境に配慮された成分のみを使った日焼け止めを愛用。日焼け止め特有のニオイもなく、軽いつけ心地。紫外線吸収剤フリー、SPF30。(ニュートラルワークス.)

③Yukiko Kai

 

Yukiko Kai

PROFILE_〈and wander〉のプレス。幼い頃から自然に親しんでおり、いまも自然のある場所やモノ・ことから豊かさを心地よく取り入れている。

Yukiko’s Favorite

Yukiko's Favorite

レモンの香りのタオレット
〈ハーバンエッセンシャルズ〉のピュアなレモン精油配合のリフレッシュシート。オイルはフレッシュな果実そのままの香りで、殺菌・抗菌効果もある。個包装になっているので必要な個数だけ持ち歩けるのも山には便利。

〈and wander〉のレインパンツ
レインパンツはダークカラーのデザインが多い中、気分が上向きになるきれいめカラーが魅力。膝から下にファスナーがあり、シューズを着用したままパンツの脱ぎ穿きができる機能的なつくり。(アンドワンダー)

「私が山に行く理由。」

集合場所で挨拶後、「自然いっぱいの中に出るのが久しぶりでワクワクする!」と声を揃える3人。デザイナーのクドウさん、〈ニュートラルワークス〉PRの前田さん、〈アンドワンダー〉プレスの甲斐さん、登山スタイルは違えど”自然が好き”が共通点。頂上で休憩も兼ねて3人に山に行く理由を伺いました。

―みなさんが山に登るようになった きっかけはなんでしょう?

前田「もともとダイビングなどのアクティビティが好きで自然には触れていたのですが、山は職場の先輩に誘われて行ったのがはじまりです。山に入った瞬間、楽しすぎて思わず走ってしまったくらい。すべてのアクティビティに対してタイムや距離など数値的なこだわりはないのですが、身体を動かすことはライフワークになり、いまは朝に時間を取ってヨガやトレーニングもしています。身体を動かさない生活は考えられないですね」

工藤「ずっと自然の多い場所で過ごしてきたのですが、仕事がきっかけで上京してからしばらくすると自然が恋しくなり、登山に行きはじめました。山っていいなと再認識して、そのうち山登りの先でお世話になった山小屋でそのまま働いていたこともあります(笑)。いまはまた都内に住んでいますが、里山の雰囲気を感じられる近所の公園に積極的に出かけるようにしています」

甲斐「生まれが鹿児島で海も山も近かったので、昔から自然に触れることが好きでした。山が好きというよりは山とともにある場所、国内では日光や金沢、箱根など、自然に包まれている環境に惹かれます。昨年、函館の恵山町に行ったんですが、心がクリアになっていくのを感じる魅力的な場所でした」

―山に登ること、自然に触れることで自分自身に変化はありますか?

前田「海も山も自分をニュートラルな状態に戻すために欠かせない場所です。自分の気持ちに余裕をつくっておくと、普段の生活で嫌なことがあったり、物事が思うように進まないことが あってもおおらかな気持ちで構えていられるし、何が起こっても受け止められるんです。しあわせなことに職場には同じような考え方の人が多いので、ポジティブな空気に触れられていることも大きいですね」

工藤「やはり一番は幸福感ですね。自然の中に身を置くことで、目に見えるもの、肌に触れるもの、風などの聴こえてくる音、すべてが心地よくて、人間として当たり前の感覚を取り戻せるというか、細胞一つひとつが目覚める感覚がたまらなく好きです。身体の調子にも気づきやすくなります。そして、誰もがとってもいい顔になっているので、山で会う人の表情も大好きです」

甲斐「自然と調和すると自分自身がシンプルになっていく、戻っていくのを実感できます。余計なことを考えず、無理をしていない状態だと自然に呼吸が深くなって、日常では浅くなっていたことに気づきます。深呼吸をして自分の身体と向き合えて、心と身体のアンバランスさがなくなり、頭がクリアになります」

―行ってみたい山、挑戦してみたい アクティビティはありますか?

前田「行ってみたいと思っている山は、マッターホルン! ずっと憧れている山で、形が一番好きなんです。昨年行く予定でしたが、キャンセルになってしまったので、今後タイミングを見て挑戦したいと思っています」

工藤「子供の頃から憧れているスイスのアルプス山脈です。モンブランに登るというよりもロングトレイルを歩きたい。何度想像したか分からない夢の場所なので、実際に行けたら泣きながら歩くと思います(笑)」

甲斐「山小屋に行ってみたいと思っています。霧ヶ峰にある“ころぼっくるひゅって”や八ヶ岳にある高見石小屋がとも素敵だと聞いたので、近いうちに訪れたいと思っています」

頂上に着いて休憩ベンチに腰掛けた瞬間、一斉にサングラスを取り出してアイケア。クドウさん、甲斐さんが持ってきてくれた山おやつを食べながら、前田さん私物の日焼け止めにも興味津々で、ビューティトークにも花が咲いていました。

登山がココロとカラダに効く、6つの理由

登山をするとどんないいことがある? カラダへの影響を専門家がレクチャーしてくれました。

■Tips 1 五感が刺激されカラダを自然時間に戻せる

「私たちは日々時計にコントロールされているので、自然の中に出て太陽を浴びるだけで光のまぶしさ、風の心地よさ、耳に入ってくる自然の音などに触れているうちに身体が自然時間に戻っていくのを実感できます」

■Tips 2 全身を動かすことでボディバランスが整う

「自然の中を歩くと人間は無意識に身体全体でバランスを取ろうとします。整地された地面と違ってまっすぐ歩けなかったりつまづいたりすることも増えますが、それを繰り返していると平衡感覚や身体の使い方が回復してきます」

■Tips 3 全身運動なので、いい疲れにつながる

「普段は行動の多くを視覚に頼って生きているので決まった部位しか動かしていませんが、自然の中では全身を使うのでかなり疲れます。登山後の疲れで眠りが深くなることで倦怠感がなくなり、マイナス思考も回復。続けることで心肺機能のアップにも!」

■Tips 4 普段できないことも無理なくできる

「自然の中に入ったら靴を脱いで裸足になってみる、シートを敷いて地面に寝転がってみる、川があったら手足をつけてみるなど、まわりの目を気にせず、自分の心地いい方法で、肌で自然を感じることでリラックスできます」

■Tips 5 辛くなりそうだと感じたら無理をしない

「日本人は頭の中で”自分は体力がない”と思い込んでいる傾向がありますが、実はそんなことはなく、山登りは誰でも楽しめます。ですが無理は禁物。行き先は万が一のことを考えてすぐに助けを呼べるよう携帯の電波が入る場所を選びましょう」

■Tips 6 頂上を目指さず、自分の満足度を優先する

「自然の中で何を楽しみたいか考えてみましょう。とっておきのパンやスイーツを用意して、心地いい木漏れ日を見つけたらそこでのんびり過ごす。展望のよいところで本を読むなど、登山=登頂と決めつけず目的地は気分で決めましょう」

教えてくれた人 アウトドアプロデューサー 長谷部雅一さん

アウトドア系の企画、コーディネート、運営のほか、ネイチャーインタープリターとして自然体験の場づくりの仕掛け人も務める。教育現場のコンサルタント業務も行い、幼児の自然体験を通じて行うボディバランス、感性、社会性などの教育にも力を入れている。

photograph:Ikuko Takahashi,edit&text:Mihoko Odamaki,re-edit:Yuri Iwata[press labe]

(kiitos. vol.19より抜粋)

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