大人になっても、その響きだけで子どもの頃と同じように心が躍る。遠い場所へ出かけたり、会いたい人に会ったり、まだ叶えられないこともあるけれど、特別な夏休みにするアイデアは、あなたの心の中にきっと眠っているはず。

おうち時間を充実させたいという人は、子どもの頃を思い出して自由研究に挑戦してみては？ ここでは、大人も楽しめるふたつの手づくりアイテムをピックアップ。材料さえ揃えば短時間でできるので、気軽にお試しあれ！

自由研究①「お香」束の間、心を解き放つ。お香の世界に浸ろう

すっきりした香りでやる気を出したり、甘い香りで心を温めたりと、リラックス効果だけでなく、気分転換にも最適と言えるお香。〈trois incense〉の風間さんに、さらなる楽しみ方を伺いました。

「来客前に玄関でお香を焚いてお出迎えするのは、喜ばれるおもてなしとなるはずです。また、トイレでお香を焚くというのもおすすめ。消臭効果も高く、トイレを品のある香りで満たすのは風水的にもいいようです。このほか試して欲しいのが、食後に甘い香りのお香を焚いてデザート代わりにするという使い方。不思議とスイーツ欲が満たされるんです。お香は、香りだけでなく立ち上がる煙が描く曲線の美しさにも癒しの効果があると考えています。湿度によって煙の広がり方が変わるので、好きなくゆり方を見せる季節を探すのも楽しみ方のひとつです」

教えてくれたのは…

trois incense代表 風間重美さん
自然の豊かな山形県出羽三山のお膝元で誕生した〈trois incense（トワインセンス）〉。お香を中心に、香りや光に関わるものをネットショップにて展開する。中でも、天然の生薬、香料のみでつくられた自然のパワーを感じられる香りものが人気。

✔︎コーン型のお香の作り方

［準備するもの］（およそφ1.5cm×H3cm 6個分）

乳鉢に今回使用する香料、白檀（サンダルウッド）とかっ香（パチュリ）を入れ、乳棒でしっかり混ぜる。慣れてきたら、この時点での香りを頼りに調香してみるのも楽しい。

01にたぶ粉を加えて乳棒でさらによく混ぜる。たぶ粉とはお香のベースとなるもの。今回はたぶ粉より粘りのある支那粉があらかじめブレンドされたものを使用。

水を小さじ1ずつ加え、加える度によく練り混ぜて、耳たぶよりもやややわらかいくらいの硬さを目安に。ゆるくなりすぎたら、たぶ粉を少しずつ加えることで調節して。

程よい硬さになったら、手やヘラで寄せ集めて乳鉢から取り出し、手のひらで転がしてひとつのお団子状にまとめる。それをヘラなどを使って6等分にカットする。

ひとつずつ手のひらで転がし、丸めてから指先を使って、火のつきやすい先端の細いコーン型に。乾燥するとヒビが入りやすくなるので、時間をかけすぎないのがコツ。

お香をしっかり乾かす。季節によっては1日以上かかることも。乾燥が不十分だと火が途中で消えたり、カビの原因にもなるので、完全に乾いてからケースなどにしまうこと。

✔︎RECOMMEND ITEMS

INCENSE
trois montagnes

PALO SANTO INCENSE
聖なる香木 パロサント インセンス

 

自由研究②「エコラップ」エコラップではじめるエシカルな暮らし

繰り返し使えて人体や地球への安全も高い、ミツロウを主原料としたエコラップ。まずは、〈Fantaseal〉の北村さんに、使用法、注意点を確認。

「包めるものは野菜、果物、パンなど。器に被せて蓋としても使えます。包む際は手の温かさでミツロウがやわらかくなり、冷えると硬くなって形を保ち食品を保護します。お手入れは軽く水洗いして自然乾燥するだけ。汚れが気になるときは少量の洗剤とスポンジでやさしく洗ってください。注意点は、加熱消毒ができないので、生の肉や魚を直接包まないこと、また電子レンジでの使用、直射日光は避けること。毎日使用しても約半年〜1年使え、つくったときの要領でメンテナンスもできます。ラップ機能が薄れたら布巾に、処分する際は割いて火を灯して、最後は土へと還ります。エコラップをエシカルな生活への足掛かりにしていただけたら嬉しいです」

教えてくれたのは…

Fantaseal代表 北村ビクトリアさん
環境問題に関心の薄い人たちにも興味を持ってもらえるよう「デザインでも楽しめるものを」との思いからうまれた〈Fantaseal（ファンタジアル）〉。エコラップのよさを伝えるべく、ネット販売のほか、定期的にワークショップなども行う。

✔︎エコラップの作り方

［準備するもの］（20cm×20cm 1枚分）

松脂のみナイフで粉状になるまで細かく砕いておく。その後、ミツロウと松脂、ホホバオイルを混ぜる。松脂とホホバオイルを入れることで粘着力と柔軟性が高まる。

アイロン台に生地より大きめにカットしたクッキングシートを敷き、その上に生地を置く。生地は薄くても厚くても使いにくいので、普通地くらいのものをセレクトして。

コットン生地の上に 01をまんべんなくのせる。その上にさらに02と同じ大きさにカットしたクッキングシートをのせて、生地をクッキングシートでサンドする形に。

低温〜中温に設定したアイロンをクッキングシートの上から当てる。このときアイロンは必要以上に動かさずに、熱でミツロウがゆっくりと溶け出すのを待って。

粒が溶けて液状になったらアイロンを滑らせて生地全体に広げる。ミツロウが行き渡ったら、やけどに注意して素早く生地を剥がし、パタパタと揺らして粗熱を取る。

熱が冷めて完全に固まったらできあがり！ シートから剥がす工程は、何よりスピード感がカギ。もし失敗してしまっても、落ち着いて04の工程からやり直せばOK。

✔︎RECOMMEND ITEMS

BEESWAX WRAP
ミツロウラップ Sサイズ

HANDMADE SET
お得な★自宅でみつろうラップセット

photograph:Masahiro Tamura［FREAKS］　edit & text:Ami Daiko　re-edit:Yuri Iwata［press lab］
※kiitos. vol.20（2021年8月6発売）より抜粋。現在は販売が終了しているアイテムもあります。

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