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フェムテックとは
フェムテック(Fem Tech)とは、Female(女性)・Technology(テクノロジー)の略語で、現代のテクノロジーを駆使して、女性の健康にまつわる課題を解決するためのサービスやプロダクトのこと。近年、海外での市場が急速に拡大し、日本でも盛り上がりを見せてきている。
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膣の悩みは誰しもが経験すること。自分の膣と向き合って健やかに過ごすために、まずは膣の常在菌について知識を深めましょう。
膣ってどの部分?
膀胱と直腸の間にある筋肉性の管。かゆみは膣口や肛門、外陰部の炎症が主。 膣の管の先は子宮につながっており、不調が長引くと子宮にも影響してしまうことも。
1. 膣にいるのは乳酸菌
腸内ほど多様ではないものの、菌が常在する膣。健康な膣内(子宮内にも)には、ラクトバチルス属と呼ばれる乳酸菌が数種類存在。カンジダ菌などの常在菌の繁殖を防ぎ、膣内を酸性に保っています。生理や風邪などで免疫力が低下すると、乳酸菌の割合が減り、かゆみやにおいが気になるようになることも。
2. 酸性の状態に保つことが大切
膣内の乳酸菌により、普段は酸性(弱酸性)を保つ膣内。健康な膣内のpH値は3.5~4.5で、この値は、酸性かアルカリ性かを表すもので、数値が低いほど酸性に近くなります。健康な膣であっても、おりものが少し酸っぱいにおいがするのはこのため。
3. 善玉菌が悪玉菌をブロック
健康な膣内にも、悪玉菌は常在しています。善玉菌(乳酸菌)は、膣内の悪玉菌の繁殖をブロックする役割を担っており、これを膣の自浄作用と呼びます。膣内の善玉菌が減ると、常在菌のバランスが乱れ、途端に悪玉菌が優勢に。おりものの異常や膣炎などが発症しやすい状態となります。
4. 腸と膣の関係
腸と膣は体内でも物理的に近い位置にあり、腸内環境は膣の菌バランスに関与しているのではと考えられています。腸内環境改善のために乳酸菌のプロバイオティクスを取り入れたところ、膣の常在菌にとっての環境がよくなったという事例も。
※プロバイオティクス…健康に有益な可能性があると考えられている体内の細菌や微生物。サプリメントやヨーグルトなどの製品などからも取り入れられる。代表格は乳酸菌やビフィズス菌。
5. 生理中で免疫力が下がっているときは注意
生理中は膣が健康な状態の人でも、免疫力が低下するほどデリケートになります。不規則な生活になりがちな人も要注意。乳酸菌の割合が下がっているところに、常在菌のバランスが乱れる生理などの要因が重なると、さまざまなトラブルが発生しやすくなります。
6. 膣トレやダンス、バレエもいい影響
膣トレは膣を活性化させるトレーニング。血流がよくなり、膣内環境にもいい影響を与えます。膣口が締まれば、尿漏れなどによって外部から悪玉菌が侵入するのをシャットアウトすることが可能に。また、脚を上げるダンスやバレエも血流促進に効果あり。
簡単な膣トレを取り入れて!
①姿勢を正し、手をお腹とお尻にあてる。お尻の穴を意識し、10秒息を吐きながら、膣と肛門をキュッと締める。
②お尻の穴をゆるめながら、10秒ほど息を吸う。これを3回ほど繰り返す。ちょっとした隙間時間にも取り入れよう。
7. 母乳が赤ちゃんの膣フローラを正常に?
母乳に含まれている乳糖(乳酸菌)は、赤ちゃんの胃酸の代わりとなって消化器管をコーティングし、善玉菌で赤ちゃんの体内を満たします。また赤ちゃんが産道を通り、母親が持つ細菌を受け継いで産まれた後、その菌を育てるのも母乳の中のオリゴ糖と言われています。
膣の常在菌とは?
クリニックに来院する女性の中で、2021年は3000人が検査を行い、500人以上に膣炎(膣カンジダ)と診断したという海老根先生。「再発も含めるともっと多くなります。最近では膣カンジダという病名は浸透していて、事前にインターネットで症状を調べてくる方もいます」。
正しい状態を知らないと、自分の不調にも気づけません。健康な膣にいる常在菌とは一体どんなものなのでしょうか。
「ラクトバチルスという乳酸菌は、誰の膣内にもいる常在菌。その菌のおかげで膣は酸性に保たれているのです。酸性に保つことで、悪玉菌や雑菌が膣内に入らないようブロックする仕組みが膣には備わっています。雑菌の多くはアルカリ性で、酸性の中では生きられません。膣の不調を訴える患者さんの検査をしてみると、大腸菌やレンサ球菌、ガードネレラ菌などが検出されます。それは乳酸菌が少なくなることで酸性度が弱まり、玉菌が増殖してしまったということ」。
膣内の菌のバランスが乱れるのは、寝不足やストレスなどによるもの。「徹夜をすると、必ず膣カンジダになる患者さんもいます。膣炎は性交渉で感染するものと思っている人も多いですが、本来は調子が悪いときに風邪をひくのと同じくらい自然なこと。免疫力が下がっているときに起こります」。また生理中も女性ホルモンが乱れるので、必要な乳酸菌が膣内でつくれなくなるのだとか。
進行すると自力ではなかなか治りにくいのが膣の不調。「膣内の玉菌が優勢な状態なので、クリニックではそのバランスを薬でリセットします。ただ、その後、再び玉菌が優勢になってしまうタイプの人もいます」。
腸内環境は膣内の菌バランスに関与している可能性があり、膣内の菌のバランスをリセットするための薬が、腸内の菌に影響することもある不思議な関係。腸と膣、どちらも善玉菌の割合をキープしたいところです。
最近話題の膣トレも、膣の常在菌に影響するもの?「普通に生活しているだけでは鍛えにくい膣。意識的に膣を引き締めることで、雑菌の予防にもなりますね。ダンスやバレエなどの脚を上げるような運動も、血流促進につながり、いい効果を期待できるでしょう」。
母乳が赤ちゃんの膣フローラを 正常にしていたという事実も。「母乳には乳酸菌の成分と母親の白血球が入っています。母親の一番きれいで免疫力の高い成分で赤ちゃんの消化管内をコーティングします。その腸管が育ったところから、胃酸ができて食べ物を消化する機能ができ上がります」。
その際につくられた赤ちゃんの腸内・膣内フローラは、多少の変化は起こるものの生涯変わらないという研究結果もあるのだそう。膣の個人差は実は赤ちゃんのときに受け継いだ菌がベースになっているのです。
教えてくれたのは…
白金高輪海老根ウィメンズクリニック 海老根真由美先生
総合周産期母子医療センターの病棟医長を経て、女性がいつでも訪れられる場所を、と毎日診療するクリニックを開業。経験を生かし、デリケートゾーンのホームケアアイテム「EBINEジェル」¥4,850をプロデュースしている。
ADDRESS:東京都港区高輪1-2-17 高輪梶ビル7F
TEL:03-5789-2590(予約優先)
URL:https://ebine-womens-clinic.com/
Illustration:Yuka Tamura,edit&text:Mayumi Hamaguchi,re-edit:Yuri Iwata[press lab]
(kiitos. vol.24より抜粋)
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