映画『スタンド・バイ・ミー』でも少年たちが履いていた「バスケットシューズ」【お洒落さんのためのファッション用語辞典 vol.27】 | ファッション用語辞典 | ファッション | FUDGE.jp

FASHION

出典:ボーダー+デニムの定番スタイルは足元のカラーで遊んでみて【本日のFUDGE GIRL-3月18日】

連載『お洒落さんのためのファッション用語辞典』では、トラッドファッションから最新のファッションまで、FUDGEでおなじみのファッション用語についてわかりやすく解説します。第27回目は「バスケットシューズ」、通称「バッシュ」について。どこで生まれ、どのようにして世界じゅうに広まっていったか、その歴史をひも解きます。この連載を読んでファッション用語の背景や起源を知れば、毎日のお洒落がより楽しくなること間違いなし!

 

【用語解説】まずは「バスケットシューズ」を知ろう

出典:コンバースのブラックを素足で履いて春らしく

「バスケットシューズ」とは、本来、バスケットボールをする時に履くためのスポーツシューズのことをさしています。キャンバス、レザー、合成皮革製などがあり、ソールに衝撃をやわらげる工夫がされていることがほとんどです。たいていは足首までのブーツ形(ハイカット)ですが、短靴型(ローカット)も存在し、激しく動いても緩まないようレースアップタイプになっているという特徴があります。

 

【歴史】誕生当時のスタイルは今私たちが履いているモデルと変わらない

出典:【厳選・白スニーカー2021まとめ】オールシーズン大活躍!おしゃれにコーデが決まる、レディーススニーカー15選

「バスケットシューズ」の生みの親は、「キャンバスオールスター」でFUDGE GIRLにもおなじみの《コンバース》です。今ではスニーカーのメーカーとして有名な《コンバース》ですが、当初は冬に雨や雪の中で作業するときに履くラバーシューズ靴を作るメーカーだったのです。その特性上、ラバーシューズの売り上げがどうしても冬に偏りがちなことから、《コンバース》の創業者である、マーキス・M・コンバースは通年で販売出来る商品を模索したのだと言います。

そんななか、彼が着目したのが、当時、冬場にも室内でできるスポーツとしてアメリカで考案されたスポーツ、バスケットボールでした。「バスケットボール用のシューズがあれば、通年で売れる」。そう考えたマーキスは、試行錯誤の末に、1917年、バスケットボール専用のシューズを生み出します。それが「キャンバス オールスター」です。足首を保護するハイカットのデザインが当時は斬新で、たちまちプロ使用が可能な本格的な「バスケットシューズ」へと成長を遂げました。シューズのデザインと普及に貢献したのが、1921年に当時コンバース社に入社したバスケットボール選手のチャールズ・チャック・テーラーです。1946年以降、アンクルパッチに彼の名前が入れられ、「バスケットシューズ」が現在のデザインとほぼ同じデザインになったのは1962年のことです。

その後、1957年には「キャンバス オールスター」のOX(オックスフォード)タイプ、ローカットの「バスケットシューズ」が誕生しました。開発の過程では多くのバスケットプレイヤーたちからアドバイスを受けたり、アクロバティックなプレイで有名だったバスケットボールチーム「ハーレム・グローブ・トロッターズ」にテストフィッティングをしてもらったりし、機能性に長けていたことから、1960年代に入ると、「バスケットシューズ」の市場において8割以上のシェアを誇っていたという記録もあるほどです。これを機に《コンバース》の名は世界に知られることとなり、またバスケットボールをプレイしない人たちからの‟ファッションアイテム”としても需要も高まっていきました。

 

【雑学】映画『スタンド・バイ・ミー』に見る、「バスケットシューズ」のアメカジな履き方

1986年に公開された『スタンド・バイ・ミー』はスティーブン・キング原作の小説が元になった、4人の少年のひと夏の冒険を描いたアメリカ映画です。主役の少年たちが線路に沿って歩く名シーンが記憶にある人もいると思いますが、そんな少年たちのファッションもいまだ語り継がれることの多い作品です。

ダメージデニムやチノパン、白Tやドッグタグ、鹿の子のポロシャツやラグランスリーブのTシャツなど、古き良き時代の‟アメカジ”が中心なんですが、今回注目したいのは、その足元。特に話の核になる少年たちが履いているのが、《コンバース》の「バスケットシューズ」なんです。日常的に履きこまれ、旅の間履き続け、いい具合にヘタレた2足の「バスケットシューズ」。ヴィンテージライクに履きこなしたいときの参考になると思いますので、ぜひ見てみてくださいね。

 

 

監修:朝日 真(あさひ しん)

文化服装学院専任教授、専門は西洋服飾史、ファッション文化論。早稲田大学文学部卒業後、文化服装学院服飾研究科にて学ぶ。『もっとも影響力を持つ50人ファッションデザイナー』共同監修。NHK『テレビでフランス語』テキスト「あなたの知らないファッション史」連載。文化出版局『SOEN』他ファッション誌へ寄稿多数。NHK「美の壺」他テレビ出演。

 

illustration_Sakai Maori
edit & text_Koba.A

 

 

FUDGE CHOICE

  • サムネイル
    PR
    この春欲しい《ムーンスター...
  • サムネイル
    PR
    《ヒュンメル》のスニーカー...
  • サムネイル
    PR
    《CONVERSE(コンバース)》...
  • サムネイル
    PR
    春夏のヘアカラーはニュアン...
  • サムネイル
    PR
    【FUDGEランニング部 support...
MORE MORE
サムネイル
PR
この春欲しい《ムーンスター》の新作シューズ4選。こだわりの詰まった自由が丘の2店舗でチェック
サムネイル
PR
《ヒュンメル》のスニーカーと出かけよう!ヒュッゲな休日スタイル3選
サムネイル
PR
《CONVERSE(コンバース)》のハンズフリーで履けるシューズが主役!マネしたい春の大人カジュアル3選
サムネイル
PR
春夏のヘアカラーはニュアンスが鍵 洒落感ピンクvsこなれベージュ

PRESENT & EVENT

サムネイル

編集部から配信されるメールマガジンやプレミアム会員限定プレゼント、スペシャルイベントへの応募など特典が満載です。
無料でご登録いただけます。