CULTURE & LIFE

話題作への出演が相次ぐ俳優、見上愛さん。NHKの連続テレビ小説『風、薫る』の主役が決定してますます注目を集めるなか、劇場アニメ『ALL YOU NEED IS KILL』に初めてヴォイス・キャストとして参加した。ハリウッドで実写映画化されたこともある、桜坂洋のSF小説『All You Need Is Kill』(集英社刊)をアニメ化した本作で、見上さんが演じるのは主人公のリタだ。

ある日、地球に飛来した謎の生命体。リタはその生命体に何度も殺されては、死んだ日の朝に戻るというタイムループに閉じ込められてしまう。そんななか、彼女は同じような境遇のケイジと出会い、2人でタイムループから抜け出そうと決死の挑戦を繰り返す。ハリウッド版とは違った設定。そして、STUDIO4℃らしい斬新な映像も見所の本作。子供の頃からアニメが好きだったという見上さんに、初めての声優体験について話を聞いた。

 

ーーアニメ化された『ALL YOU NEED IS KILL』は、ハリウッド写版とは違った設定になっていて、新しい作品として楽しむことができました。見上さんは脚本を読まれた時にどんな感想を持たれましたか?

見上:主人公が男性から女性に変わっていることに驚きました。その意図を監督に伺ったら、〈女性が男性に守ってもらう話にしたくなかった〉とおっしゃられて素敵だなと思ったんです。そして、原作とはまた違った方向で生きる希望が見出せる作品だと思いました。

©桜坂洋/集英社・ALL YOU NEED IS KILL製作委員会

 

ーーそれぞれ辛い過去を抱えたリタとケイジが、助け合いながら自分たちが置かれた運命に立ち向かう、という物語になっていましたね。

見上:2人とも生きづらさを抱えた人だなと思いました。でも、そういう人たちが出会いを通じてこれだけ変われるなら、人生は捨てたもんじゃないなという気がしますね。

 

 

ーーリタは死という運命から逃れようと、毎回いろんなことに挑戦しながらも失敗してしまう。それでも諦めないリタをどう思われました?

見上:死ぬ瞬間は怖いし痛みを伴うと思うので、何度も挑戦できるとしても死にたくないと思います。でも、ループから抜け出すためには、自分の運命と向き合ってそれを突破するしかなくて、ほかにどうしようもないから挑戦し続けているんじゃないでしょうか。戦わなくてすむなら戦いたくないですが、どこに逃げても、自分がどういうふうな状態にいても殺されてしまうことがわかっているから、挑戦するしかないんですよね。

 

ーーリタを演じるうえで何か事前に準備したことはありますか?

見上:声優のお仕事をさせてもらうのは初めてだったので、何をどう準備していいのかまったくわからなかったです。それで監督に話を伺ったら、今回はキャラクターの絵がすでに出来上がっているので、リップ(口の動き)に合わせてセリフをいう練習をしてください、と言われて、私がセリフを喋る時間の秒数を書き込んだ脚本を頂いたので、それを見ながら練習しました。

 

 

ーーいろいろ制限があって大変ですね。実写とアニメでは役作りの仕方も違うのでしょうか。

見上:アニメの場合、声を入れる時にキャラクターの表情とか間がすでに出来上がっているので、自分でコントロールできる部分がすごく少ないんです。もちろん、監督はキャラクターの感情を説明してくれるんですけど、映像を見れば伝わってくることが多いので、そこから監督の意図を読み取って、映像に演技を合わせて行くという感じでした。

 

ーー実際に身体を動かさないでアクションの演技をしたり、感情を爆発させたりするのは難しいのでは?

見上:難しかったです。(ケイジ役の)花江(夏樹)さんを見ていると、泣いているシーンも息を切らせているシーンも、声だけで感情表現されていて、プロの技術はすごい!と思いました。アニメは好きでたくさん見る方なのですが、見るのと実際にやるのとでは大違いでしたね。

 

©桜坂洋/集英社・ALL YOU NEED IS KILL製作委員会

 

ーーアニメは子供の頃からお好きなんですか?

見上:はい。いちばん最初にハマったアニメはハルヒ(『涼宮ハルヒの憂鬱』)だったと思います。小3でハルヒの小説を読んでアニメにハマりました。『けいおん!』とか『輪るピングドラム』にも影響を受けましたね。自分のターニングポイントには、いつもアニメが関わっているような気がします。例えば中学の頃は『けいおん!』が好きでよく観ていたんですけど、ある日、私のクラスに知らない子がやってきて、「『けいおん!』が好きでギターを持っている子がいるって聞いたんだけど」と言われ、「多分、私だと思います」って手をあげたら「バンド組もう!」って誘われてバンドを組みました。あと、大学で仲良くなった友達と話をしていたら、お互いに『輪るピングドラム』からすごく影響を受けていることがわかったり。アニメでどんどん人と繋がっていくようなところがあるんですよね。

 

ーー見上さんにとってアニメの魅力とはどんなところでしょう。

見上:いっぱいあります。例えば、実写だと身体とか環境の制限があるじゃないですか。でも、アニメだと想像したものをそのまま動かせるので、観ている方もすごく想像力が膨らむと思います。

 

 

ーー『ALL YOU NEED IS KILL』もアニメだからこそできる表現を追求していましたね。キャラクターデザインや美術も個性的だし、アクション・シーンもダイナミックな動きに満ちていて。

見上:すごく迫力のある作品になっていました。アフレコの段階でキャラクターのアニメーションはできていたのですが、背景や生物のアニメーションは制作途中だったんです。独特の色使いだったり、絵のタッチだったりがすごく4℃さんぽかったり。最近、流行っている日本のアニメーションの方向性とはちょっと違う、独自のテイストがある作品だと思いました。

 

 

ーー今回、大好きなアニメに初挑戦されたわけですが、またアニメの仕事をやって観たいと思われました?

見上:安易に〈やりたいです!〉とは言えませんが、今回関わらせてもらえたことで、これまで以上にアニメに対してリスペクトが高まりました。(声の演技が)簡単なことじゃない、とわかったからこそ、またいつか挑戦できたらいいなと思っています。

 

 

model_Mikami Ai
photograph_Kobayashi Mariko
styling_Shimoyama Satsuki
hair&make-up_Toyota Kenji
interview & text_Murao Yasuo
edit_Takehara Shizuka

 

映画『ALL YOU NEED IS KILL』

2026 年 1 月 9 日(金)から、新宿バルト9 ほか全国 11 劇場にて上映開始!

©桜坂洋/集英社・ALL YOU NEED IS KILL製作委員会

 

原作:桜坂洋『All You Need Is Kill』(集英社刊)
監督:秋本賢一郎

キャスト:見上愛、花江夏樹、花澤香菜、ヒコロヒー、もう中学生

主題歌: AKASAKI 『連れてって』

制作:STUDIO4℃
配給:クロックワークス
プロデュース:ワーナー ブラザース ジャパン

©桜坂洋/集英社・ALL YOU NEED IS KILL製作委員会
https://aynk-anime.com/

 

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