CULTURE & LIFE

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ヒット作となったドラマ「梨泰院クラス」や韓国内外の映画祭・新人賞を席巻した『The Witch/魔女』のイメージが記憶に残っている人も多いかもしれないキム・ダミ。作品により様々な表情を見せる彼女が最新作『ソウルメイト』で演じた役柄は、繊細な心を隠しながら、自由奔放に生きる女性・ミソ。

少女から大人になるにつれて変化する、親友との友情を描いた『ソウルメイト』。誰しもが経験したことがあるかもしれない繊細な心情を豊かに演じた、キム・ダミにメールインタビューを依頼。ミソの”ソウルメイト”ハウン役にチョン・ソニ、後に二人と仲良くなるジヌ役を演じたピョン・ウソクの印象についてもきいてみた。

 

© 2023 CLIMAX STUDIO, INC & STUDIO&NEW. ALL RIGHTS RESERVED.

 

ーーミソは表情豊かで大胆不敵な一方、どこか影のある繊細な感情も見え隠れする複雑なキャラクターでした。演じる上で意識したことや苦労したこと、役に共感できたポイントはありますか?

ミソは自由奔放ながらも、心の奥底では誰よりも安定した生活を望んでいる人物だと思いました。幼い頃は、自分の痛みや苦しみを自由奔放に振る舞うことで紛らわしていましたが、色々な経験と共に大人になるにつれ、自身の本質的な望みに気づきます。そんなミソを演じるうえで一番気をつけたのは、ミソの感情や痛みをどれだけ表現するかということでした。演じるときにミソの感情を表に出すべきか、それとも内に秘めるべきか、いろいろと悩みました。苦労したところは特にありません。感情を表現するシーンが多いながらも、撮影の時は、とても楽しくて、いい思い出がたくさんあります。

 

ーー高校生から30代のシングルマザーまで、演じ分けは意識しましたか?

やはり感情表現の仕方や話し方は意識して変えました。幼い頃は純粋さや感情をそのままストレートに表現して、大人の姿では若干隠すように演じました。話し方も、学生時代を演じる時は、学生らしい言葉や口調で演じるなど工夫しました。そして何よりも重要なのがヘアスタイルや服装でした。学生時代のミソは、オーバーサイズでラフな服装でしたが、大人になってからは自分に似合う服を着ています。様々な時代が描かれているので、色々な衣装やヘアスタイルを何度も試して撮影に臨みました。

 

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ーー年代ごとに様々な洋服を着こなすミソも印象的でした。その中でお気に入りのコーディネートはありますか?

私は子ども時代のミソの服が好きですね。大きなTシャツを着ると本当にミソになったような気がして自由に行動できるんです。役作りにおいて、衣装やメイクの力って本当に大きいと思います。

 

ーー“ソウルメイト”な関係性や空気を表現するために、ハウン役のチョン・ソニさんとはどのようなコミュニケーションを取りましたか?役作りのためにお二人で話したことや実践したことなどがあれば教えてください。

撮影期間に入る前から、いろいろな話をしました。作品の話題というよりも、お互いの話をよくしましたね。ミソとハウンのように仲よくなればそれが演技に生きると思ったんです。たくさん会って、美味しいものもよく食べていました。ちなみに現場では「ソ二さん」よりも、「ハウン」と呼ぶことが多かったです。

 

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ーー学生時代のパートは特に3人での共演シーンも多かったと思います。チョン・ソニさん&ビョン・ウソクさんとの撮影中、特に印象的だった出来事やエピソードはありますか?

ウソクさんとは、撮影が被ることが少なかったのですが、それでも共演シーンを撮影する時は同年代3人ということもあって、とても楽しかったのをよく覚えています。
一番印象に残っているのは、海辺で遊ぶシーンで、撮影だということを忘れるくらい楽しく遊びました。本当に高校時代に戻ったような感じがしました。

 

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ーー”オンマ”と名付けられた、かわいい猫はミソとハウンを結ぶ特別な友達だったように感じます。二人にとって、どんな存在だったと思いますか?

ミソとハウンが友達になった瞬間オンマ(猫)に出会い、ハウンが旅発つのと同時にオンマも去っていきました。オンマは、ミソとハウンと生涯を共にしたもう一人のソウルメイトだったのではないでしょうか。

 

ーー”オンマ”(猫)との撮影中のエピソードがあれば教えてください。

私たちの撮影チームは、オンマのために「できるだけ休める環境を作ってあげる」というルールを作ったんです。オンマは可愛かったのですが、私も撮影の時以外は極力遠くから眺めるだけにしていました。

 

ーーミソとハウンがお守りのように二人で片方ずつピアスをつけていました。ご自身でもお守りのような大切にしているアクセサリーはありますか?

私は普段あまりアクセサリーをつけないです。ラクなスタイルが好きですし、常に何かが体に触れてる感じがどうも馴染めないですね。

 

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ーーミソが抽象画を感情が赴くままに描いているシーンが印象的でした。ミソにとって、絵を描くということはどのような意味をもつものだったと思いますか?

ミソの世界と自分の気持ちを自由に表現できる空間がキャンバスなのではないでしょうか。絵を描いている時のミソは、普段よりずっと伸び伸びしているように感じました。

 

ーー実際に絵画教室に通い、鉛筆の持ち方や道具の使い方を学んだそうですが、その延長で今でも絵を描くことはありますか?

誰かに手紙を書く時だけ、ごくたまに絵を添えたりしますね。ただ上手ではないので、時間があれば習ってみたいと思っています。

 

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ーーすれ違いの中で変化していくミソとハウンの関係性がとてもリアルで多くの人の心に刺さるのではないかと感じましたが、表現する上でキム・ダミさん自身の実体験が生かされていたりもするのでしょうか?

ミソのような経験はありませんが、幼い頃と大人になってからの友情は少し違うと思うんです。幼い頃は友達が一番でも、大人になるにつれ、仕事や様々な経験を経てそれぞれ生活環境が変わりますよね。みんな自然とそれを受け止めながら、過ごしていくと思います。私もそんな感情を抱いたことがあったので、その点ではミソに共感できましたね。

 

 

ーー ハウン役のチョン・ソニさん、ジヌ役のビョン・ウソクさんと共演されてみて、キム・ダミさんが感じたお二人の魅力、双方から刺激や影響を受けたことがあれば教えてください。

ソニさんは繊細で情熱的な人です。演技に常に真摯に向き合い、日々、模索しています。そのような姿勢に刺激を受けましたし、共演できることを幸せに思いました。また、一緒に仕事をしていると、言葉にしなくても気持ちを分かってくれることが多く、そのたびに相手役と呼吸が合うというのはこういうことだと改めて感じました。

ウソクさんもまた純粋で、情熱的な人です。一緒に撮影した時間は少なかったのですが、毎回、撮影の度に、そのシーンについてとても真剣に考えて挑んでいました。その真摯な姿にとても感動しました。みんなでジヌという人物は難しいキャラクターだとよく話していたのですが、ウソクさんがジヌをとてもうまく演じてくれたと思います。

 

ーー出演される前にリメイク元の映画『ソウルメイト/七月と安生』をご覧になったそうですが、原作との違いや本作ならではの魅力はどういったところだと思いますか?

原作から生かせるものは生かしつつ、自分たちのやり方で変えていった部分もあります。ハウンとミソの感情を、もっと韓国で共感を得られるものに変えようと努力し、お互いの友情にもう少し焦点を当てました。背景の違いも大きいと思います。済州(チェジュ)島を風景に撮影したので、また違った雰囲気があると思います。

 

ーー原作と比較したり見比べてそれぞれの魅力を楽しむ映画ファンも多いと思います。原作ファンには本作のどのようなところを期待して観て欲しいですか?

先ほどもお伝えしたように、済州島ならではの雰囲気がすごく気に入っています。その風景を見るだけでも、違った魅力を感じられると思います。また作品を通して、観客の皆さんが自身の幼い頃や、美しく甘酸っぱい青春時代を懐かしんでいただけたらいいなと思います。

 

ーーキム・ダミさんは少し変わった、または特殊な役柄が多いように思いますが、挑戦したい役柄はありますか?

私はシナリオの面白さや、魅力的なキャラクターに惹かれることが多いですが、特にジャンルや役柄を決めてるわけではなく、その時の状況によって演じてみたいキャラクターが変わるように思います。

 

ーー来日したことはありますか?もしあれば、気に入った場所、食べ物はありますか?
来日したことがなければ、来日した際に行きたい場所や食べ物を教えてください。

昔、とても幼い頃に日本へ行ったことがあります。あまりに幼かったので、場所はよく覚えていませんが、両親と熱い温泉に入ってゆで卵を食べた記憶があります。私の知っている限り、京都がとても静かで落ち着いた雰囲気の場所に感じました。京都に行って、うな重を一度食べてみたいです!

 

edit_Takehara Shizuka

 

映画『ソウルメイト』

監督:ミン・ヨングン
出演者:キム・ダミ、チョン・ソニ、ピョン・ウソク
公開:2024年2月23日(金・祝)より全国公開
配給:クロックワークス

公式HP:https://klockworx-asia.com/soulmatejp/

 

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