CULTURE & LIFE
今最も注目を集める演劇団体の一つ、「マームとジプシー」。彼らの新作舞台「CITY」が、柳楽優弥さん主演、アンリアレイジの衣装によって、彩の国さいたま芸術劇場 大ホールにて5月26日(日)まで開催中です!
マームとジプシーは、全作品の脚本と演出を務める藤田貴大さんが、2007年に旗揚げした演劇団体。作品を象徴するシーンを幾度も繰り返す“リフレイン”の手法で注目を集め、「かえりの合図、まってた食卓、そこ、きっと、しおふる世界。」で、第56回岸田國士戯曲賞を若干26歳で受賞しています。そして、2017年からの2年間で23作品を発表。2018年11月には初のパリ公演を成功させるなど、驚異的な質と量で現代演劇を更新し続けています。
“新たなフェーズ”と位置付ける新作「CITY」は、これまでとは一転、現代の都市を舞台に描いています。モチーフは「ヒーロー」。正義とは何か?悪とは何か?……多様な価値観が共存する現代社会での善と悪の相克を描く、渾身の作品です。
主演は、藤田作品に初めての出演となった俳優の柳楽優弥さん。柳楽さんが演じるのは、正義のためには暴力的な制裁も厭わない主人公。善悪の狭間に生きる闇のヒーローを演じます。ヒーローと対峙するヴィラン(敵)を演じるのは、井之脇海さん。好青年然としたイメージを覆す、街を背後で支配する悪人という新境地に挑みます。主人公を支える協力者を演じるのは、宮沢氷魚さん。『BOAT』(2018)で初舞台を踏んで以来、早くも3度目の舞台出演となる宮沢さんは、物語の鍵を握る存在を担います。
そして、「マームとジプシー」は、ジャンルの垣根を越えて、様々な作家との共作にも挑んできました。今作の”オールホワイトから一変、暗闇で光り輝く”衣装を担当するのは、《ANREALAGE(アンリアレイジ)》。2015年春夏シーズンからパリコレクションに参加し、いまや世界に誇る東京発のブランドで、テクノロジーや新技術を積極的に取り入れ、新たなクリエイションを確立してきました。
衣装のコンセプトは、「A LIGHT UN LIGHT-影の光と光の影」。これまで、アンリアレイジが追求してきた光と影に関する洋服の技術をアップデートして、人物と都市における光と闇の呼応関係を衣装で表現しています。通常、世界が明るい時は白にしか見えない衣装は、世界が暗く翳りゆくことで、徐々に光を纏いはじめます。まわりの世界の暗さと反比例をして、はじめて緑や青や赤といった光が目に見えてくるのです。目に見える/見えない、光/影、日常/非日常、といった対極の現象が共存する衣装を通じて、舞台「CITY」における善/悪の相克を表します。
話題の舞台「CITY」は、ストーリーや演出はもちろんのこと、その世界観をデザインに落とし込んだ衣装にも要注目!埼玉での公演は今週末まで、その後、兵庫と愛知に巡回しますが、気になる方は早めにスケジュールのご確認を。
マームとジプシー「CITY」
【埼玉公演】
期間:2019年5月18日(土)~5月26日(日)
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
住所:埼玉県さいたま市中央区上峰3-15-1
WEB:https://saf.or.jp/arthall/stages/detail/6361
【兵庫公演】
期日:2019年2019年5月29日(水)
会場:兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール
住所:兵庫県西宮市高松町2-22
WEB:http://www1.gcenter-hyogo.jp/?_fsi=tKixTBuc&_fsi=VIMiyfao
【豊橋公演】
期間:2019年6月1日(土)・2日(日)
会場:穂の国とよはし芸術劇場PLAT 主ホール
住所:愛知県豊橋市西小田原町123
WEB:https://www.toyohashi-at.jp/?_fsi=vBsBDgyq
※公演時間、チケットなどの詳細は公式WEBをご覧ください。
作・演出:藤田貴大
スタッフ:衣装 森永邦彦(アンリアレイジ) / ヘアメイク 池田慎二 / 照明 南香織 / 音響 星野大輔 / 映像 召田実子 / 擬闘 栗原直樹 / 舞台監督 大畑豪次郎 / 宣伝美術 久井直子 / 宣伝写真 井上佐由紀
出演:柳楽優弥 井之脇海 宮沢氷魚 青柳いづみ
菊池明明 佐々木美奈 石井亮介 尾野島慎太朗 辻本達也 中島広隆 波佐谷 聡 船津健太 山本直寛
内田健司(さいたまネクスト・シアター) 續木淳平(さいたまネクスト・シアター)
主催:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団
企画制作:公益財団法人埼玉県芸術文化振興財団/合同会社マームとジプシー
あらすじ:
現代の都市。事故で死んだ妹(青柳いづみ)の死を不審に思った兄(柳楽優弥)は、孤児としてともに育った青年(宮沢氷魚)の助力を得ながら、妹の死の真相を追っていた。猟奇的な連続殺人犯(内田健司)など、都市の暗部に否応なく触れることになった兄は、いつしか町を守る存在として悪と対峙するようになって行く。やがて妹の死から端を発した出来事が都市を脅かす一大事件へと発展する頃、兄は事件の背後にいるひとりの男(井之脇海)に辿り着く――。
《ANREALAGE(アンリアレイジ)》
デザイナー森永邦彦。1980年、東京都国立市生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。大学在学中にバンタンデザイン研究所に通い服づくりをはじめる。2003年《アンリアレイジ》として活動を開始。ANREALAGEとは、A REAL-日常、UN REAL-非日常、AGE-時代、を意味する。日常の中にあって非現実的な日常のふとした捩れに眼を向け、見逃してしまいそうな些事からデザインの起点を抄いとる。「神は細部に宿る」という信念のもと作られた色鮮やかで細かいパッチワークや、人間の身体にとらわれない独創的なかたちの洋服、テクノロジーや新技術を積極的に用いた洋服が特徴。2005年、東京タワー大展望台にて06S/SコレクションをKeisuke Kandaと共に開催、以降東京コレクションに参加。2014年秋、15S/Sよりパリコレクションデビュー。2018年、パリ以降の作品の展覧会「A LIGHT UN LIGHT」を国内で開催し、LA及びサンパウロのJAPAN HOUSEにて巡回展を開催、また、仏ポンピドゥー・センター・メッスや仏ロスチャイルド館での展覧会、森美術館での展覧会へも参加している。2019年「LVMHヤング ファッションデザイナープライズ」ファイナリストに選出。
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