CULTURE & LIFE
こんにちは、MARIEです。
このコラムでは、色んな文化や価値観に触れたいという思いで夫婦で世界一周をしている私が、旅を通して感じたことや実際に足を運んだ素敵なスポットをご紹介。一緒に旅をしている気分になって楽しめたり、みなさんの生活がより豊かになるような情報をお届けしていきます。
世界一周をスタートして一カ国目のタイに来たのが今年の2月。
2カ国目のオーストラリアに入国出来ないことが3月末に分かり、ビザも自動延長されたのでそのままタイに9月末まで滞在しました。
そのうちの6ヶ月をサムイ島で過ごして、この経験が私の人生を大きく変えることになりました。一番大きかったのは、野良犬と2ヶ月間一緒に生活したこと。
サムイ島に着いた初日に予約していたヴィラに行くと、野良犬がドアの前に座ってこちらを見ていました。
とても懐っこくて可愛くて、その日から私達は一緒に生活することに。といっても借りているお家なので家の中には入れずにドアの前やベランダにいたのですが、窓からいつでも姿が見えるし私達もベランダで過ごすことが多かったので、ほとんどずっと一緒にいる感覚でした。
隣に住んでいる大家さんが呼んでいたジンジンという名前で私達も呼び、家族のように過ごすように。
世界一周も中止になり、ロックダウンでスーパーくらいしか出かけられない私たち夫婦にとって、ジンジンが一緒に暮らしてくれたことは思いがけないプレゼントでした。
ジンジンは老犬だったので一日中ほとんど寝ていましたが、スーパーに行くと着いてきちゃうし、出かけて帰ってくるとしっぽが取れてしまいそうなくらいブンブンと振っておかえりと言ってくれる、とても愛しい子でした。
「ジンジンを置いて日本に帰るのは寂しいし辛いね」なんて言っていた矢先に、老衰と病気で急にお別れが訪れました。大家さんが言うには、「腸に寄生虫がいるので薬をあげていたけれど、16歳位だったのでもう限界だったのだろう」ということだそう。
過ごした時間はたった2ヶ月ですが、家族のように愛する存在を失った悲しみを経験して、動物をもっと大切にしていきたいという気持ちが私の中で強くなりました。
普段はペットとして飼われている犬や猫にしか触れ合う機会がないけれど、野良犬と過ごしたことでどんな動物も命は尊くて一生懸命に生きているという当たり前のことを、改めて思い出させてくれました。
そんな頃にちょうど知り合いが野良犬にご飯をあげるボランティアをしているということで、私も参加させてもらうことに。山の方に犬の集団で住んでいる子もいれば、ミャンマー人の集落で生活している犬たちもいました。
ミャンマーから出稼ぎに来ている人たちは「犬がいる分には構わないけど家族が食べるので精一杯で犬にご飯をあげる余裕はない」とのこと。
仕事がある場所に合わせて家を建てながら移動するミャンマーの人たちを見て、自分がいかに恵まれている環境で育ってきたのかを実感した瞬間でした。そして貧しい環境で苦しむ人達に何かできることはないかと考えるきっかけにもなりました。
サムイ島はそこらじゅうで動物と会えるのも日常でした。犬、猫はもちろん、象、牛、鶏、たまに豚さんも。
動物園や観光施設でしか見ない動物たちを毎日のように見るようになって、自分の中で動物はどんどん身近な存在になっていき愛情も膨らんでいきました。
一週間、タイのペチャブリで保護された象のお世話をするボランティアにも行き、サムイ島でも一日体験に行きました。タイは象に乗る観光が有名ですが、象は小さい頃からずっと調教され働かされるので体中を怪我している子も多いのが現状です。
昔から動物が好きで動物園や水族館によく行っていたのですが、同じ地球に住む動物の仲間としてもっとお互いを尊重して、観光や娯楽で使われる動物についてもっと考えていきたいと思うようになりました。
そしてサムイ島の生活にも慣れてきた頃に、少量の玄米菜食だけを食べて一週間過ごすという少食ファスティングを体験することに。
ファスティングといっても一週間だけではなくて普段の食生活に取り入れていくといいそう。
オンラインで先生にアドバイスをもらいながら肉・魚・乳製品・卵など動物性の食品を摂取せずに植物性の食事だけで一週間を過ごしました。
意外と満足感もあるし、体は軽い。何より今までお肉やお魚を食べないと栄養バランスが保てないと思っていた私にとって、菜食だけでも十分に栄養が摂れるのは驚きでした。もちろん野菜だけ食べればいいということではなく、穀物や豆、ナッツや海藻などバランスよく食べることが大事。
ファスティングをしてから5ヶ月間ほど菜食の生活を続けていますが、自分には合っているようで体も軽くて調子のいい日々を過ごしています。そして菜食になったことで食がもたらす環境問題や社会問題にも目を向けるようになり、日々勉強中。
お肉を減らすことによって環境にかける負担が減ったり、フェアトレードな商品を選ぶことで貧困層の人たちの生活が良くなったりと、毎日の生活のなかでいかに優しい選択をできるかというのが最近の楽しみでもあります。
SNSで生活を発信することで、最近は友人からも「知らなかった!これからは意識してみる」や「MARIEの影響で最近はお肉を減らしているよ!」などという連絡をもらうようになり、優しい輪が広がっているようで幸せな気持ちです。
おまけに、自分の中での大きい変化が猫好きになったこと。昔から犬が好きで実家でも犬を飼っていますが、猫は身近にいないということもあってどこか神秘的で正直少し苦手でした。
そんな私のところにやって来てくれたのがトラ。
ジンジンとお別れしてから家を引っ越し、新しい家に住みはじめてすぐに遊びに来てくれたかわいい野良猫さんです。玄関のドアを開けたすきにピューっと入ってきて、甘えてきてそのままリビングで寝始めた姿を見て、なんて自由気ままなんだろうと驚きました。
それからほとんど毎日のようにうちに来てはご飯を食べて寝て、飽きたら帰っていくという生活が2ヶ月続きました。サムイ島は野良犬や野良猫が多いので、大家さんも動物を家に入れることに対して寛容なのがありがたいところ。
トラ柄なのでトラと呼んで、家族のように思っていたのでタイを離れるときはとても寂しかったです。
懐っこくて周辺のみんなに愛されていたので、きっと気ままに元気に過ごしているはず。
都心にいると動物と触れ合う機会がないのでなかなか考える機会がないですが、食生活や衣服、化粧品など生活に動物が関わっていることは意外ととても多いのが事実。
同じ地球に住む仲間なので、お互いを尊重し合って生きていきたい。普段関わらない人や動物のことも思いやりを持って生活していきたい。
そんなことを気づかせてくれた、サムイ島での半年間の暮らしでした。
また戻れる日まで。
text:MARIE
モデルとしてショーや広告などで活動。イタリアやシンガポールでもモデル活動をしたことがあり、旅行も含め訪れた国は11ヶ国。今年は夫婦で世界を旅しながら日々の暮らしや感じたことを発信している。自然と動物が好きで旅をしながら環境に優しい生活を取り入れ中。
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