CULTURE & LIFE

 

2017年、初の日本開催となったニューヨークの伝説の写真家「ソール・ライター」の回顧展。そして、2020年1月9日から、「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」が再び、Bunkamuraミュージアムで開催されています。

 

いわゆる「にわか」カメラ女子です。スマートフォンのカメラ機能の進化で、デジタルカメラの出番はほとんどなくなっていたのですが、お料理の写真を撮ると、どうも色味が違う、暗くなってしまう、と、自分なりの問題点が浮かんできて、デジタルカメラを新しく購入するに至ったのが数年前。すると、カメラ自体に興味が湧いてきて、行き着いたのがLeica。(わたしのカメラ好きは、こちらで)

 

2019年は、毎日カメラを持ち歩き、Leicaユーザーを対象にした「ライカ・アカデミー」という写真教室に行ったりと、すっかり、カメラは生活の一部になっています。年末に最後の教室があり、帰り際に、ソール・ライターの写真を見る機会がありました。1958年の作品という絵画のようなカラーのヌード写真やファッション誌に掲載されたカラー写真が展示されていて、年明けに開催される「永遠のソール・ライター」という写真展への期待が高まりました。その数日後、Leicaから手紙が届き、開封すると、「Saul Leiter – Lanesville, 1958」をライカギャラリー東京で開催するにあたっての、レセプションの招待状でした。あいにくレセプション当日は東京にいないため、出席できなかったのですが、こういう特別な機会をもてることも、Leicaを使うことの魅力のひとつです。

 

そして、待ちに待った、「ニューヨークが生んだ伝説の写真家 永遠のソール・ライター」に、早速、行ってまいりました。

 

ソール・ライターの世界

1940年代から亡くなる少し前の2000年代まで、ソール・ライター財団が所蔵する218点もの作品が展示されています。写真展は、Black & Whiteの世界から始まりました。ニューヨークの街のスナップを中心に、ソール・ライターが見た一瞬がモノクロームで表現されています。冬のニューヨークの定番といえる道路から立ち上る湯気ではなく、雪、濡れた路面、結露のついた窓ガラス越しに撮った写真など、日常が写されています。乾いた写真が水の要素を写すことで、写真全体がしっとりとした印象になって、それがなんとも好きな表現でした。色彩を取り除いた世界は、そのものの実体が見えるので、モノクロームの写真は見る側の発想を自由にさせてくれるところが好きです。

 

続いて、カラーの世界です。パッと明るくなるというよりは、落ち着いた色味の世界が広がります。今回の写真の中でも、特に好きな写真は、広告などに使用されている「薄紅色の傘」(1950年代, Purple Umbrella)という写真です。薄紅色の傘の向こうに見える地面はもちろん雨で濡れていて、その上を走る赤い車と、その影が水面に映るという構図。傘で空は見えないけれど、路面に映る空は明るく見えて、雨も悪くないな、と思えるような、明るい気分になる写真でした。実物は、大きめにプリントされていて、実際に目の前にすると、見惚れてしまいました。展示されている写真の多くは、2LやA4くらいの大きさで、近寄らないと観えないという悩みが生まれますので、いらっしゃる場合は、空いている時期を狙った方が良いと思います。

 

次は、ファッションの世界です。目にしたことがある金色のように見える帽子を被り、グリーンのコートを着たモデルの写真、これは、ライカギャラリー東京にも展示されていましたが、素敵な写真です。モデルが寄りかかっている車と手前にいる人が開けたドアの色が同じで、その二人の間にある駐車禁止の赤い標識がアクセントになっていて、お洒落です。こんな写真、撮りたい。。。カラーの写真には、赤がとても印象的に映っていて、彼の色彩感覚の素晴らしさにじわじわくる感動を覚えました。

 

順路としては、カラーの世界が続き、次のパートへつながります。

 

 

ソール・ライターを探して

このパートは、ポートレートの展示です。まず、セルフ・ポートレート。勉強になります。スマートフォンのおかげで、自撮り(わたしの場合のセルフ・ポートレート)は戯けたような写真が多くて、とても、ポートレートなどと名乗れないものばかり、しかし、彼の撮る自分自身は、ダイレクトな被写体ではなく、ウィンドウに映る彼であったり、影であったり、映っているものの中にある彼をとらえていいました。スマートフォンにない緩い感じの写真、フィルムカメラだから、という理由もあるかもしれないけれど、デジタルでも、焦点距離、露出やシャッタースピードを変えてみれば、今と違うニュアンスの写真が撮れそうだ、とちょっとやる気が出てくるパートでした。(現時点で、ほとんどオートフォーカスしか使えていない。。。)

 

ここからは、とても親密性のあるポートレートが続きます。

 

まず、ソール・ライターが妹のデボラをモデルに写したポートレート。写真に添えられていた解説によると、デボラはソール・ライターの初めてのモデルで、初期の頃の多くの作品に登場しているのですが、20代で精神障害を患い、亡くなるまで施設で過ごしたということでした。モデルのデボラは、目の表情が豊かで、モノクロームの写真の中で笑みを浮かべたり、睨んだりと、写真家である兄に対して、色々な顔を見せていたようです。

 

続いては、Soames。公使共にライターのモデルとなり、芸術への情熱を共有した女性。今回の写真展には23点の写真が展示されていて、モノクロームもカラーもありました。中にはとても親密は写真もあり、二人が共有した時間の深さを感じました。中でも、わたしは、雪の降る日に、コートを翻して歩き出そうとするSoamesの写真が好きでした。ソール・ライターの言葉もとても印象的。

 

I liked looking over and seeing Soames rocking  away and listening to music. – Saul Leiter

(彼女が揺り椅子に座って音楽を聴いているのを眺めるのが好きだった。- ソール・ライター)

 

彼の部屋の再現

最後の最後にだけ、写真撮影が許される展示物がありました。

 

ソール・ライターが過ごした部屋の再現です。時計と反対周りにある明るい色合いの油絵はSoamesの作品、反対側の3点の油絵はソール・ライターの作品。

 

全ても観るのに、1時間30分ほどはかかり、観終わった時には、少し疲れた感じもしましたが、とても充実した写真展でした。ミュージアムショップで図録と好きな写真の絵葉書を購入して、Bunkamuraミュージアムをあとにしました。

 

ミュージアムショップで購入した図録

 

 

「永遠のソール・ライター」を観に行くときは、カメラを持参することをお勧めします。彼の世界を堪能して、建物を出ると、目の前に広がる景色がすでにフォトジェニックに見えてきます。

 

 

さらに、駅に進めば、できたばかりの銀座線の渋谷駅も、かなりフォトジェニックです。

 

 

2020年も、素敵なものに囲まれて、ワクワクする1年となりますように。

 

 

 

永遠のソール・ライター

https://www.bunkamura.co.jp/museum/exhibition/20_saulleiter/

 

text Lulu

◆こだわり女子のモノコトWebマガジン「PeLuLu」より

FUDGE CHOICE

  • サムネイル
    PR
    春は《ムーンスター》の新作...
  • サムネイル
    PR
    レースに花柄、ピンク…春はち...
  • サムネイル
    PR
    《Weekend Max Mara》素敵な...
  • サムネイル
    PR
    スポーツとデイリーに楽しめ...
  • サムネイル
    PR
    【FUDGEウォーキング部 suppo...
MORE MORE
サムネイル
PR
春は《ムーンスター》の新作シューズで決まり!FUDGE FRIENDの田中真里奈が自由が丘の2つのショップへ
サムネイル
PR
レースに花柄、ピンク…春はちょっと新しい服に挑戦してみよう!〈ルミネ池袋〉で見つけたコーデ7選
サムネイル
PR
《Weekend Max Mara》素敵なトレンチコートと愛らしい「パスティチーノ」を抱えて @THE LOCKER
サムネイル
PR
スポーツとデイリーに楽しめる!《ウイルソン》で春服を見つけよう
サムネイル
PR
【FUDGEウォーキング部 supported by Clarks】3/16 (月) 参加者募集!《Clarks(クラークス)》のシューズを履いて、心がときめくカルチャースポット巡りませんか?
サムネイル
PR
ポップアップイベント「BROOKS TOKYO 2026」を体験!春の日差しが降り注ぐ中《BROOKS》の最新シューズを履いてラン
サムネイル
PR
渋谷駅すぐに誕生した3フロアの〈HOKA SHIBUYA〉へ。ランニングシューズ「ボンダイ」「クリフトン」を履いて走った1月開催のイベントをレポート
サムネイル
PR
【3/28,29】FUDGEがルミネ池袋へ!コラボイベント「FUDGE ROOFTOP MARKET」の開催決定
サムネイル
PR
Are you ready for Spring? 春の日差しと《ミルクフェド》
サムネイル
PR
愛着のわく時計を毎日の相棒に。ジュエリーのように楽しめる《スカーゲン》の腕時計がコーディネートに華を添える
サムネイル
PR
【FUDGE RUN CLUB with ハイドレ】サーモスとのコラボランニングイベントを開催!2月28日(土)の参加者募集スタート
サムネイル
PR
大きさがちょうど良いバッグなら!毎日使いたい《ミルクフェド》の”BFF”バッグ5選
サムネイル
PR
おしゃれ上手な人がまとう服。さらりと着るだけで雰囲気整う、韓国発ブランド《ダンスト》が日本初上陸!
サムネイル
PR
こんなメガネが欲しかった!クラシックだけどちょっと個性派な《Reboot(リブート)》のメガネ【もの作りの場を訪ねて|FUDGE dig.】
サムネイル
PR
《ナイキ》オシャレなあの子の足もとは「アストログラバー」。レトロクラシックなスニーカーで3つの冬コーデ
サムネイル
こんなコートが欲しかった!クラシックなデザインだけど、機能素材のバルマカーンコート【FUDGE dig.|バルマカーンコートの名品はこちら- 04】
サムネイル
冬はワンピースを1枚で着ない!今日からマネできる重ね着コーデ8選
サムネイル
【2025年クリスマス】予算3000円で贈る。自分では買わないけどもらって嬉しいプレゼント20選
サムネイル
コーデにメガネをプラスしたいなら、ウェリントン一択!間違いのないおすすめ9選
サムネイル
【2025】美容師がおすすめするヘアスプレー8選!髪質や仕上がり別にプロが解説

PRESENT & EVENT

サムネイル

編集部から配信されるメールマガジンやプレミアム会員限定プレゼント、スペシャルイベントへの応募など特典が満載です。
無料でご登録いただけます。