CULTURE & LIFE

京都に行くと、駅や百貨店などに並ぶお土産の多さにいつも驚きます。さてこの中から何を選ぼうか、と悩まれる方も多いのではないでしょうか。数年前に友人からとんでもなく美味しい漬物があると教えてもらったのが、鴨川に程近い京都御所の北の出町という地にある「野呂本店」という漬物屋。そこの「青てっぽう」という胡瓜の漬物の美味しさに驚いたことを今でもよく覚えています。そこから京都に行くと、必ずお土産に買って帰るようになりました。「野呂本店」は、創業大正3年という約100年の歴史がある京都の老舗漬物屋。初代は伊勢たくあんを京都で初めて売り、評判になったとか。


一番人気の「青てっぽう」は、胡瓜の中をくりぬいてそこに味噌にじっくりと漬け込んだ牛蒡が大葉で巻かれ詰めてあります。胡瓜の食感の中に、歯ごたえの良い牛蒡がアクセントとなっており、牛蒡と大葉の香りが口いっぱいに広がります。さっぱりとした上品な酸味と塩味が特徴で、夏のこの時期にはそのままかぶりつきたいくらいです。ご飯と一緒に食べると止まらなくなる美味しさです。夏らしさ・食感・香りを一度に楽しめるオススメのお土産です。古くから日本食文化に欠かせない存在であり続けた漬物。伝統を生かしつつも新しい美味しさがここにあります。
そして京都に来たらぜひ訪れてほしい場所の一つに「桂離宮」があります。17世紀の初めから中頃までに八条宮初代智仁親王と二代智忠親王によって造られたもので、日本庭園として最高の名園といわれています。桂離宮の建造物は、池の周囲に書院群があり、その周囲に茶屋が点在しています。建物自体も堂々とした雅な美しさを誇っています。


庭園は、約7万平方メートルの回遊式庭園になっており、どの書院からも庭を楽しめるよう工夫がされています。池の造りは海や川を真似て作っているのが特徴で、水辺は独特のカーブをつけたり、直線の美しさを見せたりしています。庭石も切り出して変化をつけたり、自然のままの石の美しさを楽しんだりできるよう意識して造られています。建物からだけではなく、庭を散策する人が十分に楽しめる工夫がされているのも魅力です。一つ一つ、隅から隅まで設計に細かな配慮がされていて、ああ、これが日本の美なのか、ととても心に響いてくるものがあります。
桂離宮に行くには事前に申し込みが必要ですのでご注意ください。
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text:rumi
◆こだわり女子のモノコトWebマガジン「PeLuLu」より
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