CULTURE & LIFE
チェコ人は、ハレの日はもちろん、ケの日にも花を添えることで暮らしをちょっと豊かにする術を心得ているようだ。
花を贈るということ
チェコで好きな習慣の一つに男性が女性に気軽に花を贈ることがある。
立派な花束である必要はなくて、数本だけの小さなものや一輪のバラを手に持っている人を見ることは全く珍しくない。
花を持っている男性を見るとパートナーの誕生日か記念日なのかなぁ、と想像して微笑ましい気持ちになるし、バレンタインデーや国際女性デー(3月8日)には職場や学校で貰ったのであろう花を手に歩く女性を見る。
私のチェコ人の夫も例外ではなく、何かあるごとに必ず花を添える。定番は真紅のバラ。なんてロマンチストなのだろう!と最初は驚いたものだが、気持ちを表す時には花を添えたくなるものらしい。

春に咲く「黄金の雨」
濃厚な黄色が眩しいレンギョウが咲き始めるとイースターが近づいてきた合図。
レンギョウは、チェコ語で「ズラティー・デーシュチュ(Zlatý déšť)」と呼ばれ、直訳すると「黄金の雨」。長い枝に沿って降り注ぐように咲く姿を見れば正に名前の通り。
運よく桜との華やかな共演を見られた時は何とも言えない贅沢な気持ちになる。


桜の木の下で・・・
チェコには、「カップルが5月1日に桜の木の下でキスをすると女性はその一年間美しくいられる」という言い伝えがある。
5月1日は日本でもメーデー(労働者の日)として知られるように、チェコではメーデーとしての祝日であるのだが、労働に関するイメージよりも(特に若者にとっては)ロマンチックな日としての重要度が高いようだ。
人前でキスをすることに抵抗の無い文化であることも相まって、この日に桜の木のある公園に行ってみるとキスするカップルを見かけるだろう。
実際、チェコで5月1日というと桜はすでに散ってしまっている場合が多いのだが、その年の気温や品種によってはまだ散っていない所もあって、満開の桜の花を探し求めて歩き回るカップルもいるようだ。

園芸ショップが最も賑わう季節
冬を越え気温が少しでも暖かくなってくると、冬眠から覚めたように人々は一気に庭の手入れに取り掛かる。
チェコでは特別裕福でなくとも郊外に週末を過ごすための別荘を持っている家庭が多く(別荘と言うと大層だが、電気や水の通っていないコテージも含まれる)、みな春夏の間はその別荘の庭を整えるのが趣味のようなものだし、自宅に広い庭を持っている人もまた然り。
特に週末前の園芸店は、花の苗を買う人々で賑わう。庭仕事は男女問わずするものだが、レジに女性ばかりが並んでいるところを見ると、植える植物を選ぶのは女性が担当する家庭が多いのかもしれない。


庭先に。家の中に。花が生活に密着している。
ハレの日はもちろん、ケの日にも花を添えることで暮らしをちょっと豊かにする術を心得ているようだ。
text:Noriko Naniwa
Blog:https://www.howtobeczech.com
こだわり女子のモノコトWebマガジン「PeLuLu」より
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