CULTURE & LIFE

 

桃の節句には縁起菓子「桃カステラ」でお祝い

長崎県出身の同僚に、おすすめの長崎土産は?と質問したころ「松翁軒」の「桃カステラ」と答えが返ってきました。「桃カステラ」という名を初めて聞いたので早速調べてみました。見たことのない可愛いビジュアルに心奪われお取り寄せをしてみました。

3月3日はひな祭り。桃の節句とも呼びますが、これは昔中国で上巳(じょうし) の日に桃の種の仁から作った薬湯を飲むという習慣が渡来したことからといいます。そして中国では古くから桃の実は不老長寿の果実として尊ばれています。

「松翁軒」の「桃カステラ」は出産祝いや節句などに作る桃の実を模した縁起菓子です。カステラは南蛮船の渡来で外国との貿易が許されたころに伝来しました。「桃カステラ」はスペイン・ポルトガルや中国の文化を折衷した異国の香りが漂う長崎らしいお菓子なのです。

 

異国情緒あふれる包装紙に包まれた「桃カステラ」。なんと、一緒に「桃カステラ紀行」が送られてきました。ちょうど単行本のようなサイズでとても可愛いです。

 

箱を開けると、、出ましたー!この可愛さ!はい、桃!なんて幸せな形状。やさしいピンクのグラデーションが素敵です。

卵、砂糖、小麦粉、水飴を合わせ混ぜたカステラの種を桃型に流して天火で焼き上げ、その上にすり蜜(フォンダン)を二回かけ、乾いて白くなってから色をさし、葉と枝の飾りをして桃の実に似せている「桃カステラ」。鮮やかな色とやや濃厚な甘味に包まれながらもカステラの風味のよさとしっとりとした柔らかさが生きています。

 

うん、、、甘い!個人的にはすり蜜がかなり濃厚に感じつつも、どこか懐かしい甘さに癒されます。しっかり濃い目のお茶やコーヒーと相性ぴったりです。3月3日の桃の節句に合わせてオンラインストアから購入することが可能です。

 

島全体がほぼ廃墟? 九州最後の炭鉱島「池島」へ

長崎土産ということで、今回は少し前に訪れた長崎の離島をご紹介したいと思います。長崎に行きたい!でもちょっと冒険もしたい! という方におすすめの島。それが島全体がほぼ廃墟なのに、船で渡ることができる炭鉱島「池島」です。

 

「島全体がほぼ廃墟」ってどういうこと!? と思われるかもしれません。池島行きのフェリーは神浦港、瀬戸港、佐世保港の3箇所から出ています。思ったよりも便が多く、アクセスしやすく助かります。

 

島に着くと地図がお出迎え。どうやら半分ほどが立ち入り禁止区域の様子。

池島は全盛期の頃、池島炭鉱として栄えた時代の最先端の島でした。海面下400から650メートルを掘っていた池島炭鉱は実はまだ閉鎖して22年。九州最後の炭鉱の島なのです。世界文化遺産でもある軍艦島の名で有名な端島よりも大きな島で、島全体がほぼ廃墟となっています。

 

残っているのは炭鉱の大きな工場跡と一時は8000人以上が住んでいたたくさんの団地跡。島を歩くと自分だけポツンと映画の世界に入り込んだかのような感覚に。廃墟と言っても無人になった世界遺産の軍艦島と違って、閉鎖された今もなんと約100人の島民と、たくさんの猫がこの島には住んでいるのだそう。

 

陽気な音楽とともに週に3回(取材当時)、移動スーパーの販売車がやってきます。

 

港のショッピングセンターの中も今はスーパーの1店舗のみの運営。ひっそりと明かりが灯っていました。

 

港から少し歩くとすぐにどこまでも続く工場跡群が見えてきます。ものすごい規模の大きさ!ここ一帯は立ち入り禁止区域です。

 

島内には、とにかく猫が多い! 猫好きにはたまらない。訪れる時は猫じゃらしを持参しましょう。

 

「毎日エサをあげないとねぇ」と、猫たちへのご飯の用意は島に住むお母さんの日課のよう。

 

炭鉱を閉鎖したあと、そこで働いていた人たちは、炭鉱に使う重機などの資格は他には使えず、みな再就職に苦労したとのこと。当時の作業の様子がそのまま残っている炭鉱跡は、事前に予約をすれば見学可能で、実際に働いていた方達が当時の様子を詳しく教えてくれます。

 

団地跡がそのままの状態で放置されています。中には入れませんが、近くまで見学ができます。圧倒的な存在感。まるで要塞のような集合住宅。窓ガラスはほとんどが割れています。8階建てですがエレベーターはありません。

 

たくさんの人が住んでいたであろう団地に人の気配はもうありません。一人で歩いていると、自分が今どこにいるのかわからなくなるような不思議な錯覚に陥ります。長い年月をかけて飲み込まれてしまった建物もあります。

 

映画の世界に入り込んだかのよう。どこもかしこも時が止まっています。

 

小さな島でもこうして日本の時代の流れを感じます。この先池島は第2の軍艦島となるのか、猫島となるのか。時間をかけて新たな観光産業を仕掛けるのか。これからの池島の未来を想像し、個人的には島全体の廃墟を活かして巨大公園を作る! をやりたいなと思いました。もちろんそこには住んだりすることもできます。そんな冒険島を妄想しつつ、また改めてゆっくり訪れたいと思います。

 

身近な日本の軌跡と奇跡。「旅するデザイナーrumi」のInstagram。
@find_rumi

 

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