クリエイティブチームDo it Theater（ドゥイット・シアター）がテーマごとにおすすめの映画を３作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。第10回目のテーマは「アウトドアに行きたくなる映画」。秋のアウトドアシーンにそっと彩りを添えてくれる、オススメの映画を紹介します。

Do it Theaterのユーコンです。この連載はDo it Theater 女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。
第10回目のテーマは「アウトドアに行きたくなる映画」ということで、『わたしに会うまでの1600キロ』『はじまりへの旅』『究極のハピネスを求めて』の３作品をセレクトしました。

食欲の秋、運動の秋、そして映画の秋ですね。山間も色づいてきて紅葉シーズン真っ盛り。真冬に入る前にアウトドアに出かける方も多いかと思います。そこで今回は、秋の爽やかな空気にぴったりの、アウトドアへ繰り出す前に観て欲しい映画３作品をご紹介します。

 

人生行き詰まったら、自然に身を任せてみよう。

title：『わたしに会うまでの1600キロ』

【story】
早すぎる母の死、ドラッグとセックス依存、そして離婚。全ての希望を失い、人生のどん底にいたシェリルは、無謀な旅に出ることを決意する。ハイキング未経験の彼女が、たった１人でアメリカの三大長距離自然歩道である”PCT”に挑み、1600キロの過酷な旅へと繰り出す。３ヶ月間の旅の果てに、彼女が見つけたものとは。

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この映画は「自然に身をまかせることで、これまでの苦悩や困難を浄化し、一歩前に踏み出す勇気を与えてくれる」作品です。主人公のシェリルは実在の人物で、本作は彼女の伝記を映画化したもの。シェリルは過去の悲しい思い出や後悔を振り切るべく、思い切った旅に出るのですが、食料が底をつき、体はボロボロになり、様々な障害が彼女を襲います。しかしシェリルは、旅の途中で出会った人たちに支えられながら、一歩一歩着実に障害を乗り越えていくのです。自分自身と向き合いながら自然の厳しさに立ち向かっていく彼女の旅は、まるで彼女の人生そのものを投影したかのよう。断ち切りたい過去がある人、前進するための勇気が欲しい人は、ぜひこの映画を観てハイキングへ出かけてみてください。

 

親子の絆と愛の深さを再認識できるロードムービー。

title：『はじまりへの旅』

【story】
アメリカ北西部の山奥で自給自足生活を送る変わった家族がいた。父親のベンは6人の子供を教育、訓練し、子供たちは類稀なる知力と体力を身につけていた。ある日、精神疾患で入院していた母親の訃報が届く。世間から隔離されたユートピアで生きていた家族は、母親の奇妙な遺言を実行するため、2400キロ離れたニューメキシコへと旅に出る。

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本作の見所は何と言っても親子の絆。社会や他人になんと思われようと、家族は強い絆で繋がっていて、家族の存在が人生において一番大切なものであると再認識させられる作品です。自給自足生活をするキャッシュ一家にはテレビやゲーム、加工食品などは一切ありません。子供たちは楽器やおもちゃを手作りして、自然の中でのびのびと暮らしています。お金やモノから離れた暮らしをしていても、家族と共に過ごせる時間こそが、この世で最も尊い瞬間だということを教えてくれる映画です。また、シガーロスやガンズ・アンド・ローゼズのカバー曲など、雄大な自然とマッチするサントラが本作を盛り立てています。子供達のカラフルなヒッピー風の衣装やテキスタイル使いが魅力的なセットも見所です。

 

大自然の中で考える、「究極の幸せ」ってなに？

title：『究極のハピネスを求めて』

【story】
フィルムディレクターのフェリックスとシンガーソングライターのセリマ。自転車旅で出会った２人が今度はスクールバスをDIYしてノープランの旅に出る。出たとこ勝負の不安定な旅にはハプニングがつきもの。雨漏り、ペットの病気、ビザのトラブル。自由気ままな暮らしを求めてノマド生活を送る２人が、旅の中で「究極の幸せ」を見出していくドキュメンタリー。

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DIYキャンピングカーでのノープラン旅、魅力的な響きですよね。会社や学校などの社会的立場から離れて、固定の家を持たず、時間に拘束されない自由な旅。そんな旅を望む人は少なくないと思います。本作はそんな自由な旅を実現したカップルのドキュメンタリー。長旅に耐えられず故障していく車、環境の違いによる体調の悪化など、彼らの旅路はトラブルが続出します。アウトドアだと不便なこともありますが、旅による新しい出会いや、愛する人と過ごす大切なひと時をしみじみと実感したりと、普通の生活では気に留めない、かけがえのない瞬間に気づけたりするものです。
何が「究極の幸せ」かは本作では語られませんが、「幸せ」は誰かや何かに定義されるものではなく、自分で見つけ出すものなのだと教えてくれる映画です。

 

私は年に数回、都会から離れて自然とふれあう時間を作るようにしています。自然に身を任せ、自分を見つめ直す時間を作るととてもリフレッシュできます。アウトドアでのオススメはキャンプをしながらの野外映画鑑賞。風の音や川のせせらぎ、焚き火の燃える音、森の生き物の声を聞きながら鑑賞する映画は、映画館や自宅で観るのとは一味違った体験を演出してくれます。今回オススメした３作品はどれも野外映画上映にぴったりの作品ですのでぜひ秋のキャンプのお供にしてみてください。

 

 

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