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【2023年】2023年もお疲れさまでした! 年末は泣ける映画でデトックス -『ドリーム・ホース』『gifted/ギフテッド』『オットーという男』【土曜日のシネマサロン】
クリエイティブチームDo it Theater(ドゥイット・シアター)がテーマごとにおすすめの映画を3作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。第110回目のテーマは「2023年もお疲れさまでした! 年末は泣ける映画でデトックス」です。
Do it Theaterの洲崎真紀子(すさきまきこ)です。この連載はDo it Theater女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。
今回のテーマは「2023年もお疲れさまでした! 年末は泣ける映画でデトックス」ということで、『ドリーム・ホース』『gifted/ギフテッド』『オットーという男』の3作品をセレクトしました。何かといそがしい年末は、疲れを溜め込んで心がトゲトゲしてしまいがち。そんな時は泣ける映画でスッキリするのも、一案です。ぜひ、チェックしてみてください。
Index
推しが頑張る姿に泣けてくる
Illustration_skpn
title:『ドリーム・ホース』
【story】
イギリス・ウェールズの小さな村で、夫と暮らす平凡な主婦ジャン。パートと親の介護の日々に退屈していたある日、クラブで共同馬主の話を聞いた彼女は、競走馬を育てることを思いつく。血統の良い牝馬を購入して、村人たちに馬主組合の結成を呼びかける。産まれた子馬は「ドリームアライアンス(夢の同盟)」と名付けられ、奇跡的にレースに勝ち進み、村人たちの人生に変化をもたらしていく。
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本作は、田舎の小さなコミュニティで育てた競走馬が起こした奇跡の実話をもとにした作品です。ドラマティックな展開と疾走感あふれるダイナミックな映像はエンタメ性が高く、レースや馬にあまり興味のない方でも楽しめます。
泣かせてくれるのは、みんなの夢と希望を乗せて走るドリームアライアンス。共同馬主の村人たちにとって、平凡で退屈な日常に光を与えてくれる存在で、生きる希望。そんなドリームアライアンスが、たくさんの人の期待を一身に背負って頑張る。それも大舞台で。子どもを見守る親のような気持ち、はたまた推しを見つめるファンの気持ちで観れば号泣必至です。
映画のキャストと並んで実話のご本人が登場するエンドロールにも、注目です。あまりにそっくりで、びっくりしますよ。
幸せを願うほど、苦しくなる
Illustration_skpn
title:『gifted/ギフテッド』
【story】
フロリダの小さな街に暮らす独り身のフランクは、天才数学者だったが志半ばで亡くなった姉の一人娘、メアリーを養っている。天才的な数学の才能を持っているメアリーに、周囲は特別な教育を薦めるが、姉との”ある約束”を守るため、それを頑なに拒むフランク。ある時、フランクの母イブリンが現れ、孫のメアリーに英才教育を施すため2人を引き離そうとして…。
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続いては、独り身の男と天性の才能を持つ少女の絆の物語で、感動のハートフルドラマです。 主演はクリス・エヴァンス(『キャプテン・アメリカ』、「アベンジャーズ」シリーズ)、監督を務めたのはマーク・ウェブ(『(500)日のサマー』)ということでも話題になりました。
本作のポイントは、主人公フランクが葛藤する様子をとても丁寧に描いているところ。実の親ではないこと、裕福な暮らしではないこと、さまざまな事情から「自分と暮らしていて、本当にメアリーは幸せになれるのか?」という答えの出ない問いに苦悩するフランク。メアリーの親代わりとしての自信を喪失して自暴自棄になるなど、活を入れたくなる場面もありますが、最後は嗚咽が漏れるほどの涙の展開が待っています。フランクに感情移入すればするほど泣けてきますので、彼の心に寄り添いながら観るのがオススメです。
トム・ハンクスが「嫌われ者」を演じたら、嫌いになれない不思議
© 2022 SF Studios Production AB. All Rights Reserved.
title:『オットーという男』
【story】
オットーは、町内イチの嫌われ者でいつもご機嫌斜め。曲がったことが大嫌いで、すぐに説教をはじめるし、挨拶をされても仏頂面で、なんとも面倒で近寄りがたい。だがそんな彼も、実は人知れず孤独を抱えていた。最愛の妻に先立たれ、仕事も失い、自らの人生にピリオドを打とうとするオットー。しかし、向かいの家に陽気な女性マリソルとその家族が引っ越してきて…。
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スウェーデンの大ヒット映画『幸せなひとりぼっち』を、トム・ハンクスの主演でリメイクした本作。原作は、世界的ベストセラーとなったフレドリック・バックマンの小説で、人とも猫とも関わることを嫌う偏屈な老人と周囲の人々との交流を描く、ヒューマンドラマです。
印象に残るのは、オットーという男の人生を振り返るようにたびたび挟み込まれる過去の回想シーン。大切な人との出会い、そして別れ…。人生とは、喜びと悲しみの連続。そんな過去の回想シーンから、彼の妻への愛情と孤独の深さを知って、涙が溢れます。ラストは決してハッピーエンドとは言えないかもしれませんが、町内イチの嫌われ者に訪れた結末を目の当たりにした時、あたたかな感動に包まれて、気がつくとまた涙が。最後までハンカチが手放せませんよ。
ちなみに若き日のオットー役を演じたのは、トルーマン・ハンクス。トム・ハンクスの実の息子さんでした(驚)。
今回は「2023年もお疲れさまでした! 年末は泣ける映画でデトックス」をテーマに、『ドリーム・ホース』『gifted/ギフテッド』『オットーという男』をご紹介しました。泣けるだけでなく、疲れてトゲトゲした心をまあるくして、あたたかい気持ちにさせてくれる作品たちです。新しい一年を、優しい気持ちで迎えられますように。ぜひ年末に、チェックしてみてください。
『gifted/ギフテッド』
2017年 アメリカ 101分
Prime Videoでレンタル配信中
『オットーという男』
2022年 アメリカ 130分
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
洲崎真紀子(すさきまきこ)
これまで興行会社やNPOで映画関連事業に携わる。現在は小さな娘と一緒に映画を楽しむ方法を模索する日々。
年末年始も、きっと家にいます。
●Do it Theater(ドゥイット・シアター)
“あたらしいシーンは、Theaterからはじまる”をテーマに、シアター体験を作り出すプロデュース&クリエティブチーム。FUDGE主宰の「Holiday Circus(ホリデーサーカス)」ではコンテンツクリエイションとして参加。また 累計5万人以上が来場した野外シアター「品川オープンシアター」や横浜赤レンガ倉庫・マリンアンドウォークヨコハマなど5会場同時開催の「SEASIDE CINEMA」、ミニシアター支援を目的とし全国5箇所でキャラバン開催したクラウドファンディングプロジェクト「ドライブインシアター2020」など、映画を観るだけではない、総合演出された新しいスタイルのシアター体験を全国に作り出しているチームです。
www.ditjapan.com
design_Koinuma Kenichi
edit_Takehara Shizuka
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