クリエイティブチームDo it Theater（ドゥイット・シアター）がテーマごとにおすすめの映画を3作品紹介する、連載《土曜日のシネマサロン》。第90回目のテーマは「2023年はこの俳優に注目！ティモシー・シャラメに恋する映画」です。

Do it Theaterの洲崎真紀子（すさきまきこ）です。この連載はDo it Theater女子部が様々な切り口のテーマで、おすすめ映画をリレー方式でご紹介しています。

2月も後半、バレンタインデーが終わったばかりですが、買い物をしていると、早くもホワイトデーに向けて並べられた美味しそうなスイーツを目にすることがあります。プレゼント選びは悩んでしまうけど、恋する相手や大切な人を思う時間は特別ですよね。個人的には、ヒトよりモノ（中でもチョコレート）の方に目がいきがちなので、気をつけたいです（笑）。

さて今回は、そんなときめき感度が高まるこの時期にぴったり「2023年はこの俳優に注目！ティモシー・シャラメに恋する映画」をテーマに、『マイ・ビューティフル・デイズ』『HOT SUMMER NIGHTS／ホット・サマー・ナイツ』『ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語』の3作品をセレクトしました。今や出演作が途絶えることなく、圧倒的な美しさと確かな演技力で世界中から注目を集めるティモシー・シャラメ。その理由を再確認することができる作品たちです。ぜひ、彼の魅力にどっぷり浸って見てください。

 

生徒のアプローチに翻弄される先生が、ちょっと羨ましい。

©2016Young Dramatists, LLC.All Rights Reserved.

title：『マイ・ビューティフル・デイズ』

【story】
無口で人付き合いが苦手な高校生のビリーは、英語教師のスティーヴンスに好意を寄せていた。ある日、クラスのリーダー的な存在の同級生・マーゴットから声を掛けられ、気さくで友達の多いサムとともに「演劇大会」に参加することに。引率を引き受けたスティーヴンスは、3人の生徒を乗せて車で会場に向かう。

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最初にご紹介するのは、高校の英語教師・スティーヴンスが、生徒たちとの交流を通して自分と向き合っていく姿を描いた、ヒューマンドラマです。

シャラメが演じるのは、スティーヴンスに恋心を抱く生徒・ビリー。大人と子供、生徒と教師といった壁もものともせず、まっすぐ気持ちを伝えようとする姿に胸がキュンとすること間違いなしです。彼は心に問題を抱えているという設定で、教師であるスティーヴンスの名前を突然呼び捨てにしたり、ホテルの部屋に押しかけたりと、相手を困らせてしまうこともありますが、「寒い」と言ったらパーカーを貸してくれるし、落ち込んでいたら励ましてくれる。夕飯を食べ損ねたら、スナックを持ってきてくれる（可愛い…）。まさに理想の彼氏で、彼女に立候補したくなります（笑）。どこか陰のある役が似合うシャラメですが、ピュアな恋心を抱く大人になりきれていない高校生役も、ばっちりハマっていますよ。

物語後半「演劇大会」のひとり芝居のシーンも、圧巻の演技を見せてくれるのでお見逃しなく。

 

小さな嘘とすれ違いから生まれる、最悪の結末

©2017 IMPERATIVE DISTRIBUTION, LLC. All rights reserved.

title：『HOT SUMMER NIGHTS／ホット・サマー・ナイツ』

【story】
最愛の父を亡くしたショックから立ち直ることができないダニエルは、1991年の夏を叔母の家で過ごすため、美しい海辺の小さな町にやって来た。周囲の人たちとなじめずにいたが、ひょんなことから地元の不良・ハンターとつるむように。ダニエルは、ハンターの妹で町一番の美女・マッケイラに恋をして、密かにデートを重ねていく…。

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続いては、儚い初恋と刺激的なひと夏の出来事を描いた青春クライムムービーです。主演を務めたシャラメをはじめ、『イット・フォローズ』のマイカ・モンローなど若手実力派俳優が揃っていることでも話題になりました。

本作で特筆すべきは、シャラメの繊細な演技です。愚かにも犯罪に手を染めてしまう主人公・ダニエルの、人間としての未成熟さに気づかせてくれる演技のディテールに感動します。たびたび差し込まれるマッケイラとのデートシーンも見どころの一つ。町一番の美女を射止めた高揚感が、ダニエルの表情からひしひしと伝わります。それと同時に、恋愛に慣れていない初々しさやぎこちなさも目線や口元から見てとれ、ドキドキさせられちゃいます。「演技派ティモシー・シャラメ」をいたるところで感じられますよ。

90年代カルチャーやファッションにも注目です。特にラガーシャツを着たシャラメ（ダニエル）、最高に似合ってます！

 

世界中で読み継がれる名作に、自分らしく生きる勇気をもらえる。

© 2019 Columbia Pictures Industries, Inc., Monarchy Enterprises S.a r.l. and Regency Entertainment (USA), Inc. All Rights Reserved.

title：『ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語』

【story】
しっかり者の長女・メグ、活発で自由な次女・ジョー、内気で繊細な三女・ベス、人懐っこく頑固な末っ子・エイミーの四姉妹は、愛情たっぷりに育てられ、輝かしい少女時代を送る。そんな中、女性というだけで仕事や人生を決められてしまうことに疑問を抱いたジョーは、幼なじみのローリーからのプロポーズを断り、夢だった小説家を目指すが…。

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本作は『レディ・バード』のグレタ・ガーウィグ監督が、名作小説「若草物語」を現代的な視点で映画化。南北戦争の時代に愛情深く、そして力強く生きる姉妹と周囲の人々を、作家を目指す次女の視点で描いたドラマです。

まずお伝えしたいのは、シャラメが演じたローリーは、重要な役ではあるものの主役ではないということです。そのうえ、美女揃いの四姉妹の物語。これは、さすがのシャラメも霞んでしまうのではと思いきや、むしろ際立つ美貌と小顔！（笑）。時代劇なので、衣装も見ていて楽しいのですが、パフスリーブのシャツとベストの似合いっぷりときたら…ため息が止まりません。さながら王子様のシャラメを拝めるだけで、一見の価値があるというものです。

主人公のジョーにプロポーズするシーンも必見です。必死に想いを伝える姿には胸が締め付けられるし、傷つく姿もまた、たまらなく美しい。シャラメの類い稀なる美しさが堪能できる一作です。

 

いかがでしたでしょうか？時代劇から現代劇、犯罪に手を染める若者や教師に恋する高校生など…さまざまな役柄を豊かな表現力で演じるシャラメに感服です（そしてひたすら眼福です！）。今回ご紹介した3作品はもちろん、若手ながら出演作が多いので、過去の作品を見て役者としての成長を追いかけてみるのもいいですね。実は今年も、『ボーンズ アンド オール』（2023年2月17日公開）を皮切りに、『ウォンカ（原題）』『デューン: パート2（原題）』（いずれも2023年公開予定）などシャラメの新作が目白押し。これは忙しくなりそうです。まだしばらくは、ティモシー・シャラメから目が離せそうにありません！

 

『ストーリー・オブ・マイライフ／わたしの若草物語』

text :洲崎真紀子（すさきまきこ）(Do it Theater)

これまで興行会社やNPOで映画関連事業に携わる。現在は小さな娘と一緒に映画を楽しむ方法を模索する日々。
シャラメの新作『ボーンズ アンド オール』は、人喰いの若者たちの愛と葛藤を描いたホラーだそうで…気になるので、見に行ってきます！

 

●Do it Theater（ドゥイット・シアター）
“あたらしいシーンは、Theaterからはじまる”をテーマに、シアター体験を作り出すプロデュース＆クリエティブチーム。FUDGE主宰の「Holiday Circus（ホリデーサーカス）」ではコンテンツクリエイションとして参加。また 累計5万人以上が来場した野外シアター「品川オープンシアター」や横浜赤レンガ倉庫・マリンアンドウォークヨコハマなど５会場同時開催の「SEASIDE CINEMA」、ミニシアター支援を目的とし全国5箇所でキャラバン開催したクラウドファンディングプロジェクト「ドライブインシアター2020」など、映画を観るだけではない、総合演出された新しいスタイルのシアター体験を全国に作り出しているチームです。
www.ditjapan.com

 

design_Koinuma Kenichi

edit_Takehara Shizuka

 

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