ONKUL
北欧ものと呼ばれるプロダクトの奥をのぞけば、彼らの生活の営みがあり、大事にしている伝統がある。そんなプロダクトを、小さなストーリーとともにご紹介します。
冬のたのしみは手芸。

「リュイユ」を独自の感性・世界観で制作するのは、フィンランドのヘルシンキをベースに活動するテキスタイルアーティストのメリッサ・サマルヴァーラ。リュイユのウォールタペストリー 上¥88,000、下¥187,000 /Melissa Sammalvaara(イデーショップ 六本木店)
長く暗い冬を過ごすため、北欧の手芸文化がさかんなのは、さもありなんこと。中でも気になるのはフィンランドのリュイユだ。
経糸に糸を結びながら織り込んでいくノッティングの織物で、幕開けは遅くとも16 世紀頃から。当初はラグやブランケットなどとして使われていたが、時を経るとともに実用から装飾品としての可能性が花開き、デザイナーやアーティストによる、モダンなアートリュイユが織られるように。
素材もウールだけでなく、リネンや馬の毛など多様性を帯び、長さや形もとりどり、自由でふっくらと温かな表現を放つ。
onKuL vol.19(2023年10月売号)より。
photograph:Takafumi Matsumura
styling:Mariko Nakazato
text:Mitsuharu Yamamura
re-rdit : ONKUL
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