ONKUL
江戸時代から続く職人の街のほど近く、下町風情の溢れる一角で、まるで海外のアパルトマンかと見まごう素敵な部屋がある。下町に佇む小さなパリ。そんな小洒落た雰囲気を感じさせる、インテリアコーディネーターのHさんのお部屋。
アクセントカラーを居室の一部に取り入れ、シンプルな中にもメリハリを効かせた空間。一見すると個性的、でもその個性にこそ住人であるHさんは心惹かれたのだそう。
Index
【インテリア術 ①】限られた空間だからこそ、好きな物だけを厳選
「この部屋の広さは20㎡ちょっと。どうやって理想の部屋に仕上げるかって考えた時、必要のないものは処分しようって決めたんです。以前は結構広い部屋に住んでいて、服や靴、家具もたくさんあって。それをこの部屋に全部持ってくることはできない…、じゃあ必要なものだけに厳選しようと。家具も、この際本当に好きな物を置こうって思ったんです」
見れば、いたるところにこだわりの家具や雑貨が並んでいる。どれもデザインされたハイセンスなものばかり。
「この家に住んでから家具は良いものに新調したんです。特に椅子は思い切って、ずっと欲しかったカールハンセン&サンの椅子を2脚購入しました。1脚は、ゆったり座れるサファリチェア。この部屋の色味に合わせて買ったイケアのキャビネットの横のスペースにすっぽり収まったんですよ。お籠り感のある中で、本を読んだりしています。もう1脚は、Yチェアとして知られるウィッシュボーンチェア。これもいつかは欲しいと思っていたので、引っ越しを機に買いました。私にしては頑張った金額だったんですけど、ずっと使えるものだし、子どもができたときに譲ることもできるなって」
「もっと広い部屋だったら、スペースがあるからとどんどん物を買ってしまうと思うんです。でも、この部屋のスペースは限られていて余計なものが置けない。だから、好きな物、本当に良いものを置きたいって思えて、私にはちょうど良い広さでした」
【インテリア術 ②】不要なものは引き算してバランスを整える
この部屋のカーテンレールはレース用と遮光用の2本あるタイプ。Hさんは外側にのみシアーカーテンを取り付け、内側のカーテンレールはランナーを抜いて観葉植物を吊るすために使用している。これだけで、部屋に動きが出るだけなく圧迫感をも取り払ってくれる。
「ランナーを抜くだけで余計なものが取っ払われて部屋がスッキリして見えるんです。実はスポットライトの数も減らしているんですよ。今のこの部屋には明るすぎるなって感じて。だから間接照明をところどころに置いて調整しました。細かい部分なんですけど、トータルで見るとバランスよく見えるんです」
【インテリア術 ③】アイテムは空間ごとに色や形を統一
この部屋のアクセントにもなっている観葉植物と大きな鉢。「観葉植物は銀座のmokuhon植物で買ったもの。鉢は日本橋で買いました。高さを出すために脚を足して、動きのある部屋にしたかったんです。ドローアラインにも色々な植物を並べています」
ベッド周りには色とりどりのポストカードを。吊り下げた照明とベッドリネン、すべての色と形がベストマッチしている。
【ディスプレイ】目を惹くカラーの壁を活かしてお気に入りの雑貨を並べる
光によって表情を変えるグレイッシュトーンの壁。この壁に映えるキッチン用品がずらりと並ぶ。
「S字フックで必要なものを引っかけています。右から2つめの栓抜きは、宮沢賢治の銀河鉄道をモチーフにしたもの。記念館で買ったものでお気に入りです」
グレイかかった緑の壁とのコントラストが素敵なイエローの花瓶。緑をちょっと足すことで、まるで額に入れた絵のよう。
「サファリチェアの上に飾られたプレートはジョンデリアン。備え付けのピクチャーレールに吊り下げて飾っています」描かれている鳥の絵のイエローが、花瓶ともマッチしている。
思い入れのある、こだわりのアイテムだけを選んで、センスよくコーディネートされたHさんのお部屋。決して広くはない限られたスペースでも、アイデア次第で、居心地の良い自分らしさ溢れる空間は作ることができる。部屋作りで取り入れたい工夫が盛りだくさんの、粋な遊び心が効いた一室だ。
Text : Tomomi Okudaira / photo: Hiroshi Yahata
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今回紹介した物件を扱う《REISM》は、中古物件をリノベーションで“再生”することで物件の魅力を高め、住む人と持つ人の満足度を最大限に高めてくれる。これまでになかった全く新しい価値や価値観を提供する、不動産に止まらない、都会での暮らしをワクワク豊かにするライフスタイルブランド。
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