kiitos.
疲れたときにそっと手を差し伸べて、心が向かいたい場所を示してくれる“香り”。実は自分の気持ちひとつで、その効果は100倍にも200倍にもなります。毎日のハッピーをつくるルーティンで、香りをもっと身近に感じて。
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教えてくれたのは…
HOLISTIA Lab|ブーレン ゆかりさん
メディカルアロマセラピストとしてだけでなく自身の闘病経験をもとにして、“心”にフォーカスしたオリジナルアイテムを展開する。さまざまな自然療法も取り入れたホリスティックなアプローチで「Well-being」を追求する、香りの先導者。HOLISTIA Lab https://www.holistialab.com/
「香り」の受け取り方は自分次第
五感の中でも嗅覚は、得た情報が直接脳に伝達される機能を備えると言います。思考や理性といったフィルターを通さずダイレクトに記憶や情動に伝わるので、“好き・嫌い”の判断は、非常に本能的。
「香りは、直感的に感じるものだからこそ心が動かされやすく、そのメンタルが身体のコンディションにも影響します。たとえば、すてきな温泉宿に行ったとしても、硫黄のにおいが強すぎて不快感の方が勝ってしまえば、そのせいですべて楽しめなくなってしまったり、普段ナチュラルな香りに触れている人が、同じ電車に乗り合わせた誰かの香水のにおいで悪酔いしてしまったり。香りの好き嫌いは心と身体に直結していて、だからこそどんなことに心が動き、どんなものが好きで嫌いなのか気づいておくことが大事なんです」(ブーレンゆかりさん)
好きか、嫌いかーー自分のことのはずなのに、はっきりとわかっている人は意外と少ないかもしれません。多くの人は心や身体が疲れていても、「いま疲れているからこうしたい」と意思表示することが苦手なのです。しかし、自分のことを知らなければどうやって疲れを解消したいのか、その回復方法にたどり着くことも難しくなってしまうもの。
「私が香りに携わっているのは、シンプルに香りが好きだから。でも、伝えたい一番大事な想いは“ウェルビーイング”に向かうこと。それは、いまいる環境の中で『心と身体が健康であり、バランスが取れた状態でいる』ということです。その実現のために、“香り”という手段を使ってみてはいかがでしょう」
過ごしている環境も、食べているものもそれぞれ違います。みんな違っているからこそ、その人が居心地よく過ごせる場所に、いろいろな方法でたどり着けばいいのです。「もしきっかけがわからなければ、まずはあなたの気持ちを中心に考えてみて。誰かに『疲れてるんじゃない?』と言われてストレスに気がつくより、自分で自分の疲れに気がつくからこそ、『じゃあこうしたい!』と行動の目的も生まれて、それが達成されたときの満足感だって高まります」
ストレスの原因や、心に受けた衝撃がどんな反応で身体に現れるかは人それぞれ。疲れやストレスはネガティブな側面かもしれませんが、本来はそれだってあなたの感情の一部。だから、癒し方を決まった枠に当てはめる必要はありません。どう癒していくかは、心の声を感じ取り、その気持ちに正直になればいいのです。そのとき、香りはいつだってあなたの味方です。
ストレスフリーな心の持ち方:自分を知る意識のトレーニング
①心の疲れを予防する
日々の忙しさに追われて立ち止まることをしていないと、自分が疲れていることにすら気がついていない場合もあります。しかも、疲れに鈍感なままであれば、気がついたときにはもう手遅れ……なんてことも。
心が疲れないための予防方法は、こんな時代だからこそ身につけておきたい必要なスキル。
「まずは自分に意識を向けること。そして、いま感じているストレスに気づくこと」。ブーレンさんが香りで目指すホリスティックなアプローチには、“自分を知ること”が欠かせません。疲れやストレスを本気で解決したいと思うなら、内面や嗜好をもっと意識してみましょう。どんなもので気持ちがときめくのか、どんなときに踊り出したくなるのか。心が喜ぶことを知っていれば、「嫌だな」と思うことがあっても切り替えられます。もやもやするときにこそ、嬉しくて楽しくなることを意識して、香りの力にも頼ってみて。心が疲れないためにできることは、案外身近にたくさんありますよ。
②たくさんの「好き」を集める
たとえば、毎日飲んでいるコーヒー。コンビニで買ったコーヒーを、いつものベンチで飲むのがお気に入りの人もいれば、隠れ家カフェの少し甘いコーヒーで、安らぎのひとときを過ごす人もいます。こだわりの豆を揃えた専門店を好むツウがいる一方で、チェーン店のあのカプチーノの味が最高だと言う人も。
同じ「コーヒーを飲むこと」でも、その人の好みによって選ぶ味やシチュエーションは異なります。大切なのは、自分の嗜好に合った「好き」を見つけることなのです。
「私自身、上手くなくてもズンバが好き!しかも、大好きなあの先生に習っているってこともすっごく重要。どんなにズンバが好きでも、やっぱりセンスがイマイチな先生のクラスじゃ全然楽しめないんです。小さなこだわりだけど、楽しいな、好きだなって心が喜ぶことを一つひとつ集めていくことが、実は疲れを予防することの第一歩なんです」。もうこの言葉の中に、好きを集める極意はすべて詰まっている!
③「嫌だな」に気がつく
好きなことや楽しいことがわかるようになってきたら、反対に“もやもやすること”“楽しくないこと”も認識してみましょう。「この人と話すときはなぜかいつも緊張するな」「勧められてはじめた習い事がなんだか楽しくないな」「どうしてLINEの返信がないんだろう」……そわそわ、もやもや。なんだかイライラしているその気持ちを自覚してみる。そうすることで、「いまいい気分じゃない、コンディションがよくない」と、自分がどんな状態なのかわかってくるはず。「嫌だな」という気持ちに気づけたときこそ、さあ香りの出番。「だったらどんな状態になりたい?」を考えてみましょう。
気持ちを落ち着かせたい?それとも元気になりたい?なりたい自分に近づけるためにどんな行動が必要?目指す姿を具体的に思い浮かべてみましょう。
“好きだな”だけでなく、“嫌だな”にも気づいてあげることができれば、意識トレーニングはもうバッチリ。香りを取り入れる心の準備は万端! 次回は香りのチカラを取り入れるメソッドをお届けします。
illustration:yogg edit&text:Kaoru Bansho re-edit:Yuri Iwata[press lab]
※kiitos. vol.21(2021年11月7発売)より抜粋。
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