唯一無二のスキンケアカウンセラーとして、約30年もの間数えきれないほどのトラブルスキンに触れてきた鶴岡悦子さん。肌トラブルに悩むたくさんの女性と向き合いながら導き出したのは、“スキンケアだけでは肌は変わらない”ということ。肌は心の鏡であり、生き方そのもの。清らかな想いを持って暮らしを楽しみ、豊かな経験の積み重ねでオリジナルの肌が育ち、その人ならではの美しさとなる。センスのよい生き方をして、自分らしい肌を育てよう。

お話を伺ったのは…

スキンケアカウンセラー 鶴岡悦子さん
長年、国内外の大手化粧品メーカーの社員教育に携わり、スキンケアカウンセラーとしても活躍。2008年、東京・銀座にスキンケアカウンセリングの専門サロン「ひとやすみ」をオープン。「美しい日本女性の生き方とスキンケア」をテーマにした講座やカウンセリングに定評がある。肌だけでなく、意識や習慣、生き方まで変わり、前向きになれると多くの女性から信頼を寄せられている。（問）tel：03-5537-3322

 

内面を磨く心がけと習慣

「習慣が人生を変えます。変化がない方はこれまでの習慣を続けている人」と鶴岡さん。日々、美しい想いで過ごしていると、自然と行動にも変化がうまれてくるもの。心も表情も穏やかになり、愛される人になっていくはず。

 

✔︎暮らしのリズムを整える

「リズムが乱れた暮らしを続けていると、人はだらしなくなります。だらしない生き方をしていると、決していいことは起こりません。最近は、リモートワークなどが影響し、生活習慣が崩れてしまっている方が少なくないようです。同じ時間に起き、規則正しく食事をして仕事や家事に取り組む。自分の内側に習慣を刻むことで、身体はその時間に動くようになります。リズムの整った生活には、自然と優雅な時間が盛り込まれます」

✔︎言霊

「普段何気なく使っている言葉に意識を向けていますか？ 言葉は自分の内側に蓄積されて出てくるもの。『やばい』『めちゃ』など流行語のように使われている言葉は、いまの自分に相応しいでしょうか。穏やかでやさしい生き方さえ意識していれば、人を不快にさせるいじわるな言葉は出てこなくなります。自分自身が深く心の中で納得した言葉だけが人の心を自然と動かすことができ、年齢は関係なく表情に品格さえもにじみ出てきます」

✔︎部屋は生き方そのもの

「部屋の乱れは心の乱れ。部屋に入った瞬間、その方の生き方、考え方が分かります。ゆとりのある心を忘れずにさえいれば、いつでも人を招きたいと思える整った空間に変わっていきます」

✔︎自分を褒めて励ます

「1日の終わりに、自分を思い切り褒めてあげましょう。“今日は人に気遣えたね、さすが！”と褒めているうちに、本当に気遣えるようになります。落ち込んでいるときは、自分で自分を励ましてあげましょう。“大丈夫。大丈夫”と声をかけてあげると不安がなくなります」

✔︎体験をすることは最高の美容法

「頭で理解しても、暮らしの中で実践できていなければ意味がありません。学んだことを自分の中に取り入れたら、体験して感動することが内なるエネルギーとなります。遊びには多くの学びがひそんでいます。最高の美容法とは、美しい場所を訪れ、美しい言葉を交わし、美しい心を持った人々と出かけて楽しむことです」

✔︎誘われる人より誘う人になりましょう

「誘われている人はその場を楽しむだけでエネルギーはあまり使いません。誘うということは、お世話をすること。誘った人は相手の気持ちに寄り添い、お世話をしなければなりませんから多くのエネルギーを使います。その分、自分の内側にかけがえのないエネルギーが高まり、成長へとつながっていくはずです」

✔︎“ご自愛”の気持ちを忘れない

「人に合わせた生き方をしていませんか？ 気が乗らない誘いに嫌々応じたり、話を相手に無理やり合わせたり。自分の正直な気持ちを押し殺し、気を遣って言葉を変えることは、罪であり、嘘であり、かえって相手を惑わすことになります。ここでお伝えしたい“ご自愛”とは自分を大切にして、愛すること。自分に嘘をつかず、ないがしろにせず、ありのままの自分を示すこと。その積み重ねが内面の変化となり、自然とほかの人々との信頼関係も深まっていきます」

✔︎よい体験は多くの人に伝える

「楽しかったこと、ワクワクしたことがあったら、人にどんどん伝えましょう。自分から発すると、自然と相手からも返ってきて、エネルギーが循環していきます。自分の中に溜め 込んでいては、新たなよい機会に巡り会えません」

✔︎「あとで」と「そのうち」はなくす

「『あとで』『そのうち』しようと考えているだけで、多くは行動しないまま。それでは、せっかくのよい機会を逃してしまいます。『あとで』と『そのうち』はもはや死語。後まわしにしがちなことほど、即行動することですべてがよい方に向かっていきます」

✔︎365日、生花を愛でる

「枯れた花や植物が目の前にあるとき、どう感じますか？ 愛おしむ心が宿っていると、枯れたままの状態で部屋にあることが耐えられないでしょう。花が咲き誇る姿を目にするのは、日常の美しさに触れる瞬間。花や植物を枯らさない暮らしは、その方の生き方へと反映されます」

✔︎“ありがとう”と言われる行動をする

「人から感謝されたとき、褒められるとき、瞬時に表情と肌が変わります。たくさん“ありがとう”と言ってもらえるような行動を心がけましょう。つねに謙虚で助け合う想いで生きていると、自然と人に対する行動が変わっていきます」

✔︎失敗談を話す

「人生は成功よりも失敗した経験のほうが多いかもしれません。失敗した話こそ隠さず誰かにすることで、聞いた方はそこから成功を学ぶことになります」

 

photograph:Keiko Ichihara　edit&text:Chie Sakuma　re-edit:Yuri Iwata［press lab］
※kiitos. vol.20（2021年8月6発売）より抜粋。

• 
• 
• 
•