kiitos.
大人になっても、その響きだけで子どもの頃と同じように心が躍る。遠い場所へ出かけたり、会いたい人に会ったり、まだ叶えられないこともあるけれど、特別な夏休みにするアイデアは、あなたの心の中にきっと眠っているはず。
2030年までに達成すべき世界目標、“SDGs”。持続可能な世界をつくるために取り組むべきことは? 日々をサスティナブルに暮らすヒントを、低炭素な旅の経験者・小野りりあんさんに教えてもらいました。
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おでかけナビゲーター
モデル・気候アクティビスト 小野りりあんさん
「Let’s Talk About Environment!(環境について話そう!)」がテーマのオープンコミュニティ『Spiral Club』(spiral-club.com)の立ち上げなど、気候変動についてアクションし続ける活動家&モデル。Instagramでも活動内容を発信中(@_lillianono_)。
CO2を出さない旅ってどんな旅?
「世界ではいますでに、気候変動による温暖化や自然災害が相次いで発生していて、近い未来、地球に住めなくなる日がやってくるかもしれません。もし、何かひとつアクションを起こすことで、未来が劇的に変わるなら、行動しない理由はないと思いました。地球の明日についてもっと真剣に考えたい。そのために、まずは環境問題に取り組む人たちに会いに行こうと決めたのが、この旅のはじまり」
マドリードで開催の「COP」を目指し東京を出発。韓国を経由してシベリア鉄道でモスクワへ。その後、ヘルシンキ、ベルリン、ハンブルク、ニース、ヨーロッパの国々を巡ってマドリードへ到着。さらにアメリカへ渡り、メキシコから貨物船に乗り込んで帰国。その期間、約100日。旅ではいくつかの決めごとをつくったと言います。
「ひとつ目は、CO2排出量が多い飛行機にはなるべく乗らないこと。移動には船と鉄道とバス、そして自分の足を使う。ふたつ目は、環境負荷を下げるため、肉・卵・乳製品などの動物性食品はできるだけ避けること。現地ではヴィーガンレストランを検索できるアプリ〈Happy Cow〉を活用。3つ目は、海に流れ着くプラスチックを減らすため、歩きながらプラゴミを拾い集めること。そして、旅で人と積極的に出会い、会話を大切にする。会いに行こうと決めて会った人、偶然知り合った人、旅で出会った全員と環境問題について語り合い、SNSで発信していくことの勇気とエネルギーをもらいました」
地球の危機にじっとしていられなかったこともあるけれど、「CO2を出さない旅を体験してみたかった」と話すりりあんさん。いつだって、“やってみたい!”の気持ちが、原動力。
旅を起点に考えるSDGsのエッセンス
見るもの、聞くもの、触れるもの。旅で出会うすべてが気づきと学びになる。りりあんさんが得たSDGsな視点とは?
ESSENCE:01 印象深い旅でのできごと
海外では年齢に関係なく社会に意思表示し、ときには危険を冒してでも行動を起こす人も少なくないそう。例えば、ベルリンでは未来を守るため、老若男女問わず27万人もが、まるでフェスに行くかのようにデモ活動へ参加。ロシアは公共の場での活動が違反だとしても、気候変動を止めたいと声を上げる人も。一方の日本は、自由に発言できる恵まれた環境があるのに、自ら声を上げようとする文化が少ないのが現実。この違いを肌で感じたとき、すべきことが見えてきたと言います。
ESSENCE:02 旅がもたらした変化
帰国後は人からどう見られているのかが気にならなくなり、「恐いものがなくなった」と、りりあんさんは話します。「表立って声を上げる人は少ないけれど、日本にも環境問題について危機感を持っている人は大勢いるはず。そして、何か行動したいけれど、でも勇気が出ないという人もきっと多い。だから、自分がやるべきことはそういった人たちの代弁者として発信していくこと」。旅で身につけた“チャレンジを恐れない勇気”が、活動の原点に。
ESSENCE:03 相手を信じてリクエスト
普段生活しているなかで、気がついたことから声を上げてみる。例えば、「ストローなしで」「袋はいりません」など、小さいことでもいいのです。「最初は緊張しても、お店の人に『私はこうしたい』とリクエストを出すことからはじめてみて。知らない人とのコミュニケーションを恐がらず気持ちを伝えてみると、意外とみんな応えてくれます!」会話の相手を信じて、ちょっと勇気を出してみましょう。その一言が、明日を変えるきっかけにつながるはず。
「SDGsなおでかけ」ってこんなこと
りりあんさんが旅を通して学んだエシカルな視点を、夏のおでかけにもちょっぴり応用。エッセンスをひとつ取り込むだけでも感じることは増えるはず。いつもの夏を変えるのはきっと、SDGsな行動!
◼️移動手段
もちろん、徒歩や自転車が地球にとってはベスト。運動不足も解消できる一石二鳥の移動手段。とはいえ、せっかくの休暇なので少し遠方へ足を延ばしてみるなら、カーシェアリングサービスを活用するのも◎。ただし、CO2排出量は減らしたいので、できれば電気自動車をチョイスしたい。ひと昔前に比べると充電スポットが増え、乗り心地も年々改善されています。また、“シェアサービス”は持続可能なアクションにもつながるので、ニューノーマルな旅にはぴったり。バスや船など普段と違う移動手段も視野に入れてみて。
◼️食事
食肉を育てる過程では多くの温室効果ガスとCO2が排出され、森林破壊の原因に。環境にいい食材を選ぶこともSDGsの一環です。食卓に並ぶ料理はなるべく野菜がメインの献立にして、気分転換に外でおいしいものを食べたくなったら、旅先でのりりあんさんのように、ベジタリアン・ヴィーガン食を提供しているレストランを探してみて。SNSやWebメディアの情報を活用しながら、気になるヴィーガン店巡りをしてみる夏も、また一興。
スマベジ
◼️買い物
買い物時は、できるだけプラゴミを出さない工夫をしてみましょう。りりあんさんの旅のエッセンスを取り入れて、まずは不要な袋や過剰包装を断ることからはじめてみては。「国際環境NGOグリーンピース・ジャパン」が提供しているWEB上のマップ〈グッバイ・ウェイスト〉を使えば、日本全国のプラゴミを出さないお店を探したり、自分で登録することも可能。どこで買い物するか選ぶことも、サスティナブルな視点のひとつ。
グッバイ・ウェイスト
◼️交流・情報
情報が入ってくる環境を整えておくと、次の行動に移しやすくなります。例えば、環境問題に取り組むコミュニティに参加しておけば、同じ気持ちを持った仲間が増えて心強くもなります。インスピレーションを受けて、「もっとこうしたい」というニーズが自分の中に出てきたら、そのときがアクションを起こすタイミング。身のまわりのこと以外にも視野を広げてみましょう。サスティナブルな視点で街を歩けば、いつもの風景も特別な場所に。そうして自分の気持ちに誠実になれたとき、街と人と自分を、もっと好きになるはず!
photograph:Ririan Ono edit & text:Kaoru Bansho re-edit:Yuri Iwata[press lab]
※kiitos. vol.20(2021年8月6発売)より抜粋。
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