kiitos.
この不調もあの感情も、すべては自律神経によるもの。簡単なライフハックや、知っておくとお得な情報、話のネタになるものまで。日常における、あらゆる自律神経の雑学をお届け。楽しく向き合って、ステイヘルシー!
ストレスは目には見えないけれど、「からだ」はとても正直。身体的なアプローチによって、心にまで嬉しい効果が期待できそう。
Index
教えてくれたのは…
内科・美容内科里見英子先生
医師歴は約40年! 患者の8割が女性という「大阪の駆け込み寺」。著書にナニワの美女医がこっそり教える ほんまにキレイな美容術』(主婦の友社)など。健康法は「毎日20分は湯船に浸かり、ストレスを次の日に持ち越さない」こと。
里見英子クリニック
ADDRESS:大阪府大阪市東淀川区豊新5-15-4
TEL:06-6328-3103
URL:http://www.satomi-eiko.com/
患者としっかり向き合いたいと、8年前に開院。内科のほか、美容内科・アンチエイジングの相談もできる。
循環器内科 予防内科 長橋達郎先生
2020年、日本ではじめての「予防内科」を立ち上げ、講演会やセミナー、イベントなどを積極的に開催。食事・運動・睡眠・マインドフルネスをベースにした生活習慣を患者に指導する。自身も自律神経を整える朝のルーティンワークを実践している。
港北ハートクリニック
ADDRESS:神奈川県横浜市都区茅ヶ崎中央1-2
センター南駅光ビル4F TEL:045-945-5810
URL:https://kohoku-heart.com/
Instagram @kohoku_heart
twitter(X) @kohokuheart
健康維持のクリニック「未病改善外来」が特徴。天然木の香りや漆喰の壁で癒しの空間に。
「乗りもの酔い」には交感神経に刺激を与えて
「乗り物酔いは、揺れることによって耳の奥の内耳のバランスが乱れている状態。副交感神経が優位になりすぎています。氷を口にしたり、首まわりを冷やすなど交感神経に刺激を与えましょう。おしゃべりもいいですね」(長橋先生)
「ネイルケア」で気持ちを落ち着かせる
ネイルケア(爪もみ)は、自律神経の乱れを整える効果が。「ネイルケアをする際に、爪のまわりのツボを押します。親指と人差し指で爪の生え際を押すようにもみましょう。人差し指は胃腸障害、中指は耳鳴りに効果があるようです」(長橋先生)
「足裏の日光浴」で冷え性を改善
「紫外線は美容の大敵ですが、太陽光は自律神経を整える効果も。日焼けを気にする人には、足裏にのみ太陽光を当てる健康法がおすすめ。日光で得られるビタミンDによって血行が促進。足裏を少し高くして、20分間日光に当てればOK。足裏なら日焼けも目立ちませんよね」(里見先生)
「虫歯」でストレスチェックできる
「唾液はいわゆる消化液で、ゆっくり物を食べるときに出るもの。ストレスがかかっている状態のときは『消化している場合じゃない』と脳から信号が出て、唾液が減ります。唾液は虫歯予防の効果もあるんですよ」(里見先生)
自律神経の乱れは「マスク」が原因かも
不調を感じたら、それはマスクが原因かも!?「自律神経の働きをよくするためには気持ちいいと感じられる状態をつくっておくことが大事です。マスク着用時も、自分にとって心地よい状態になるよう工夫しましょう。不快だと感じたら、定期的にマスクを外して深呼吸をしてみては。放っておくと頭痛につながる場合もあります」(長橋先生)
「マスク着用はストレスがかかっている状態ですから、自律神経が乱れる原因になることは大いにあります。休憩時間に耳の後ろのゴムが当たる部分をクルクルとマッサージするなどして、知らずに抱えているストレスを緩和させましょう」(里見先生)
「ゴルフに行く前」に整体へ行くといいスイングができる
身体のバランスを整えてからスイングすることで、交感神経を活発にさせ、いい結果が出せるのだそう。「整体はウォーミングアップになっているんですね。実は『ゴルフ』そのものが自律神経にいいのです。コースには緑があり、風が吹いていて、自然に触れることで副交感神経の活動が高まり、ボールを打つときには交感神経が緊張するという、とてもバランスのいい運動なんですよ」(里見先生)
疲労回復なら「横を向いて寝る」
仰向けで寝るといびきをかきやすくなると言われますが、実は気道が狭くなり自律神経に負担がかかっている状態。「本来であれば、寝ている間に寝返りを打ちますから、自然といちばん楽な方向へ向いているものです。より寝返りを打ちやすいように、横を向いて入眠するのがいいですね」(里見先生)
「右向きでも左向きでもどちらでもいいと思いますが、強いて言うなら、人間の解剖学的には、胃が左側にあるので、逆流性食道炎になりやすい人は左を下にしたほうがよいと思います。睡眠は疲労回復には欠かせませんが、いびきをかいてしまうと、疲労を取ることができません。自律神経のバランスを整えるためにも、睡眠の質を高めましょう」(長橋先生)
イライラしたときは「手」の力を抜く
「イライラしている状態は、いわば闘争をはじめるときのようなもの。戦いに行くときに武器を握るように、本能的に手がとても緊張しているのです。交感神経が優位になっていると、無意識に身体のどこかに力が入っています。そんなときは、手を握って開いてを繰り返してみてください。親指のつけ根あたりから力を抜き、グーっと力を入れて握って、パーっとゆっくり力を抜いて手をほどく。グー、パー、グー、パーと、何度かやってみましょう。それだけでも身体の力が抜けてほぐされ、心もひと休みできます。怒りそうになったとき以外にも、ストレスを感じたり、疲れを感じたときにも有効。短時間でできますので、深呼吸しながらやってみてください」(里見先生)
「太っている原因?」モナリザ症候群とは
名画のことではなく「肥満者の大多数は交感神経の働きが衰えている」という意味の英文の頭文字。「自律神経が乱れていると活動性が落ちますので、確かに肥満の原因になります。新陳代謝が衰えることにもつながります」(長橋先生)
「ストレスで食べすぎて太ってしまうということもありますが、そういう人こそ自律神経を整えるような生活を心がけて」(里見先生)
「激しい運動」は自律神経が整うまでに時間がかかる
「適度な運動はいいのですが、激しい運動は逆に寿命を縮めるというデータもあります。身体を動かすときは無理せずに」(長橋先生)
「激しい運動で交感神経がかなり優位に立つので、それを元に戻すにも時間がかかります。健康な人は時間をかければ元に戻りますが、そうでない人はなかなか元に戻りません。健康か否かはこういったところにも影響が出ます」(里見先生)
illustration : Fumiko Shukuya edit&text : Mayumi Hamaguchi re-edit:Yuri Iwata[press lab]
※kiitos. vol.23(2022年5月13日発売)より抜粋。現在は販売を終了している商品もあります。
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