FASHION

出典:コンバースのスニーカーでバランスをとった上級レイヤードコーデ【本日のFUDGE GIRL-1月25日】

連載『お洒落さんのためのファッション用語辞典』では、トラッドファッションから最新のファッションまで、FUDGEでおなじみのファッション用語についてわかりやすく解説します。第76回目は「スタジアムジャンパー」のルーツを探ります。「スタジャン」と呼んで、愛用している人も、この連載を読んでその背景や起源を知れば、毎日のお洒落がより楽しくなること間違いなし!

 

【用語解説】「スタジアムジャンパー」を知ろう。

出典:ハイブランドをうまく取り入れてつくるレトロガールコーデ。スタジャンで甘さを調整して

「スタジアムジャンパー」とは、スナップ留めの前開き、両脇に斜めに入るポケット、リブ編みになった襟、そで口、裾などが特徴のジャンパーのことをさす、和製英語です。そもそもの発祥地であるアメリカでは「ベースボールジャケット」「ヴァーシティジャケット」または「アワードジャケット」と呼ばれています。身頃と袖の色や素材が違ったり、胸や背中にイニシャルやマークが入る場合もあり、日本では「スタジャン」と略して呼ばれることがあり、FUDGE GIRLたちにはこのほうがなじみがあるかもしれません。

 

【歴史】アメリカの野球選手が寒さ対策で着用していたもの

出典:スタジャンをさりげなく着るなら、白のワントーンが相性良し!【FUDGE 1月号連動企画-COAT AND JACKET-No.011】

「スタジアムジャンパー」「スタジャン」が、もとは野球選手などがスタジアム(競技場)で防寒用に着用していた、いわゆるウォームアップ(あたたまる)アウターで、原型はざっくりとしたローゲージニットのカーディガンでした。それが1910年代ごろに、用途に合わせた丈夫さを備えたものへとアップデートし、今の「スタジアムジャンパー」に通じるブルゾンスタイルへとアップデートしました。

スポーツシーンにおいて、本来「ウォームアップアウター」は防寒着でしかありませんでした。つまり実用性と機能性が備わってさえいればよく、ファッション性とは無縁なアイテム。ですが、1960年代に、アイビーリーグのスポーツシーンでも「スタジアムジャンパー」が採用されたことをきっかけに、「スタジャン」は一気にファッション性を帯びていきます。スウェットやレタードカーディガンがそうだったように、在籍する大学や高校、チームのイニシャルを胸元など目立つところに入れ、花形選手が制服のように身にまとうことで、「スタジャン」はたちまち在校生の羨望の的になったのです。

1970年代になるとこの流儀が限られた大学のみならず、全米の他大学へと拡大。所属先のイニシャルだけでなく、マスコットやスローガン、優勝年度、成績などバリエーション豊かなレター(文字)でデコレートされるようになり、華やかさが増していきました。そうなると、スポーツとは無縁の人々の目にも留まるようになるのが自然な流れ。防寒着としてではなく、「スポーツマン」のようなファッションを装いたい人、アイビーリーガーのようなファッションを楽しみたい人々が、タウンシーンで愛用するようになりました。同じ頃、日本にも「スタジアムジャンパー」が紹介され、「アイビールック」に欠かせないアイテムとして人気に。今日でも、ファッション界に定番として君臨するアイテムのひとつといえる存在です。

ちなみに「スタジアムジャンパー」「スタジャン」という和製英語の発案者は、アメリカのカジュアルシーンで流行していた数々のファッションを日本国内に紹介、また自身のブランドに取り入れ、アイビーブームを巻き起こしたブランド、《ヴァンヂャケット》の創設者である石津謙介氏です。

 

【雑学】ルーツはカーディガンにあり!?

「スタジアムジャンパー」「スタジャン」が、もとは野球選手などがスタジアム(競技場)で防寒用に着用していた、いわゆるウォームアップ(あたたまる)アウターであったことは、先にお話ししました。現在資料として残る写真を参考に、当時のアメリカのメジャーリーガーユニフォームをイラストにしてみると、こんな感じになります。

左はカーディガン時代。1911年にニューヨーク・ハーレムでリンカーンジャイアンツの選手です。右はニューヨーク・ヤンキース時代のべーブ・ルース。ルースは1920年~30年にヤンキースに所属していたそうですが、その間のいつごろでしょう。カーディガンスタイルと似ているようで、生地は丈夫になり、アウター色が強くなっているのがわかります。今の時代の「スタジアムジャンパー」「スタジャン」とほとんど変わらないデザインだと思うと驚いてしまいますね。

 

監修:朝日 真(あさひ しん)

文化服装学院専任教授、専門は西洋服飾史、ファッション文化論。早稲田大学文学部卒業後、文化服装学院服飾研究科にて学ぶ。『もっとも影響力を持つ50人ファッションデザイナー』共同監修。NHK『テレビでフランス語』テキスト「あなたの知らないファッション史」連載。文化出版局『SOEN』他ファッション誌へ寄稿多数。NHK「美の壺」他テレビ出演。

 

illustration_Sakai Maori
edit & text_Koba.A

 

FUDGE CHOICE

  • サムネイル
    PR
    足元のおしゃれが楽しい季節...
  • サムネイル
    PR
    北欧発《アラビア》の食器と...
  • サムネイル
    PR
    スープに恋するあの子の行き...
  • サムネイル
    PR
    《 H.P.FRANCE 》 40th Anni...
  • サムネイル
    PR
    That “BERING《ベーリ...
MORE MORE
サムネイル
PR
足元のおしゃれが楽しい季節、《 KEEN(キーン)》の人気スニーカーが主役!【FUDGE FRIEND 大島花菜の冬のお出かけ2スタイル】
サムネイル
PR
北欧発《アラビア》の食器とインテリアで叶える憧れの日常【FUDGENA SPECIALIST : riko × ARABIA】
サムネイル
PR
スープに恋するあの子の行き先は“ちびまる子ちゃんの町”静岡県清水? さくらももこも《野菜をMOTTO》も生まれたあの場所へ。
サムネイル
PR
《 H.P.FRANCE 》 40th Anniversary !“好き”が見つかる、とっておきのプレゼント
サムネイル
PR
That “BERING《ベーリング》 girl” at my regularcafé. 気になるあの子と腕時計
サムネイル
PR
クラシックなのに軽やか。《ムーンスター》の「SPxx」からスニーカー発想の新作ローファーが登場!
サムネイル
PR
初心者が買うべきランニングシューズは《アシックス》の「GEL-PULSE 16(ゲルパルス 16)」。ふだん着に合わせてもこんなに可愛い!
サムネイル
PR
冬コーデの差し色にもぴったり!《グッド グッズ イッセイ ミヤケ》からカラフルな新作アイテムが登場
サムネイル
PR
《エディー · バウアー》×『メンズ・ファッジ』の限定コレクション!Let’s welcome winter
サムネイル
PR
欲しいのは上質なニット!《NARU FACTORY》のフェアアイルニットの秘密を紐解く、11の質問 【もの作りの場を訪ねて|FUDGE dig.】
サムネイル
PR
ランニングデビューに迷ったらこのシューズ!ABCマートで見つけた、軽くて可愛い《アシックス》の「GEL-PULSE 16(ゲルパルス 16)」
サムネイル
PR
有楽町駅前にできた大型の〈ホカ 丸の内〉にはもう行った?10月に開催したランニングイベントをレポート
サムネイル
PR
ホリデーシーズンのお洒落は《ラコステ》と。気取らないふたりの素敵な着こなし
サムネイル
PR
イギリス発《 J.J.Mercer(ジェイジェイマーサー)》のトップスがおしゃれの主役!FUDGENA & FUDGE FRIENDの秋コーデ
サムネイル
PR
11月の運勢とあなたに合う《KUOE》の腕時計は?まとめてチェック!【《KUOE》Collaboration |FUDGE.jp 12星座×血液型占い】
サムネイル
PR
いまから着れる冬アウターは、《ミルクフェド》で探してみない?
サムネイル
PR
ラコステの香りと2人の日常。How to spend with LACOSTE L.12.12
サムネイル
万能なチノパンツが欲しい!《Traditional Weatherwear》のユニオンスラックをチェックしたい【FUDGE dig.|長く愛用できるチノパンツ名品リスト- 03】
サムネイル
秋のデニムスタイルは、大胆なロールアップと差し色でこなれ感を演出して【FUDGE 10月号連動企画 – 濃紺デニムがあれば。| DAY 7】
サムネイル
【2025】美容師がおすすめするヘアスプレー8選!髪質や仕上がり別にプロが解説

PRESENT & EVENT

サムネイル

編集部から配信されるメールマガジンやプレミアム会員限定プレゼント、スペシャルイベントへの応募など特典が満載です。
無料でご登録いただけます。