FASHION
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モナコ公妃が纏った「アルハンブラ」
誰もが夢見る輝きなのになぜか親しみが湧くのはきっと、幼い頃に心ときめかせながら四葉のクローバーを探した思い出があるから。メゾンの創業者の甥であるジャック・アーペルの口癖、“幸運になりたければ、幸運を信じなさい”という言葉をその形に託した「アルハンブラ」コレクションは、気品に満ちながらもやわらかな愛嬌を持ち合わせ、女性たちを輝かせる。“クール・ビューティー”と称されたハリウッド女優、グレース・ケリーも「アルハンブラ」を愛したひとり。のちにモナコ公妃となる彼女が、結婚の際にモナコ大公レーニエ3世から贈られたのも《ヴァン クリーフ&アーペル》のジュエリーだったんだって。いつか私にも、そんな日がくるのを夢見て……。
カトリーヌ・ドヌーヴが好きな「ベル ヴィヴィエ」
シューズブランド《ロジェ ヴィヴィエ》のアイコンシューズ「ベル ヴィヴィエ」を語るうえで欠かせない人物、それはフランスを代表する女優、カトリーヌ・ドヌーヴだ。1967年に公開された映画『昼顔』で彼女が着用したことにより、一躍有名となった。長方形の大きなバックルが特徴で、パンプスの他にもバレリーナやサンダル、はたまたバッグまでその優美なアイコンは大活躍。オリジナルモデルはスカイスクレイパーヒールを携え、よりエレガントなデザインで、ドヌーブを筆頭に世界の女性の足元を美しく彩ってきた。フレンチアイコンとして活躍するドヌーブは現在80歳。近年も「ベル ヴィヴィエ」を愛用する姿が目撃されている。
ジェーン・バーキンのスタイルをつくるもの
Tシャツとデニムとスニーカー、スタンダードなアイテムをシンプルかつスタイリッシュに着こなす、それがジェーン・バーキン! カジュアルなブランドもラグジュアリーなブランドも自分らしく落とし込んだ着こなしは、いつの時代も注目の的でした。そんなジェーンが好んで纏っていたのがジーンズとスニーカー。ジーンズは《リーバイス》の「501®︎」ボーイズサイズや、「701」を、スニーカーは《コンバース》のオールスターがお気に入り。ジーンズの裾をロールアップしたりカットオフしたり、スニーカーはソックスを合わせたり、時にはシューレースを取り除いて素足で履いてみたり。大切なのは自分らしさということを、彼女のスタイルから知るのでした。
オードリー・ヘプバーンと踊ったローファー
フラットシューズって、言葉だけだとカジュアルな印象だけど、実はとってもお上品。特に《トッズ》のシューズは、歴史的なファッションミューズからセレブまで愛用してきた名品揃い。ダイアナ妃やアン・ハサウェイなど、錚々たる名が並ぶけれど、注目すべきは1957年制作の映画『パリの恋人』でオードリー・ヘプバーンが劇中で履いたといわれている1足。現在、3代続く《トッズ》ブランドの確立は1970年代であることから諸説はあるものの、1900年代から続く靴づくりの歴史から当時の靴のスタイルを継承していることは十分に考えられる。時代を経て、現在のドライビングシューズ「ゴンミーニ」シリーズへと脈々と受け継がれるデザインはノーブルな足元をつくる代名詞として現在も人気。
英国王室御用達の美しいニットウエア
イギリス王室と縁の深い《ジョン・スメドレー》。2013年にはエリザベス女王から、2021年にはチャールズ国王からロイヤルワラントを授かった、格式高い老舗ニットメーカーだ。創業は1784年、世界最古の製造工場を持ち現在もクラフトマンシップのもと、イギリス国内で生産を行っている。普遍的なデザインに加え、上質な着心地を兼ね備えたニットウエアは、何年も繰り返し着続けることができるエターナルアイテム。エリザベス女王も愛用していたといわれるセーターに、パールのネックレスを重ねて、淑女を気取るのもいいかもしれない。
計算されたジョン・レノンの丸メガネ
1926年創業の《オリバー・ゴールドスミス》は英国メガネの老舗。数ある名作の中でも、メガネ愛好家で知られるジョン・レノンが愛した「オーバル」は注目すべきモデルだろう。このブランドでメタルフレームの復刻が珍しいうえに定番化していることや2011年、ジョンの命日にリリースされたストーリーも胸に響きます。見た目は少し楕円のようで実際かけると真円に見える、錯覚を利用した緻密な設計。それでいて軽くて丈夫なチタン製かつ、流行り廃りのないクラシカルなデザイン……、とくれば知的な印象のメガネはこれ一択でいいのかも?
ブリジッド・バルドーが生んだバレリーナシューズ
パリジェンヌのクローゼットに必ずといっていいほど並ぶ、可憐なバレリーナシューズ。その所有者第1号となったのが、永遠のフレンチアイコン、ブリジッド・バルドーだ。いつだって自然体で自由奔放……、そんな彼女が欲しかったのは、セクシーなヒールパンプスではなく、いつだって走り出せるフラットシューズ。幼い頃にバレリーナを目指していた彼女はダンスシューズの老舗《レペット》のアトリエを訪れ、“バレエシューズと同じくらい履き心地のいいフラットシューズをつくってほしい”とオーダーしたのだそう。映画『素直な悪女』でそれを着用したことでたちまちパリジェンヌたちの目を引き、今や世界中のレディたちの定番アイテムに。
photograph_Kojima Yohei
styling_Akashi Emiko
hair & make-up_Ohgimoto Naoyuki〈POIL〉
model_Gray Harris
edit_Hino Harumi〈KIP inc〉
text_FUDGE, Shibata Moe
design_Kawai Hiroyasu〈VIA BO, RINK〉
FUDGE vol.245 2023年12月号より
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