FASHION
わたしのおばあちゃんのファッションアイコンは英国女王、“エリザベス2世”。おばあちゃんが身に着けるものは、女王陛下が愛した逸品ばかりなの。だから、聞いたんだ。「おばあちゃんのエッセンシャルは何?」ってね。
LAUNER LONDON
60年代に英国王室御用達のバッグメーカーとして指定された《ロウナー ロンドン》。 “このバッグがないと、きちんと服を着ている気がしない”と語るほど、女王陛下の装いを支えてきた。中でも、「椿姫」と名付けられたハンドバッグ「トラヴィアータ」は女王が最も愛用していたモデルのひとつ。スクエアなフォルムにゴールドのプレートロゴが上品で、内側は柔らかな肌触りのスウェードと手鏡もセット。「携えるだけで、エレガンスが香るわ」とおばあちゃんもご機嫌だ。
ハンドバッグ[23.5×20×10cm]¥385000/LAUNER LONDON(エイチ アイ ティー)、コート¥104500/hannes roether (金万)、帽子¥44000/CA4LA Atelier Made(カシラ プレスルーム)、イヤカフ¥35200、ネックレス¥69300、リング¥88000/以上すべてe.m. (イー・エム アオヤマ)、ブローチ[FLOWER]¥8640、ブローチ[RIBBON]¥15750/ともにABISTE(アビステ)
BURBERRY
《バーバリー》の創始者、トーマス・バーバリーが、兵士を守るための軍服として生み出したのが、トレンチコート。撥水性を備えつつ抜群の耐久性を誇る生地“ギャバジン”を開発したことも革命的で、機能性とファッション性を両立した名品として歴史に名を刻んでいる。女王陛下もバーバリーを素敵に着こなしていたけれど、おばあちゃんにも似合っているなぁと熱視線を送っていたら、「そうね、あなたが素敵なレディになったときに譲りましょう」と嬉しい約束をしてくれた。
トレンチコート¥324500(予定価格)、タートルネックセーター¥125400(予定価格)/ともにBURBERRY(バーバリー・ジャパン)、アンティークスティック¥11000(ケントストア東京目黒店)、その他/スタイリスト私物
FULTON
雨の多い英国では、レインコートが主流。とはいえ、公務時には傘が必要だったため、女王陛下の母クイーン・マザーが採用したのが透明なドーム型の傘《フルトン》。その後、2008年にはロイヤルワラントの称号が授けられ、英国王室の雨の日の相棒として人気を博している。フルトンの代名詞とも言える透明長傘「バードケージ」は、鳥籠のような深いアーチ型とカラフルな縁取りが特徴的。「色の魔術師なんて言われている女王陛下は、傘もコーディネートの一部なのよ。私も真似しちゃうわ」とおばあちゃんもブルーで色合わせ。
ビニール傘¥6050/FULTON(ムーンバット)、コート¥19800/NOMBRE IMPAIR(ノンブルアンペール吉祥寺パークストア)、タートルネックセーター¥25300/TICCA( ティッカ)、キルトスカート¥23100/O’NEIL OF DUBLIN(アビークローゼスト/エイチ アイ ティー)、シューズ¥24200/SLOWFACTORY(ムーンスター カスタマーセンター)、パールイヤリング¥5500、ブローチ[DOG]¥15750、ブローチ[APPLE]¥7980/以上すべてABISTE(アビステ)、ソックス/スタイリスト私物
BARBOUR
英国王室が愛する《バブアー》は、ロイヤルワラントを3つ獲得していた希少なブランドのひとつ。特に、オイルを染み込ませた定番のワックスドジャケット「ビデイル」にヘッドスカーフというスタイルは、女王陛下のアウトドアスタイルの定番となっていた。とにかく、物を大切にしていた女王。新品の無料提供も断り、リプルーフを依頼して、25年以上も同じジャケットを着用していたというエピソードもあるほど。私のおばあちゃんも大事に丁寧に着ているなぁ、私も見習わなきゃ、と思うのです。
オイルドジャケット¥53900/Barbour(バブアーパートナーズ ジャパン)、カーディガン¥23100/MORRIS & SONS、ブラウス¥17600/ORCIVAL、バッグ¥27500/Brady(以上すべてビショップ)、キュロットパンツ¥15180/HARVESTY(ハーベストムーン)、スカーフ¥14300/manipur(i マニプリ)、アンティーク双眼鏡¥35200(ケントストア東京目黒店)
LAVENHAM
創設者のミセス・エリオットは、エリザベス女王に使える元女官。乗馬を嗜む女王のために、軽くて丈夫な上に、保温性も抜群のキルティング地で馬用の毛布を作ったことから《ラベンハム》がスタートした。以降、ブランドを象徴するダイヤモンドキルトを使用したジャケットを発表。キルティング生地から自社工場で作っているため、安定した品質を誇っている。「とにかく軽いのよ。動きやすいからシャッターチャンスだって逃さないわ」と、おばあちゃんはいつも以上にカメラを持つ手に力が入っている。
HUNTER
雨の日はもちろん、自然や動物が大好きな女王陛下のカントリーライフにも、《ハンター》のレインブーツが欠かせなかった。設立当初は英国軍向けのブーツを生産していたが、現在ではその伝統のフォルムを踏襲しながら、継ぎ目がなく、高い防水性を保つファッショナブルなブーツを製造している。ロイヤルファミリーをはじめ、セレブの愛用者も多いことから、名実ともに英国を代表するブランドに。今日のおばあちゃんみたいに雨を味方につけて、長靴をおしゃれのキーアイテムにしちゃうのもいいよね。
キルティングジャケット¥40700/Lavenham(ラベンハム カスタマーサービス)、レインブーツ¥18700/HUNTER(ハンタージャパン カスタマーサービス)、セーター¥24200/MORRIS & SONS(ビショップ)、キルトスカート¥34100/O’NEIL OF DUBLIN(アビークローゼスト/エイチ アイ ティー)、スカーフ¥16500/Vincenzo Miozza(真下商事)、アンティークカメラライトメーター¥14850(ケントストア東京目黒店)、カメラ/スタイリスト私物
DAKS
1894年の創業から長きにわたり英国の象徴として愛されている《ダックス》。エリザベス女王含め、かつては3つのロイヤルワラントを授与された由緒正しいブランドだ。ことあるごとにチェックを纏っている女王陛下も、オーセンティックでありながら、モダンさも醸し出すダックスハウスチェックを愛用していたとか。「今日はもう、オールチェックスタイルにしちゃうわ。これで英国淑女の仲間入りができるかしら」と、読書中のおばあちゃんは気もそぞろなのです。
ジャケット¥143000、シャツ¥53900、スカート¥53900、スカーフ¥18700/以上すべてDAKS(三共生興ファッションサービス)、メガネ¥33000/pine(フォレストパイン・デザインラボ)、アンティークチェア¥49500、アンティークブック¥1100(ともにケントストア東京目黒店)
photograph_Tamura Masahiro〈 FREAKS〉
styling_Hirai Ritsuko
hair & make-up_Onishi Akemi
model_Inge
edit_Matsui Arisa
design_Nakamura Hiroe
FUDGE vol.233 2022年12月号より
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