CULTURE & LIFE

毎週テーマに合わせて、「アーティスト」が選曲したプレイリスト、いつの時代も色褪せない「名盤」、そして注目の「新曲」をお届けする、連載《火曜日のプレイリスト》。

先月から4週間に渡り、ceroのフロントマン髙城晶平さんが登場!今回はいよいよ4月8日に発売する、Shohei Takagi Parallela Botanica名義、初のソロ・アルバム『Triptych』についてインタビューをお届けします。そして、高城晶平さんにファッションにおける3つのルールも教えてもらいました!

 

《高城晶平》

東京の3人組バンド、ceroの髙城晶平が、ソロ・プロジェクト、Shohei Takagi Parallela Botanicaをスタート。Sauce81を共同プロデューサーに迎えたファースト・アルバム『Triptych』は、ユニークな構成で作り上げられたコンセプチュアルな作品。そこから見えてくる風景は、うっとりするほど魅力的だ。

 

一緒に歳をとっていける音楽が、もうひとつ軸としてほしいと思って

ー今回、ソロ・アルバムを作ろうと思ったきっかけを教えてください。

「ceroのメンバーとは高校生の頃に出会ったんですけど、みんなが集まると高校生の時の関係に戻っちゃうんですよね。実際には35~36歳なんだけど(笑)。それはそれでフレッシュなんですが、一緒に歳をとっていける音楽が、もうひとつ軸としてほしいと思ったんです。そのほうが健康的だし、それがceroの表現を変容させるかもしれないと思って」

 

ーどんなサウンドにするのか、目指していたものはあったのでしょうか。

「ceroはその時々に自分たちが興味があるものをやる面白さがあるけど、ソロは一本筋が通った活動をしようと思ったんです。そこで〈自分が今後もずっと聴いていける音楽ってどういうものだろう?〉ってすごく考えて音楽を聴き直しました。そのなかに、ジョー・ヘンリーっていうミュージシャンがいて。彼のソロ作はどれも好きなんですけど、自分の父親の世代も彼のファンが多くて世代を超えている。アルバムひとつひとつがシアトリカルで、曲と曲が連なってるような構成なんです。それが今のミックステープの感じに近いものがあるから、若い子達にもきっとリーチするだろうな、と思ったんですよね」

 

 

ーそういえば、今回のアルバムは3曲が一組になって、それが3部構成になっているユニークな内容ですね。そういうスタイルはジョー・ヘンリーからの影響があった?

「それは大いにありますね。あと、宗教画で〈三連画(トリプティック)〉っていう、3枚の絵が一組になっているものがあって、そこからもヒントを得ました。マディソン・スマート・ベルっていう作家が書いた『ゼロ・デシベル』という小説に、三連画の形式を取り入れた〈トリプティック〉という短編があるんですけど、違うアートの形態を小説に取り入れているのが面白くて。今回のアルバムでは、まず曲のフレームを作って、そこで使う絵の具も限定したものにしようと思いました」

 

ー〈絵の具〉というのは楽器のことですか?

「そうですね。あと、音の編集の仕方とか言葉とか。歌詞に重複した言葉がいくつあっても良いんじゃないかと思ったんです」

 

荒涼とした砂漠、凍りついた土地……なぜか人を惹きつける景色

ー音楽性という点では、R&Bとかジャズとか、ルーツミュージック的な要素が強い気がしました。

「オーセンティックな印象を与えつつ、なおかつ、人をうっとりさせる音楽である、というのは意識していましたね。〈うっとり〉っていうのにも色々あって、南国にいるみたいな気持ちになってうっとりするというのとは違うんです。荒涼とした砂漠とか、凍りついた土地とか、恐ろしい光景なんだけどなぜか人を惹きつける。なんかそういう景色が浮かぶ音楽になればいいなと思っていました」

 

ーザラザラしていて、不思議な奥行きがあって、独特のサウンドですよね。共同プロデューサーのSauce81とはどんな話をしたのですか?

「ちょっとイビツだったり、ローファイ的だったり、そういう手法に基づいて、いろいろやってほしいと言ってたんですけど、彼が作ってくれた音は最初の段階からバッチリでしたね。僕が描きたいと思っていた風景を理解してくれていました」

 

 

ーパーソナルな雰囲気が漂っているのも特徴です。

「個人的な音楽なんでceroみたいに歌い上げず、リラックスして歌おうと思ってレコーディングの時は結構座って歌ってました。自宅で録音したものを、そのまま使ったりもしています。でも、ベッドルーム・ポップみたいなふうに言われるのは違うな、と思ってて。あくまで抜けがいいというか、(リスナーを)風が吹いてる場所には連れて行きたいなと思っていました」

 

ー確かに映像的なサウンドですね。ceroとはまた違った風景を見せてくれるような。

「今回は自分が今聴きたいと思う音楽がやれた気がします。売るのは二の次というか。アルバムを作った後って、インタビューでアルバムのことを何度も喋っているうちに客観的になって、後でアルバムを聴き直したらつまらなく感じたりすることがよくあるんです(苦笑)。でも今回は〈すごい気に入ってるので、よかったらみなさん聞いてください〉って素直に言える満足感がある。それは自分にとっては珍しいことかもしれないですね」

 

 

髙城晶平が教える、ファッションの【Myルール】とは?

アーティストにお洒落の極意を教えてもらう【MYルール】。髙城晶平さんにファッションにおける3つのルールについて聴きました!子煩悩な一面も垣間見れます。

 

Rule1:VANSのスリッポン

「子供と出かける時って手を使わずに履ける靴がよくて。子供はさっさと靴を履いて行っちゃうから、靴を履くのに手間取るわけにはいかないんですよ。それでスリッポンを履くようになったんですけど、あると履いちゃうから、結果スリッポンばっかになっちゃうんですよね。(笑)持ってるのは一足か二足くらいで、ボロボロになったら新しいの買って、みたいな感じですね。」

 

Rule2:ライヴの時は赤いものを身につける

「坂本龍一さんが”赤いものを身につけたら人前に出る気になる”って言ってて。でも、教授ってパッとみはシックじゃないですか? 赤のイメージがないというか。でも、見た目に赤のものがない時は、赤いパンツを履いてるそうなんです(笑)。それを聞いて、俺もライヴの時は赤いパンツを履いてるんですよ。まあ、験担ぎですね。でも、真っ赤なヤツってなかなかないですよね。横尾(忠則)さんもそういうのがあるみたいで、風邪をひいたりすると全身赤にするそうですよ、キャップから靴まで全部赤。”元気がないから色のパワーを借りてる”って。明るい服を着たら明るい気持ちになれたりしますもんね。」

 

Rule3:折り畳み傘は蛍光色

「折り畳み傘って、昔はいつも無くしてたんですよ。ヘタすると買った日に無くしてた。存在感なさすぎるんですよね。それである時、「蛍光色にしたら無くさないかも」と思ってそうしたら、それ以来、無くさなくなったんです。初めてボロボロになるまで使いきることができた。それから蛍光色のものを選んでます。いつもウォーターフロントっていうブランドのものなんですけど、ワンタッチで開いてワンタッチで閉じるっていうのも重要ですね。今は完全に折り畳み派です。物販でオリジナルの畳み傘を作ってみたいですね。俺も欲しいし(笑)。」

 

Shohei Takagi Parallela Botanica『Triptych』
2020.4.8 Release ¥2500 KAKUBARHYTHM / Sony Music Labels Inc.

 

photograh_Osada Kasumi

《高城晶平》cero のボーカル/ギター/フルート担当。 2019 年よりソロプロジェクト “Shohei Takagi Parallela Botanica”を始動。 その他ソロ活動では DJ、文筆など多岐に渡って活動している。2020年4月8日に1st Album「Triptych」をリリースする。

 

FUDGE.jpが「Pick up」する、注目のアーティストの新譜を紹介!

select:カネコアヤノ『爛漫』

不思議なメロディーに引き込まれていく

カネコアヤノの新曲は両A面のシングル「爛漫/星占いの朝」。つまり、どちらの曲もA面にしたいほどの自信作ということ。今回もいつものバンド・メンバーと一緒にレコーディングしていて、「爛漫」はゆったりしたリズムにのって、ゆっくりと上昇していくような不思議なメロディーに引き込まれていく。そして、そんななかを泳ぐように突き進んでいくカネコアヤノの力強い歌声。サイケデリックな浮遊感を漂わせながら、サビで鳴り響くラウドなギターがカッコいい。ちょっとオルタナ・ロックのテイストが入った骨太なナンバー。シンセがキラキラ輝くダンサブルな「星占いの朝」もオススメ。

 


 

text_Murao Yasuo

design_Koinuma Kenichi

edit_Takehara Shizuka

 

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