CULTURE & LIFE
「おしゃれな人のルームツアー」企画では、FUDGEにまつわる素敵なあの人の部屋にお邪魔して、ルームツアーを開催!「部屋」はその人の好みや性格を表す場所でもあり、普段見ることのできない場所だからこそ気になるところ。インテリアのこだわりや収納術、生活のアイデアなどをぜひ参考にして、あなたも自分だけの心地よい暮らしを叶えて!

第21回目ではニュージーランド出身の翻訳家、キャサリン・リーランドさんのご自宅を拝見。週末は夫とともに新しいお店や展示を巡ることが好きな彼女が暮らすのはどんなお部屋?
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『FUDGE』はニュージーランドの少女のバイブル

「12歳くらいの頃、日本のファッションに興味を持ち始めて。当時は日本語をまったく読めませんでしたが、子どもの頃からインターネットが大好きだったので、日本のファッション雑誌を何時間も見て過ごしていました」とキャサリンさん。
「クリスマスに叔母からFUDGEを何冊もプレゼントしてもらったことは大切な思い出のひとつ。当時の私にとって本当に特別な贈り物で、今でも忘れられません。レイヤードの着こなしや、メンズライクなアイテムの取り入れ方、ヘアメイクなどはいつもFUDGEを参考にしていました」と教えてくれました。
上から下までモノがたくさん!1LDKを好きで埋め尽くす
キャサリンさんは日本で生活を始めて今年で10年。語学留学を機に来日し、現在は翻訳家やモデルとして活動しています。そんな彼女が2019年の夏から暮らす1LDKの住まいで最初に目に入るのは、リビングの壁一面にドーンと置かれた大きな本棚。

「結婚前に夫が、住んでいた部屋のサイズに合わせて作った幅4mの大きな本棚を置けることが新居選びの第一条件でした。加えて駅から徒歩1分という便利な立地や、キッチンが独立している間取りも魅力的でこの家に決めました」
また、「好きなものに囲まれた空間づくりを大切にしています」と話すように、写真や、アート、おもちゃ、植物、チェアなど、部屋のあちこちには手にとって確かめたくなるような、気になるアイテムが散らばっています。

「物は多くごちゃごちゃした雰囲気ではありますが、汚い印象にはならないように心がけています」とキャサリンさん。そんな部屋作りの参考となるのは、羽根木にあるアトリエ兼ギャラリーショップ〈Out of Museum(アウトオブミュージアム)〉や、ロンドンの〈サー・ジョン・ソーンズ博物館〉です。

「〈Out of Museum〉は、たくさんの物がありながらも、それぞれに意味やストーリーがあり、全体として心地よい空間になっているところに惹かれます。〈サー・ジョン・ソーンズ博物館〉も同じように、建築や美術品、本、さまざまな収集品が所狭しと並んでいますが、ただ物が多いだけではなく、持ち主の興味や歴史が感じられるんです。コレクションを飾るだけでなく、日常の空間の一部として自然に共存させている雰囲気にも憧れています」
また「《UNDERCOVER(アンダーカバー)》の昔のアトリエも大好きです」と続けます。

「初めて雑誌で見たときは、本当に衝撃を受けました。ひとつひとつの物にセンスがあるので、たくさんの物が置かれていても、その空間全体がとても魅力的に感じられます。ちなみに、私の大好きなバービー人形のうち、いくつかをガラスドームに入れて飾っているのは、《UNDERCOVER》のアトリエの真似です」
「ただヴィンテージ風に見えるものを選ぶのではなく、それぞれにストーリーや歴史のあるものを選ぶようにしているのもポイントです」と、思い出がたっぷり詰まったお気に入りのアイテムを教えてくれました。
アメリカで見つけたアンティークのパッチワークキルト

アメリカ・テキサス州ヒューストンで購入。「夫との初めての海外旅行で見つけた思い出の品です。値切ってみようとはしたのですが、あまり得意ではなくて……(笑)。それも含めて忘れられない思い出になっています」
結婚写真を入れた《katasumi frame(カタスミフレーム)》の小さなフォトフレーム

「写真は友人が撮ってくれたものです。夫とは週末によく散歩をするのですが、下北沢の〈BONUS TRACK(ボーナストラック)〉を歩いていたときに、偶然《katasumi frame》のポップアップに出合い、購入しました。結婚写真を飾るためのフレームというだけでなく、東京を歩いていると素敵な出会いがあることを思い出させてくれる、大切なアイテムです」
今宮戎神社の福娘リカちゃん

「大学時代、今宮戎神社の2015年福娘で留学生代表を務めたことがあるのですが、そのときの思い出として、友人がリカちゃんをカスタマイズしてプレゼントしてくれました。パッケージには当時のお祭りの写真も入っていて、見るたびにその頃のことや友人の気持ちを思い出せる、大切な宝物です」
テーブルを囲むのは、色も形もさまざまなチェアたち

家具は〈Etsy(エッツィー)〉や〈eBay(イーベイ)〉などのオンラインサイトや、国内外のヴィンテージ家具を扱う〈TOKYO RECYCLE imption(トーキョーリサイクルインプション)〉で探すことが多く「Instagramで見つけた海外のお店や小さなブティックから購入することもあります。SNSで偶然見つけたお店との出会いも楽しみのひとつです」とのこと。
そうやって見つけたアイテムとして、テーブルを囲むユニークなチェアの中から3脚紹介してくれました。
《Zanotta(ザノッタ)》のスツール「Mezzadro(メッザドロ)」

「祖師ヶ谷大蔵の〈TOKYO RECYCLE imption〉で購入しました。トラクターのシートをモチーフにしたデザインで、シンプルなのに存在感があります。置いてあるだけでも絵になるところがお気に入りです」
メンフィススタイルのチェア

1980年代にイタリアのミラノのデザイナー集団「メンフィス」が生み出した、ユニークでモダンなデザインを踏襲したチェア。「名古屋の〈JAM-DAY(ジャムデイ)〉で購入しました。黒いベルベットの三角形の背もたれとクロームの脚が特徴です。見た目のインパクトに反してとても座り心地がよく、友人を招いて食事をすると、いつも誰が座るか取り合いになります(笑)」
〈Woodastal(ウッドスタル)〉で見つけたチェア

通販サイトを経由してセルビアでヴィンテージ家具を扱うショップ〈Woodastal〉でゲットしたチェア。「テーブルを購入した頃に迎えた、我が家では最初の椅子のひとつです。木とクロームを組み合わせたデザインと、鮮やかな黄色が気に入っています。部屋を明るくしてくれるような、元気な存在です」
雑誌に絵本、図録、料理本、写真集……。数えきれないほどの本を収納。
「『何を置いていないか』を考えたほうが早いかもしれません(笑)」と、壁一面の本棚には、大まかなジャンルごとに本以外のアイテムも並びます。

「もともとは夫のために作られた本棚なので夫のものが多いのですが、最近は私の本も少しずつ増えてきて。だんだんスペースを広げています。私の棚には、料理本やファッション関連の本、絵本のほか、自分らしさやこれまでの歩みにつながる本やフリーランスの翻訳者として携わった展覧会の図録が並んでますね」
一番右の棚にはFUDGEを含めた雑誌やDVDを収納。旅先で見つけたものやお気に入りの小さな雑貨もたくさん飾っているようです。
素敵な部屋といい気分を保つためには掃除は欠かせない
一日中過ごしていても飽きなさそうなお部屋での過ごし方を聞いてみると……「掃除をする時間が好きです」とキャサリンさん。

「私にとって掃除は、気分転換やストレス解消にもなっています。最近はバンジョーの練習も始めましたが、なかなか上達しません(笑)。また、時間があるときは裁縫を楽しんでいます」
ホームフレグランスベスト3
「家で過ごす時間をより心地よくするために、その日の天気や時間帯、そのときの気分に合わせて香りを変えるのが好きです」と、最近のお気に入りのホームフレグランスのベスト3を紹介してくれました。
《OFFICINE UNIVERSELLE BULY(オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリー)》の「ブジー・パルフュメ カンパーニュ・ディタリー」

「火を灯していなくても、部屋にやさしく香りが広がるところがお気に入りです」
《LOEWE(ロエベ)》の「Tomato Leaves」

「青々としたトマトの葉の香りが大好きです。子どもの頃は大きな家庭菜園のある家で育ったので、その頃の記憶を思い出させてくれます。日本では家庭菜園がないので、少し懐かしい気持ちになります」
円覚寺のお香「円覚」

「小津安二郎のお墓参りに行ったときに購入しました。香りだけでなく、そのときの思い出も一緒によみがえるので、大切に使っています」
アートな陶器ベスト3
加えて「もうひとつベスト3を作ってみました!」とキャサリンさん。アートな陶器のベスト3も考えてくれました。

Star Act(スター・アクト)の壺(右)
「ニュージーランド人の陶器アーティスト、Star Actの壺。帰省時にウェリントンのブティック〈Sully’s(サリーズ)〉で購入しました。王冠みたいにメルヘンチックなデザインだけど、色合いがグランジっぽくて、そのギャップに惹かれました」
《工房YUAI(ゆうあい)》の陶器(中央)
「《工房YUAI》は、障害者支援施設〈友愛学園成人部〉で暮らす人たちが表現をするためのアトリエ。先日、八王子のギャラリー〈準備中クリニック〉で、そこで作られた陶器の展示がやっていて、そこで買いました。粘土感がすごく好きです」
Hans Chew(ハンス・チュー)のカップ(左)
「シンガポール人の陶器アーティスト、Hans Chewのカップ。アーティストのギロチンドックス・ギロチンディーが主宰するアートイベント『獣』第1回で買いました。実際は硬いのに、乾いてないペンキのような柔らかさを感じさせる見た目が好みです」
これからの理想のお部屋は?
最後に、今後のお部屋づくりの展望を聞いてみました。
「賃貸なのでDIYはあまりできませんが、いつか理想のお部屋にできるなら、リビングの壁を木のパネル張りにしてみたいです。寝室は、床から天井まで届くベルベットのカーテンで壁を覆ったような空間に憧れています。また、キッチンやバスルームはタイル張りにして、アメリカの漫画家ソール・スタインバーグが手がけたような、手描きのタイルで飾ってみたいです」

ニュージーランド出身。来日10年目。美術分野を中心に活動するフリーランス翻訳者。ファッション、アート、歴史が好きで、週末は夫と東京の街を散策しながら、新しいお店や展示を巡ることが多い。
text_Hasagawa Nozomi
edit_Yanase Rei
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