CULTURE & LIFE

駅近の築38年のマンション。リノベーションされた1LDKに、時計修理士の秋生まれさんと奥さまは2人で暮らしています。リビング、玄関、ダイニング。秋生まれさんのらしさが見えてくる。心地よさと好奇心が共存する住まいをご紹介します。

 

好きなものに囲まれるリビング

はじめての同棲生活がきっかけで選んだ住まいは、職場へのアクセスや利便性もさることながら、「少し変わったL字型の間取り」が決め手の、築38年、50㎡の1LDK。

 

その中でも、映画鑑賞が趣味という秋生まれさんにとって、リビングは拠点と呼べる場所。 奥行きのある3人掛けソファの上には、アクタスのクッションカバーに包まれたクッションが4つ並びます。落ち着いたブラウンとベージュの中に、加えられた花柄のデザイン。

 

「部屋に溶け込むような、でもちょっと主張のあるものを」と選んだそのカバーには、ストーリーがありました。結婚のタイミングで、奥さまの友人たちから「お祝いに欲しいものはある?」と尋ねられた秋生まれさん。ショッピングモールで何気なく立ち寄ったアクタスで見つけたクッションカバーが頭に残っていて、それをリクエストしたのだそう。

 

そしてもうひとつの主役は、ヤフオクで偶然出会ったヤマハ製のパーソナルチェア。

 

家具メーカーのイメージが薄い同ブランドですが、意外性と見た目に惹かれて購入。

 

実際の座り心地も申し分なく、夜な夜なここで映画に没頭する時間が、秋生まれさんのリセットのひとときになっているそうです。

 

リビングの壁には、IKEAで購入したアートポスターのセットが飾られて、より印象的な空間に。

 

落ち着いた色調の中にグリーンが織り交ぜられ、隣に置かれた観葉植物と共鳴するよう。
「白とベージュを基調に、ブラウン、グリーンを6:3:1の比率で取り入れるのが、空間づくりのこだわりです。昔読んだ本に書いてあって、それから意識するようにしています」

 

秋生まれさんの空間は、すっきりと整いながらもどこか柔らか。低めにまとめた家具の高さ、視線の抜け、光の陰影までもが、心地よさを感じる空間を生んでいました。

 

整えすぎず、心の遊び場のように楽しむ玄関

メインスペースとは異なるアイテムと雰囲気で楽しまれているのが、秋生まれさんがカオスな場所と表現する玄関スペース。

 

壁一面に貼られたポストカードは、美術館やギャラリーを訪れるたびに1枚ずつ買い集めてきたもの。展示を観た余韻や旅の記憶を閉じ込めた、小さなアートブックのようです。

 

奥さまが集めているキャラクターグッズも、リビングではなく玄関に。
「リビングにはちょっと合わないけど、嫌いじゃない」と笑いながら、その自由な混沌を楽しんでいる様子が印象的でした。

 

ふたりの趣味の違いを許容しあえる場所としての玄関。整った空間とは対照的に、ちょっと気が抜けるこの一角に、暮らしの余白が宿っています。

 

そんな空間の中で、ひときわ目を引くのが、兄が描いたという絵画。祖父が亡くなる直前に会ったときの印象をもとに描かれた作品で、贈り物として譲り受けたもの。
「色味はリビングに合わなかったけど、せっかくもらったので、玄関に飾って毎朝目にするようにしました」

大切な人の記憶が、さりげなく暮らしに根づいている。その絵はまるで、日々の営みにそっと寄り添う心のお守りのようでした。

 

曖昧だった空間に、光でメリハリをつける

家の中心にあるダイニングは、もともとリビングとの境界があいまいな場所だったといいます。
それを明確にしたのが、ペンダントライトの存在。

 

「吊り下げ式にしたかったんですけど、天井の形状的に難しくて。でも、Amazonでコンセント式の照明と天井用のフックを見つけて、ひとりで取り付けました」

 

試行錯誤しながら設置したというエピソードも含めて、空間への愛着が増していったそうです。

 

ダイニングテーブルとチェアはNOCEのもので、椅子はあえてデザイン違いの2脚をセレクト。楕円形に近い三角テーブルを選んだ理由は、「角をつくらず、丸みのある空間にしたかったから」。中央に配置された照明の真下で、ふたりの時間がやわらかく交差しています。

 

背後に置かれた IKEA の収納棚には、日用品や書類など見せたくないものを収めたボックスが並びます。

 

その上にはアンティークのショーケース。ヤフオクで見つけた高知のショップが出品していたもので、贈り物でいただいたバカラのグラスや、アラビアのカップを美しく並べています。

 

「見えないところにしまっていた器を、ちゃんと飾ってあげるようにしたかったんです」
そんな言葉の中に、モノと空間へのやさしい眼差しを感じました。

 

秋生まれさんの住まいには、整いすぎず、気取らず、でも芯のある美しさが流れていました。
日々のルーティンや、光の入り方、好きなアイテムやちょっとしたDIY。それらをひとつひとつ、自分たちの暮らしの速度に合わせて選択されてきたのだと感じます。

 

「これからも、スタイルを変えざるを得ないタイミングはあると思う。でも、そのときどきでいいなと思える暮らしを、柔軟につくっていけたら」

 

きっと、暮らしに最終的な正解なんてなくて。そのときどきの「これがちょうどいい」と思える選択を、楽しみながら重ねていけることが、秋生まれさんの言う「いい暮らし」なのだと思います。

 

秋生まれさん(@da_bun22)のInstagramアカウントはこちら
https://www.instagram.com/da_bun22/

 

text & photo : Tsubottle

 

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出典: goodroom journal 

記事提供元:リノベーション・デザイナーズ賃貸 goodroom(グッドルーム)

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